教育

【解説】家庭でできるSTEAM教育の取り入れ方|親子で楽しむ実践アイデアとおすすめ教材

※アフィリエイト広告を利用しています

「STEAM教育がいいらしい」「これからはSTEAMの時代」と聞くことが増えたけれど、実際に家庭でどう取り入れたらいいのか分からない。
そんな不安やモヤモヤを抱えているお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか。

習い事に通わせる余裕まではない。けれど、お子さんの可能性は広げてあげたい。
タブレットや動画に頼りすぎるのも心配だし、そもそもSTEAM教育って難しそうに聞こえてしまう。
親御さん自身が理科や算数が苦手だった経験があると、「自分に教えられるのかな」と不安になることもありますよね。

でも、家庭でできるSTEAM教育は、特別な教材や高度な知識がなくても始められます。
幼児教育の知見をもとにすると、ふだんの生活の中にある「なぜ?」「どうして?」を丁寧に拾い上げていくことが、すでに立派なSTEAM教育の一歩になります。

この記事では、子育てに悩むご両親に向けて、家庭でできるSTEAM教育の取り入れ方をやさしく解説します。
お子さんの視点を大切にしながら、親子で楽しめる実践アイデアや、おうちに迎え入れやすい知育玩具も紹介していきます。

STEAM教育とは?家庭で取り入れる意味とメリット

STEAM教育ってそもそも何?

まずは「STEAM教育って何?」というところから、かんたんに整理してみます。

STEAM(スティーム)は、次の5つの言葉の頭文字を合わせたものです。

  • S:Science(サイエンス・理科)

  • T:Technology(テクノロジー・技術)

  • E:Engineering(エンジニアリング・工学)

  • A:Art(アート・表現・デザイン)

  • M:Mathematics(マスマティクス・数学)

これらを「バラバラに教える」のではなく、
身近なテーマを通して、まとめて体験しながら学んでいこうという考え方がSTEAM教育です。

例えば、ペットボトルロケットを飛ばす遊びをするとします。
水の量や空気の入れ方を変えることはサイエンス、
ペットボトルに羽をつけて飛び方を工夫するのはエンジニアリング、
デザインを考えるのはアート、
回数を数えたり、飛んだ距離を比べるのはマスマティクス。
このように、一つの遊びの中に、いくつもの要素が自然と含まれています。

ポイントは、「教科として詰め込む」のではなく、
遊びや生活を通して、お子さんが自分で考えたり、試したりする姿を育ちを支えることにあります。

なぜ今、家庭でできるSTEAM教育が注目されているのか

これからの時代は、「正解を早く答えられる子」よりも、
「自分で問いを立てて、考えながら動ける子」が求められると言われています。

社会の変化が早く、今ある仕事の一部は将来なくなるとも言われる中で、
どんな時代でも生きていく土台となるのが、次のような力です。

  • 自分で「なぜだろう?」と疑問をもつ力

  • 試行錯誤しながら工夫していく力

  • うまくいかなくても、やり方を変えて再挑戦する力

  • 人と相談しながら進めていく力

STEAM教育は、こうした力を育てる土台として世界的に注目されています。
そして、それは学校や習い事だけではなく、家庭の中でも十分に育てることができます。

家庭だからこそ、お子さんのペースで、興味や得意を活かしながら進めることができます。
親御さんがお子さんの育ちを支える存在となり、「一緒に考えるパートナー」になっていくこと自体が、STEAM教育の大切な要素です。

お子さんの育ちを支える視点から見たSTEAM教育のメリット

幼児教育の知見をもとにすると、家庭でSTEAM教育を取り入れることには、次のようなメリットがあります。

  • 「やってみたい」という主体性が育つ

  • 失敗を恐れずに、試してみる姿勢が身につく

  • 「どうしてそうなったのか」を考える習慣ができる

  • 自分の考えを言葉や絵で表現する力が伸びる

  • 親子で一緒に取り組むことで、安心感や信頼関係が深まる

机の上だけの勉強ではなく、
水あそび、ブロックあそび、お絵かき、料理など、
日常の中の体験に「ちょっとした問いかけ」を加えることで、
お子さんの姿を見取る時間が増えていきます。

「こんなことを考えていたんだ」「こんな工夫ができるようになったんだ」と、
ご両親がお子さんの育ちを支える実感を持てることも、家庭でのSTEAM教育の大きな価値です。

家庭でできるSTEAM教育の基本ステップ

日常生活の中にSTEAMの視点を取り入れるコツ

家庭でできるSTEAM教育の入り口は、とても小さな「なぜ?」です。

例えば、こんな場面があります。

  • 料理のときに「このお水は温めたらどうなるかな?」

  • お風呂で「氷をお湯に入れたらどうなると思う?」

  • 公園で「この葉っぱとあの葉っぱ、どこが違うかな?」

  • お片づけのときに「同じ色だけ集めてみようか」

特別な教材がなくても、「気づき」のタネは生活の中にたくさんあります。
お父さん、お母さんが少しだけ意識を向けることで、
日常がそのままSTEAM教育のフィールドに変わっていきます。

「答えを教える」のではなく、
「どう思う?」「やってみる?」と問いかけながら一緒に考えることが大切です。
その過程で、お子さんの考える力や、試してみる姿を丁寧に見取ることができます。

年齢や発達に合わせた、無理のない始め方

未就学児や小学校低学年のお子さんの場合、
長い説明を聞き続けるのはとても難しいものです。

ですから、最初は「短い時間」「かんたんな遊び」から始めるのがおすすめです。

  • 数分で終わる小さな実験

  • 片づけも含めて10分程度の工作

  • お散歩の中で“形さがし”や“色さがし”をしてみる

このくらいのサイズ感であれば、親御さんの負担も少なく、
お子さんの「もっとやりたい」という気持ちを育ちを支えることができます。

「この年齢ならここまでできてほしい」という目安よりも、
今のお子さんがどんなことに興味をもっているか、どんな姿が見られているかを大切にしてあげてください。

親の声かけを少し変えるだけで変わること

STEAM教育では、親御さんの声かけも大きな鍵になります。

例えば、
「こうやるのが正解だよ」と教える代わりに、
「どうしたらうまくいくかな?」「さっきと何が違ったかな?」と聞いてみます。

うまくいかなかったときも、
「失敗したね」ではなく、
「今ので分かったことってなんだろう?」と一緒に振り返ってみます。

このようなやり取りを通して、
お子さんは「結果」だけでなく、「考えるプロセス」を大事にする姿勢を少しずつ身につけていきます。

ここまでが、家庭でできるSTEAM教育の基本的な考え方と入り口の部分です。
次では、親子で楽しみながら実践できる具体的な活動アイデアについて、理科・技術・工学・アート・数学の視点から順に紹介していきます。

親子で楽しむSTEAM教育の実践アイデア

家庭でできるSTEAM教育は、難しい準備よりも「親子で一緒に楽しめるかどうか」が大切です。
ここでは、Science・Technology・Engineering・Art・Mathematics、それぞれの要素を日常の遊びの中に取り入れるアイデアを紹介します。

お父さん、お母さんが「完璧にやらなきゃ」と気負わずに、できそうなところから少しずつ試してみてください。

Science(サイエンス):身近な不思議を一緒に観察する

理科というと難しそうに感じますが、「なぜ?」「どうして?」と一緒に考えるだけでも立派なサイエンスです。

例えば、こんな遊びがあります。

・水に沈むもの、浮くものを試してみる
・氷をお風呂やコップの水に入れてどう変化するか観察する
・ベランダや庭で植物の成長を記録する

「沈んだね」「こっちは浮いたね」と結果だけを伝えるのではなく、
「どうしてだと思う?」「次は何を試してみる?」と聞いてみると、
お子さんの考えようとする姿を見取ることができます。

観察したことを絵に描いたり、簡単なメモにしたりするのもおすすめです。
言葉や絵で表現することで、気づきがさらに深まります。

Technology・Engineering(テクノロジー・エンジニアリング):つくって試す遊び

Technology(技術)やEngineering(工学)は、
「作ってみる」「直してみる」「工夫してみる」という体験の中で育ちます。

例えば、

・ブロックで橋やタワーを作って、どこまで高くできるか試す
・積み木で車のコースを作って、どこで止まるか実験する
・輪ゴムを使って簡単な“ぴょんっと飛ぶおもちゃ”を作ってみる

最初からうまくいかなくても大丈夫です。
「崩れちゃったね」「ここがぐらぐらしていたかもね」と一緒に振り返ることで、
お子さんは「失敗してもいい、やり方を変えればいい」という感覚を少しずつ身につけていきます。

うまくいったときには「さっきと何が違ったんだろうね?」と声をかけてみてください。
工夫の違いに気づこうとする姿が、育ちを支える大切な時間になります。

Art(アート):自由に表現する時間を大切にする

STEAM教育では、Art(アート)もとても重要な要素です。
アートは、感じたことや考えたことを自分なりの形で表現する力につながります。

例えば、

・絵の具やクレヨンで「今日楽しかったこと」を描いてみる
・紙コップや空き箱で自由工作をしてみる
・粘土で好きな形を作ってみる

このとき、完成度を大人の目線で評価する必要はありません。
むしろ、「ここをこうしたかったんだね」「この色が好きなんだね」と、
お子さんのこだわりや工夫の姿を見取ることが大切です。

「こうしたらもっと上手だよ」と直すのではなく、
「どうしたいと思っているか」を先に聞いてみると、
お子さん自身の中にあるイメージを大切にできる時間になります。

Mathematics(マスマティクス):数や形で遊ぶ

数学の力は、日常の中の「数」「形」「順番」「規則性」の体験から育っていきます。

例えば、

・お菓子を並べて「何個あるかな?」と一緒に数える
・丸いもの、三角のもの、四角いものを家の中で探してみる
・階段の上り下りで「いち、に、さん」と声を合わせて数える
・おはじきやブロックを色ごとに分けて「どの色が多いかな?」と比べてみる

遊びながら数や形に親しむことで、「勉強だからやる」のではなく、
「楽しいからやる」という気持ちが自然に育ちます。

「答えを間違えないこと」よりも、
「自分で数えようとした」「自分で比べようとしていた」という姿を見取ってあげてください。

実践アイデアを支える「親子の会話」

どの活動にも共通して言えるのは、
お父さん、お母さんの一言が、お子さんの学びの質を大きく変えていくということです。

・「それ、面白いね、どう思ったの?」
・「さっきと何が変わったかな?」
・「もう一回やってみる?」

こうした声かけは、結果ではなく過程に光を当てる関わり方です。
お子さんの育ちを支える対話を重ねることで、
「考えることって楽しい」「試してみてもいいんだ」という感覚が、少しずつ根づいていきます。

このような実践を続ける中で、
知育玩具を取り入れていくと、家庭でできるSTEAM教育の幅はぐんと広がります。
次は、そんな教材の選び方や、親子で使いやすいポイントについてお話していきます。

家庭で使いやすいSTEAM教育向けの知育玩具の選び方

STEAMの視点で見る知育玩具のポイント

知育玩具を選ぶときに、「STEAM教育に良さそう」と書いてあるものをなんとなく選ぶと、使いこなせずに終わってしまうこともあります。
大切なのは、次のような視点で見てみることです。

一つ目は、自由度があるかどうかです。
遊び方が一つに決まっているおもちゃよりも、組み立て方や使い方をお子さん自身が工夫できるおもちゃの方が、考える力や試行錯誤する姿を引き出しやすくなります。

二つ目は、試して比べられるかどうかです。
例えば、積み木やブロック、簡単な実験キットなどは、「こうしたらどうなるかな」「さっきと何が違うかな」と比べて考えるきっかけになります。

三つ目は、長く遊べるかどうかです。
年齢が上がっても遊び方を変えて楽しめるものは、成長に合わせて学びの深さも変えやすくなります。
幼児教育の知見をもとにすると、「遊び方が一つではない」という特徴は、お子さんの育ちを支えるうえで、とても大事なポイントになります。

お子さんの興味から選ぶことが一番の近道

どれだけ良いとされている教材でも、お子さんの興味が向かなければ続きません。
まずは、お子さんが今どんなものに目を輝かせているのかを、丁寧に見取ってみてください。

乗り物が好きな子なら、道路や街をブロックで作る遊びや、距離や速さを比べる遊びに発展させやすいです。
生き物が好きな子なら、図鑑や観察セット、虫めがねなどと組み合わせて、「どうしてこうなっているんだろう」と考えるきっかけが生まれます。
工作が好きな子なら、紙コップや空き箱、テープや輪ゴムなどで、仕掛けを作る遊びと相性が良いでしょう。

お父さん、お母さんが「何ができるか」よりも、
「どんな姿が見られているか」を手がかりに教材を選ぶと、
お子さんにとってもしっくりくる学びの時間になりやすくなります。

親子で一緒に楽しめる玩具やゲーム

親子で一緒に楽しめるものを選ぶことも、とても大事な視点です。
大人が「これは面白いね」と感じられる玩具やゲームは、自然と会話が生まれ、学びの深さも変わってきます。

例えば、

・ルールがシンプルなボードゲーム
・協力してゴールを目指すタイプのゲーム
・図形やパターンを組み合わせるパズル
・バランスをとりながら積み上げる遊び

こうした遊びは、順番を待つ力、考えながら進める力、相手の意見を聞く力など、さまざまな育ちを支える要素が詰まっています。

「勝ち負け」だけに意識が向かないように、
「この作戦、よかったね」「さっきよりうまくいったね」と、プロセスを一緒に振り返る時間を持てると、STEAM教育の視点がぐっと生きてきます。

1.テンヨー 『脳ブロック』

手のひらサイズから始まる“遊びの旅”。テンヨーの知育ブロックシリーズは、形や色を自分で選びながら創り出す楽しさが詰まっています。小さなお子さんが「やってみたい!」と手を伸ばす瞬間が、集中力や想像力の育ちを後押しします。親御さんも一緒に遊ぶことで、笑顔と達成感を共有できるのも魅力。家庭での遊び時間を、子どもの“育ちを支える”時間に変えてみませんか?

2.カワダ 『ナンスピ』

「遊びながら夢中になれる」その瞬間が、集中力を育てる大切な出発点です。KAWADAのこのボードゲームは、数字カードやライトの順番を記憶してチャレンジする3つのモードを備え、遊びながら集中力・注意力・記憶力を鍛えられます。対象年齢6歳以上、コンパクトなサイズなのでご家庭のリビングでも楽しめ、お子さんと一緒に「できた!」という達成感を分かち合えるのも魅力。家庭時間を、育ちを支える“遊び時間”に変えてみませんか。

3.マテルゲーム ブロックスシャッフル ポケモンエディション ボードゲーム

人気のブロックスがポケモン仕様になった知育ボードゲーム。カラフルなピースを交互に配置して陣地を広げながら、論理的思考力と空間認識力を楽しく育てます。
キャラクターが登場することで、遊び慣れていないお子さんも夢中になりやすく、親子での対話も自然に生まれます。
「どこに置く?」「次はどうしよう?」と考える時間が、まさに探究の一歩となります。

4.アルゴ ベーシック (頭のよくなるゲーム)

数学と論理的思考を楽しく伸ばせる一冊です。カードを使って「何が隠れているの?」と推理しながら遊ぶ教材で、遊びの中に集中力や分析力が自然と育まれます。お子さんが「気になる!」「もう一回やってみたい!」という瞬間を増やせるのも魅力。お父さん・お母さんがそばで声をかけながら、「今日の発見はね」と子どもの育ちを支える時間になる一冊です。

家庭でSTEAM教育を進めるうえでの注意点

やらせすぎないことの大切さ

STEAM教育という言葉を意識しすぎると、
「もっとやらなきゃいけないのでは」「この年齢ならここまでできていてほしい」と、親御さんの方が追い込まれてしまうことがあります。

でも、お子さんの育ちは、ゆっくりとした時間の中で育まれます。
毎日かならず何かをしなくてはいけない、というわけではありません。
今日は一緒にできた、明日はおやすみ、また週末にゆっくり取り組んでみる。
そんなリズムでも十分です。

“やらせる”時間が増えると、お子さんにとっては負担になり、
「学び=しんどいもの」という印象がついてしまうこともあります。
楽しく続けられる範囲を、お父さん、お母さんの心の余裕に合わせて決めてあげてください。

結果を急がず「育ち」を見る視点をもつ

「この教材を使ったから、算数が得意になるはず」
「この実験をしたから、理科が好きになるはず」と、
結果だけを期待してしまうと、思い通りにならないときにがっかりしてしまいます。

大事なのは、今日の取り組みの中で、どんな姿が見られたのかという視点です。

・自分から「やってみたい」と言っていた
・最後までやりきろうとしていた
・うまくいかなかったときに、少し考え込んでいた
・家族に「見て!」と嬉しそうに伝えていた

こうした一つ一つの姿こそが、お子さんの育ちを支える大切なサインです。
目に見える成果よりも、その子なりのプロセスを見取ってあげることが、長い目で見たときの力になっていきます。

親御さんが疲れない工夫も大切

家庭でのSTEAM教育は、親御さんの負担が大きくなりすぎると続きません。
準備が大変な活動や、毎回片づけに時間がかかる遊びばかりだと、どうしても気が重くなってしまいます。

例えば、

・毎回特別なものを用意するのではなく、台所やリビングにあるものでできる遊びを選ぶ
・週末は少しだけ時間をかけた活動、平日は短時間で終わるミニ実験にする
・「今日はできなかったね」と素直に認めて、次の機会に回す

といった工夫をしてみると、親御さんの心の負担が軽くなります。

お父さん、お母さんの笑顔や安心感は、それだけでお子さんの育ちを支える大切な要素です。
家庭でできるSTEAM教育は、親子が心地よく続けられるペースで進めていくことが、いちばんのポイントだといえます。

次は、よくある質問と答えを通して、家庭でSTEAM教育を続けていくうえでの悩みや不安をもう少し具体的に整理し、最後にこれから試してみたい工夫をまとめていきます。

よくある質問とその答え

Q1:家庭でできるSTEAM教育は、何歳くらいから始めればいいですか?

はっきりした「この年齢から」という決まりはありません。
家庭でできるSTEAM教育は、興味の芽が出たタイミングが一つの目安になります。

小さなお子さんなら、

・水をじっと見つめる
・同じおもちゃばかり選ぶ
・分解したり並べたりするのが好き

といった姿が見られたときがチャンスです。
「なんでかな?」「どうなるかな?」と、一緒に言葉を添えるだけでも、立派なSTEAMの入り口になります。

幼児教育の知見をもとにすると、まずは結果を求めず、
短い時間でも「集中して試している姿」が出てきたら、その育ちを支えるように関わっていくことが大切です。

Q2:自分が理科や算数が苦手なのですが、それでも大丈夫でしょうか?

もちろん大丈夫です。
家庭でできるSTEAM教育は、親が先生になって教え込むものではなく、
「親子で一緒に考えてみる時間」を増やすことが中心になります。

分からないことが出てきたら、

・「一緒に調べてみようか」
・「ママ(パパ)も知りたいな」

と伝えてみると、お子さんは「知らないことを一緒に探す楽しさ」を感じやすくなります。

完璧な説明ができなくても構いません。
お子さんの「どうして?」に耳を傾け、
一緒に悩んだり、試したりする姿を見せること自体が、学びのモデルになります。

Q3:忙しくて、あまり時間がとれません

時間がない中で、新しいことをたくさん取り入れようとすると、親御さんの負担が大きくなってしまいます。
その場合は、「生活の中のついで」にできる小さな工夫から始めてみてください。

例えば、

・料理中に「この野菜は生だと硬いけれど、ゆでたらどうなるかな?」と話してみる
・洗濯物を一緒にたたみながら「同じ形同士で集めてみようか」と提案してみる
・通園・通学の道で「丸いものを5個見つけよう」と言いながら歩く

こうした関わりは、特別な時間を取らなくてもできる、家庭でできるSTEAM教育の実践アイデアです。
毎日でなくても、思いついたときに少しずつやっていく積み重ねで十分です。

Q4:デジタル教材や動画を使ってもいいのでしょうか?

タブレットや動画を活用した教材も、使い方次第で心強い味方になります。
ただし、受け身で見続ける時間が長くなりすぎると、「自分で考えて試す」経験が減ってしまう心配もあります。

おすすめは、

・見る時間や回数をあらかじめ決めておく
・見終わったあとに「どこが面白かった?」「やってみたいところはあった?」と話す
・画面の中で見たことを、実際の遊びに少しだけ取り入れてみる

といった使い方です。

デジタルとリアルな体験を行ったり来たりできるようにしていくと、
学びが一方向にならず、お子さんの育ちを支えるバランスがとりやすくなります。

まとめ:家庭でできるSTEAM教育の第一歩と、これから試してみたい工夫

ここまで、家庭でできるSTEAM教育の取り入れ方や、親子で楽しむ実践アイデア、おすすめ教材の選び方についてお話してきました。

改めてポイントを整理しておきます。

・STEAM教育は、特別なことではなく、日常の「なぜ?」から始められる
・Science・Technology・Engineering・Art・Mathematicsは、遊びや生活の中で自然につながっている
・お子さんの興味や好きなことから広げると、続けやすくなる
・親子の会話や問いかけが、学びの深さを大きく左右する
・結果よりも「考えようとしている姿」「試している姿」を見取ることが、育ちを支えることにつながる
・知育玩具は、“親子で一緒に楽しめるかどうか”を大切に選ぶ
・完璧を目指さず、親御さんの心の余裕に合うペースで進める

これから試してみたい工夫としては、例えば次のようなものがあります。

・今日は一つだけ、「どう思う?」とお子さんに聞いてみる場面をつくってみる
・夕食づくりの中で、温度や量、形に注目する会話をしてみる
・週末に、家にあるものでできる小さな実験や工作を一つだけやってみる
・お子さんの興味に合いそうな知育玩具を、一つだけ取り入れてみる
・できたことを探す目でお子さんを見て、「そんな姿があったね」と言葉にしてみる

どれも、今日から無理なく始められることばかりです。

家庭でできるSTEAM教育は、「もっと頑張らなきゃ」と身構えるものではなく、
親子が一緒に「おもしろいね」「どうしてだろうね」と語り合う時間を、少しずつ増やしていく営みだといえます。

お父さん、お母さんが、お子さんの小さな変化や問いかけの姿をやさしく見取って、
その育ちを支えるパートナーとして寄り添っていくことが、何よりのSTEAM教育になっていきます。

難しく考えすぎず、「これならやってみようかな」と思えるものから、どうか一つだけ試してみてほしいなと思います。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

-教育