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【解説】園内の人間関係をスムーズにする ― 『否定しない習慣』で築く働きやすい職場づくり

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保育現場で大切なのは、園児や保護者さんへの関わりだけではありません。職員同士の人間関係もまた、園全体の雰囲気や保育の質に直結する大切な要素です。

新人とベテラン、主幹や副園長などの立場の違い、さらには保護者さん対応をめぐる考え方の違いなど…。ちょっとしたすれ違いが積み重なると、園内の雰囲気はぎこちなくなり、子どもたちの育ちにも影響を与えてしまいます。

そんな中で参考になるのが、書籍『いつもいい人間関係の人がやっている否定しない習慣』です。この本では「否定しない」というシンプルな習慣が、人間関係をスムーズにし、信頼を深める基盤になると紹介されています。

本記事では、この「否定しない習慣」を園内の人間関係に応用し、保育士同士が働きやすくなる職場づくりのヒントを、事例や体験談を交えてご紹介します。

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なぜ園内の人間関係が大切なのか

職員同士の雰囲気が園児の育ちを支える

園児は大人の表情や言葉に敏感です。職員同士の空気がピリピリしていると、子どもたちは安心できず、のびのびと遊んだり学んだりする姿が減ってしまいます。逆に笑顔や思いやりがある雰囲気は、子どもたちに安心感を与え、育ちを支える大切な環境となります。

保育士が安心して働ける環境が保育の質を高める

人間関係のストレスが少ないと、保育士は目の前の園児に集中できます。仕事に安心感があることで、新しい保育のアイデアに挑戦したり、園児の小さな変化を見取ったりする余裕が生まれます。

保護者さんからの信頼にもつながる

園内での雰囲気は保護者さんにも伝わります。職員同士が協力的で温かい園は「安心して子どもを任せられる」と感じてもらえるものです。

保育現場で起こりやすい人間関係の課題

新人とベテランの価値観の違い

新人は「こんな工夫をしてみたい」と新しい発想を持ち込む一方、ベテランは「これまでのやり方を大切にしたい」と考えることがあります。この違いは本来園にとってプラスですが、否定的な言葉で返すと摩擦につながります。

会議や研修での意見の食い違い

行事準備や教育方針の話し合いでは、意見がぶつかるのは自然なことです。しかし「それは違う」「無理だよ」とすぐに否定してしまうと、意見が出にくい雰囲気になってしまいます。

保護者さん対応をめぐる考え方のズレ

「もっと丁寧に説明すべき」「ここまでは伝えなくていい」など、保護者さんへの対応をめぐる考え方が職員間で異なることもあります。ここで否定的な言い方をすると、不必要な摩擦が生まれてしまいます。

『否定しない習慣』に学ぶ関わり方のポイント

相手の意見をすぐに否定せず「一度受け止める」

「そういう考えもあるね」と受け止めてから「こういう方法もあるよ」と返すと、会話は建設的になります。

違いを尊重して「比較より共有」を意識する

「前の年はこうだった」と比較するのではなく、「去年の経験をどう活かそうか」と共有に変えると、違いが力になります。

批判ではなく「代替案」や「提案」として伝える

「それはダメ」ではなく「こういうやり方だともっとスムーズになるかもしれない」と提案すると、相手も受け入れやすくなります。

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園内で活かす具体的な実践方法

職員会議での発言を安心してできる雰囲気づくり

意見を出したときに否定されない雰囲気があると、発言は活発になります。園全体のアイデアの幅が広がり、子どもたちの育ちを支える活動にもつながります。

同僚との連携で「ありがとう」を言葉にする習慣

「助かったよ」「ありがとう」と口にするだけで、お互いの信頼感が高まります。感謝を言葉にする習慣は、否定しない関係を強化する第一歩です。

困っている職員を見取って声をかける姿勢

忙しそうにしている同僚に「手伝おうか?」と声をかけることで、安心して働ける雰囲気が生まれます。小さな配慮が園全体のチーム力を高めます。

事例紹介 ― 否定しない関わりで変わった園の様子

新人のアイデアを「まずやってみよう」と受け入れたケース

行事の出し物で新人が提案した新しい活動。最初は戸惑いもありましたが「やってみよう」と受け止めたことで成功につながり、職員全体の自信になりました。

行事準備で意見がぶつかったときに「否定しない」姿勢で解決した事例

「時間が足りない」と不安に感じる職員に対して「そう感じるよね」とまず受け止めたうえで「役割を分ければ進められるかも」と提案したことで、衝突せずに解決できました。

保護者さん対応で意見が分かれたときに「共有」したことでまとまった経験

「ここまで伝えるべきか」という意見が割れた場面で、「まずはそれぞれの考えを共有しよう」と話し合い、結果的に園全体として統一感のある対応ができました。

職員同士の関係を育むために園全体でできること

園内研修で「否定しない習慣」をテーマに話し合う

書籍をもとに園内研修で「否定しない関わり」を学ぶと、共通の意識が芽生えます。

管理職やリーダーが率先して実践する

リーダーが否定しない姿勢を見せることで、職員全体に広がります。園の文化をつくる大切な役割です。

日々の振り返りで「否定しない関わり」を確認する

職員同士で「今日のやりとりで否定しなかったこと」を共有することで、習慣化につながります。

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まとめ

  • 園内の人間関係は、園児の育ちを支える保育の土台となる。

  • 『否定しない習慣』の考え方を取り入れることで、職員同士の信頼関係が深まり、働きやすい職場が築ける。

  • 否定しない関わりは、会議、保護者さん対応、日々の小さなやりとりまで幅広く応用できる。

明日からの園内での会話で、同僚の意見をすぐに否定せず「まず受け止める」ことを意識してみましょう。それが働きやすい職場づくりと、子どもたちの育ちを支える力につながるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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