子育てをしていると、「この叱り方でいいのかな」「褒めすぎて依存にならないかな」と迷うことはありませんか。パパ、ママは日々試行錯誤しながら、お子さんのために最善を尽くしていると思います。しかし、どうしても「正解探し」に振り回され、疲れてしまうこともあるでしょう。
そんなときに参考になるのが、ベストセラー書籍『嫌われる勇気』です。この本はアドラー心理学をわかりやすく解説し、人間関係の悩みを軽くするヒントを与えてくれます。特に「課題の分離」や「勇気づけ」といった考え方は、パパ、ママが子育てでお子さんと向き合うときの強い味方になります。
本記事では、『嫌われる勇気』に学びながら、子育てにアドラー心理学をどう活かせるかを具体的な事例とともに紹介していきます。
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アドラー心理学が子育てに役立つ理由
承認欲求から自由になると子どもも親もラクになる
私たちはつい「褒められたい」「認められたい」と思いがちです。これは承認欲求と呼ばれるものです。お子さんも「ママに褒められたいから片づけをする」といった行動をとります。しかし、承認を求めすぎると自分で考えて行動する力が弱まってしまいます。
アドラー心理学は「他者からの承認に依存せず、自分の価値を見出すこと」が大切だと説いています。パパ、ママがこの考え方を理解して関わると、お子さんは自分の力を信じて行動できるようになります。
「課題の分離」でイライラが減る
「宿題をやらない」「野菜を食べない」などの場面では、ついイライラしてしまいますよね。しかしアドラー心理学の「課題の分離」という考えを使うと整理ができます。「宿題をやるかどうかは子どもの課題」「やるように環境を整えるのは親の課題」と切り分けると、無駄な衝突が減ります。
勇気づけが自己肯定感を育てる
「褒める」とは結果を評価することですが、「勇気づけ」は挑戦そのものを認める関わり方です。「できたね」だけでなく「最後までやろうとしていたね」と伝えることで、お子さんは「挑戦することに価値がある」と学びます。これが自己肯定感の土台になります。
パパ、ママが直面しやすい子育ての悩み
褒めないとやらないお子さんにどう関わるか
「褒められなきゃやらない」という状況になると、パパ、ママも疲れてしまいます。褒め続けることは現実的ではありませんし、子どもが「褒められるためだけに行動する」ことにもつながります。
つい「比べる」声かけをしてしまうとき
「お兄ちゃんはもうできたのに」「お友達はすぐできるよ」と比べてしまうことはありませんか。比べられるとお子さんは自信をなくし、「自分はダメだ」と思い込みやすくなります。
叱ってばかりで関係がぎくしゃくする場面
「早くして!」「何度言ったらわかるの!」と繰り返していると、親子関係が緊張してしまいます。叱ることが続くと、子どもは「どうせ怒られる」と行動を避けるようになることもあります。
『嫌われる勇気』から学ぶ親の関わり方のヒント
「褒める・叱る」より「勇気づけ」を意識する
「えらいね」と褒めることは悪いことではありませんが、常にそれだけだと評価の軸が外に置かれてしまいます。アドラー心理学では「勇気づけ」が推奨されます。たとえば「最後まで自分でやろうとしたね」「あきらめなかったね」と声をかけると、子どもは行動そのものに価値を感じるようになります。
「できたかどうか」ではなく「挑戦する姿」を認める
結果だけでなく「やってみた」という姿を認めることが重要です。「今日は失敗したけど挑戦したね」という声かけは、次の挑戦への勇気を育てます。
親の課題とお子さんの課題を切り分ける
「食べるかどうかは子どもの課題」「食卓を整えるのは親の課題」というように、課題を分けて考えると親のストレスは減ります。無理にコントロールしようとしないことで、親子の関係も良好になります。
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日常で取り入れたい子育ての工夫
家庭でできる「小さな選択の自由」を増やす
「今日は赤い服と青い服どっちにする?」「おやつはリンゴとバナナどっちにする?」など、小さな選択を任せるだけで主体性が育ちます。
お子さんの気持ちをそのまま受け止める習慣
「いやだ」「むずかしい」といった気持ちを否定せず、「そう思ったんだね」と受け止めることで安心感が生まれます。
兄弟や友達との違いを尊重する声かけ
「〇〇ちゃんはこうだったけど、あなたはこうだね」と違いを尊重する言葉は、お子さんに「自分は自分でいい」と感じさせる効果があります。
具体的な事例紹介
「宿題をやりなさい」から「終わったら一緒に遊ぼう」に変えたケース
あるママは、毎日「宿題やりなさい!」と叱ってばかりでした。そこで「宿題が終わったら一緒に公園に行こう」と伝えるようにしました。結果、叱る回数が減り、お子さんも自分から宿題に取り組むようになりました。
できなかったときに「また挑戦できるね」と伝えた場面
逆上がりができなかったとき、あるパパは「なんでできないの」と叱るのをやめ、「また挑戦できるね」と伝えました。その一言でお子さんは安心し、次の日も進んで練習を続けました。
兄弟げんかで「どっちが悪い」ではなく「どうしたら仲良く遊べるか」を考えさせた例
「どっちが悪いの」と責めるのではなく、「次はどうしたら仲良く遊べるかな?」と問いかけたところ、兄弟で解決方法を話し合う姿が見られました。
まとめ
『嫌われる勇気』は、パパ、ママが子育てで抱える「褒め方・叱り方・比べてしまう気持ち」の悩みを軽くしてくれる。
アドラー心理学の「課題の分離」と「勇気づけ」は、お子さんの自己肯定感を育て、親子関係を豊かにする。
家庭での小さな習慣を意識することで、子どもは自分の力を信じて挑戦する姿勢を持てるようになる。
明日からの子育てで、お子さんの「やってみたい」という気持ちを受け止め、挑戦する姿を認めてあげましょう。その積み重ねが、お子さんの自己肯定感を育て、親子の関係をもっとあたたかいものにしていけるといいですね。
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