
「おもちゃを買ってもすぐ飽きちゃう」「発達にいいと聞いて買ったけど、遊んでくれない」——そんなお悩みを抱えるお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。
0歳の時期は、人生で最も脳が成長する時期。
感覚・運動・好奇心が一気に広がる“黄金期”とも呼ばれます。
とはいえ、月齢ごとにできることや興味が大きく変わるため、選び方を間違えると「まだ早すぎた」「刺激が強すぎた」となってしまうこともあります。
この記事では、幼児教育の知見をもとに、
0歳の発達段階に合わせたおすすめ知育玩具10選を月齢別にご紹介します。
また、「家庭でどう関わるか」「おもちゃを通してどんな育ちが見られるか」についてもやさしく解説します。
0歳からの知育とは?どんな力を育てるの?
遊びが“学びの原点”になる
「知育」というと、“早期教育”や“お勉強”のようなイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし、本来の知育とは、遊びを通して感覚や考える力を育てること。
0歳の赤ちゃんにとっての知育は、「感じる」「動く」「反応する」という日常のすべてが学びになります。
たとえば、
揺れるモビールを目で追うことで“見る力”が発達
手を伸ばしてラトルを握ることで“運動の協調”が育つ
音や声に反応して笑うことで“社会的なつながり”を感じる
このように、赤ちゃんは日々の遊びの中で、五感や感情を育てながら、自分の世界を少しずつ広げています。
月齢に合った刺激が発達を助ける
赤ちゃんは月齢ごとに「今、興味を持っていること」「発達している領域」が異なります。
たとえば、0〜3か月は“見る・聞く”が中心、4〜6か月では“触る・つかむ”が増え、7か月以降になると“試す・まねる”行動が見られます。
知育玩具を選ぶときのポイントは、
その時期の発達段階に合った刺激を与えることです。
「今、どんな姿を見取れるか」「どんな遊びで育ちを支えられるか」を意識すると、おもちゃ選びがずっと楽になります。
月齢別|0歳の知育玩具の選び方ガイド
【0〜3か月】視覚と聴覚を刺激するおもちゃ
生まれて間もない赤ちゃんは、まだ目の焦点が合わず、白黒や赤などのコントラストの強い色を好みます。
この時期は「見る」「聞く」感覚をやさしく刺激する玩具を選びましょう。
おすすめは、モビールやラトル(ガラガラ)。
ゆっくり動くモビールを見つめたり、音の出るラトルを耳で追う体験が、集中力と安心感を育てます。
お母さんやお父さんの声と一緒に“音のやりとり”を楽しむのも効果的です。
【4〜6か月】手を使って触れる・つかむ練習
この時期の赤ちゃんは、手をじっと見つめたり、自分の手を動かして遊ぶようになります。
「つかむ」「なめる」「たたく」といった動作を通して、自分の身体を理解していく時期です。
おすすめは、歯固めやソフトブロック。
安全な素材でできた歯固めは、口の感覚を通じて世界を知る第一歩。
柔らかいブロックは、手で握る・積む・崩すといった動作で、力のコントロールを学べます。
お子さんが何度も同じ動作を繰り返すのは、飽きているのではなく「成功体験を重ねている証拠」。
その姿を見取って、「できたね!」と笑顔で返すことで、安心感と自信が育ちます。
【7〜9か月】“原因と結果”を学ぶおもちゃ
この頃になると、赤ちゃんは「押したら鳴る」「落としたら転がる」など、“やってみるとどうなるか”を楽しむようになります。
これはまさに、PYPでも重視される“探究心”のはじまり。
おすすめは、くるくるスロープトイやボール落とし。
「どうすれば転がるかな?」「もっと高くしたら?」と、試行錯誤する姿が見られます。
お父さんやお母さんが「どうなったかな?」「もう一回やってみよう」と声をかけることで、考える力と集中力を支えられます。
【10〜12か月】考える力と模倣力を育てるおもちゃ
1歳に近づく頃には、指先が器用になり、真似っこやごっこ遊びも増えてきます。
「自分でやってみたい」という気持ちが芽生える時期でもあります。
おすすめは、型はめパズルや音の出る積み木。
型の形を合わせたり、音の変化を楽しむことで、“観察→試す→できた!”のサイクルを体験できます。
遊びの中で「ここはどうする?」「あれ、違ったね」とやりとりを楽しみながら、お子さんの考える姿勢を見取り、育ちを支えましょう。
月齢別おすすめ知育玩具10選
【0〜3か月】見る・聞く力を育てる
ベビージム・モビール
効果:視線を追う力や色彩認識を育て、手足を動かすきっかけになります。運動発達や集中力を養い、寝たままでも十分に刺激を与えられるのがメリットです。
選び方ポイント:コントラストの強い色合い、吊るす高さを調整できるもの、洗える素材を選ぶと安心。
ラトル(ガラガラ)
効果:振ると音が鳴り、視覚と聴覚を同時に刺激します。自分の動きと音が連動することで因果関係を理解し、遊びながら脳の発達を助けます。
選び方ポイント:赤ちゃんの手に合う太さや軽さで、口に入れても安全な素材(木製や布製)が最適。
【4〜6か月】手を動かして世界を知る
布おもちゃ
効果:柔らかな感触で安心して握れるため、手の力や触覚の発達を促します。布絵本タイプなら色彩や形の認識も同時に鍛えられます。
選び方ポイント:音が鳴る仕掛け付き、洗濯可能、軽量で持ちやすいものを選ぶと長く使える。
歯固め
効果:噛むことで歯ぐずりを和らげるだけでなく、口腔感覚の発達をサポート。手で握り、口に運ぶ動作が協調運動の練習にもなります。
選び方ポイント:BPAフリーやシリコン製で衛生的に使えるもの、冷やして使えるタイプも便利。
【7〜9か月】考える力の芽が育つ
転がるボール(オーボールなど)
効果:ボールを追いかけて体を動かすことで運動能力を高めます。指で穴をつかみやすい構造は、握力や手指の器用さを育てます。
選び方ポイント:軽く柔らかい素材、穴が大きく握りやすいもの、誤飲防止サイズを選ぶ。
音の出る絵本
効果:押すと音が出る仕組みが、好奇心を刺激します。聴覚と視覚を同時に刺激することで、言葉の発達やリズム感も育ちます。
選び方ポイント:日本語の歌や効果音が多いもの、電池交換がしやすく軽量なタイプがおすすめ。
【10〜12か月】集中力と模倣力を伸ばす
型はめパズル
効果:形の違いを認識しながら手指を使うことで、空間認識力や問題解決力を育てます。成功体験が自信にもつながります。
選び方ポイント:誤飲しないサイズ、大きめの持ち手付き、カラフルで形がシンプルなものがおすすめ。
積み木
効果:積んだり崩したりを繰り返す中で、バランス感覚や集中力が養われます。自由な発想で遊ぶことで想像力や創造性も伸びます。
選び方ポイント:角が丸く仕上げられた木製や布製、安全基準を満たしたものを選ぶと安心。
プルトイ
効果:引っ張って歩く遊びは、歩行の練習とバランス感覚の発達を促します。動きと音の変化が「自分で動かす楽しさ」を育みます。
選び方ポイント:紐が短すぎず長すぎない、安全な長さに設計されたものを選ぶと安心。
家庭での知育の進め方:大切なのは「一緒に遊ぶこと」
どんなに優れたおもちゃでも、子どもが安心して遊べる環境がなければ力を発揮できません。
お父さん・お母さんが笑顔で見守ることこそ、最高の知育になります。
たとえば、
「できたね」「もう一回やってみよう」とポジティブな言葉をかける
一緒に遊びながら、お子さんの表情や動きを見取る
できない時も「どうしようか?」と一緒に考える
このように、遊びの中で育ちを支える関わりが、子どもの自信と意欲を育てます。
よくある質問(Q&A)
Q1. 0歳から知育を始めるのは早すぎませんか?
いいえ、早すぎるということはありません。
赤ちゃんは生まれた瞬間から、五感を通して“世界を学び始めている”といわれます。
たとえば、お母さんの声のトーンや抱っこの感覚、光や音など、日常の刺激がすべて脳の発達を促しています。
大切なのは、「知育=教える」ではなく、「知育=感じる」「試す」だと考えること。
お父さん・お母さんの声かけやスキンシップも立派な知育です。
Q2. 高価なおもちゃじゃないと意味がない?
そんなことはありません。
知育玩具の本当の価値は、価格ではなくお子さんの興味をどれだけ引き出せるかにあります。
身の回りのもので工夫することも、立派な知育です。
たとえば、
空き箱を積み上げて遊ぶ
ペットボトルにビーズを入れて「音あそび」
スカーフをひらひらさせて視覚を刺激
“遊びながら学ぶ”という本質は、どんな環境でも実現できます。
Q3. すぐ飽きてしまうときはどうすれば?
それは自然なことです。
赤ちゃんの集中できる時間は短く、3〜5分ほどといわれます。
飽きたからといって無理に遊ばせる必要はなく、少し間をおいて再度出してみると、また興味を示すことがあります。
「前は興味がなかったのに、今日は遊んだ!」という変化も、発達の証。
お子さんの“遊びの変化”を見取ることで、成長のサインを感じられるでしょう。
Q4. 知育を頑張りすぎて疲れてしまいます……
とてもよくある悩みです。
「知育をしなきゃ」「発達を促さなきゃ」と思うほど、プレッシャーになりますよね。
でも、子どもはお父さん・お母さんの笑顔が何よりの学びです。
“やらせる知育”より、“一緒に笑う知育”を大切に。
無理せず、1日5分でも親子で穏やかに過ごせる時間を作ってください。
注意点:知育は“やりすぎない”ことが大切
① 刺激の与えすぎに注意
0歳の赤ちゃんに、次々と刺激を与えるのは逆効果です。
テレビの音、音楽、カラフルなおもちゃ……たくさんの刺激に囲まれると、脳が情報を処理しきれず、かえって疲れてしまいます。
おもちゃを出しすぎず、一度に2〜3個程度に絞るのがおすすめです。
赤ちゃんがひとつに集中して遊ぶ姿を見守りましょう。
② 安全性を必ずチェック
特に0歳児向けの玩具は、誤飲・素材・塗装の安全性を確認することが最優先です。
購入時には以下の点をチェックしてください。
月齢表示が「0歳〜」になっているか
舐めても安全な塗料が使われているか
角が丸く加工されているか
「安全だからこそ、思い切り遊べる」——それが知育の土台です。
③ 「できた」「できない」で判断しない
大人から見ると“遊び”に見えることも、赤ちゃんにとっては立派な学びです。
型はめがうまくできなくても、積み木が崩れても、「考えながら試している」こと自体が成長の証です。
焦らず、その姿を見取りましょう。
そして、「できた」よりも「やってみようとしたね」「考えていたね」と声をかけることで、お子さんの意欲を育てられます。
家庭でできる知育の工夫
遊びの中に“言葉”を添える
遊びながら、「ころころ転がったね」「カランって音がしたね」と語りかけるだけで、赤ちゃんは“言葉の意味”を少しずつ理解していきます。
この積み重ねが、後の言語発達につながります。
環境を整える
おもちゃを取りやすい場所に置いたり、静かに集中できるスペースをつくるなど、家庭環境も大切です。
赤ちゃんが安心して遊べる空間があれば、それだけで学びの時間が広がります。
「できるようになった瞬間」を共有する
赤ちゃんができるようになったことを写真やメモで残すのもおすすめです。
あとから見返すと、「この時期にこんな姿があったんだ」と気づけます。
成長の過程を家族で共有することで、育ちを支える実感が得られます。
おじいちゃん・おばあちゃんへのアドバイス
祖父母の方がプレゼントを選ぶときも、「かわいい」だけでなく、赤ちゃんが今できることを応援するおもちゃを意識してみましょう。
お孫さんの発達段階に合わせて選ぶことで、贈り物が“思い出の時間”になります。
また、遊ぶときは“見守りすぎず、手を出しすぎず”。
「上手だね」「いい音がしたね」とやさしい声をかけるだけで、お孫さんは安心して挑戦できます。
まとめ:おもちゃは「お子さんの育ちを見取る」ための道具
0歳の時期は、目に見える成長が毎日のように訪れます。
笑ったり、手を伸ばしたり、音を立ててみたり——。
そんな小さな行動のひとつひとつに、「学び」と「発達」のサインが隠れています。
知育玩具は、そうした成長を“引き出す”道具であると同時に、親御さんが子どもの育ちを見取るためのレンズでもあります。
おもちゃを通して、「今、こんなことに興味があるんだ」「こんな姿が出てきたんだ」と感じ取ることが、なによりの知育です。
遊びながら育つ力
お子さんは、遊びを通して次のような力を育てています。
五感を使って世界を感じる力
手や体を動かす運動能力
「やってみたい」という主体性
試して考える探究心
周囲と関わるコミュニケーション力
このどれもが、のちの「学びの基礎」につながる大切な力です。
遊びは決して“暇つぶし”ではなく、人生の最初の学びの時間。
親御さんや祖父母の方が笑顔で見守るだけでも、子どもは安心して挑戦を続けられます。
これから試してみたい工夫
① ひとつのおもちゃを「じっくり」使ってみる
新しいおもちゃを次々に与えるよりも、ひとつのおもちゃを何度も繰り返し遊ぶほうが学びは深まります。
同じラトルでも、最初は“握るだけ”、次は“振ってみる”、そして“音を楽しむ”と段階的に遊び方が変化します。
その過程を見守り、「できたね」「今度はこうしてみようか」と声をかけることで、成長の積み重ねを感じられます。
② 「問いかけ」を変えてみる
赤ちゃんはまだ言葉で答えられなくても、表情や動きでたくさんの反応をしています。
「これは何?」「できる?」という確認型の質問よりも、
「どうなったかな?」「音が鳴ったね」といった共感の言葉を添えると、赤ちゃんの感情が安定し、やりとりが豊かになります。
親御さんの声が、赤ちゃんにとっての“最初の学びの音”になります。
③ おもちゃを“置く場所”を工夫する
おもちゃは、ただ与えるのではなく、赤ちゃんが自分で手を伸ばせる場所に置くのがポイント。
自分から「触ってみたい」と思える環境は、PYP(探究型学習)にも通じる“主体的な学び”のはじまりです。
棚の一部を「おもちゃコーナー」にして、少し低い位置に並べてあげると、「自分で選ぶ」体験が増えます。
④ 「できた!」の瞬間を家族で共有する
お父さん・お母さんはもちろん、おじいちゃん・おばあちゃんとも一緒に成長を喜ぶ時間をつくりましょう。
「昨日は転がせなかったボールが、今日はできたね」「音が出た!」といった小さな成功を家族で共有すると、赤ちゃんは“自分は大切にされている”と感じます。
その安心感が、学びの意欲を支えるエネルギーになります。
⑤ 「遊び方」を決めつけない
知育玩具には“正しい遊び方”というものはありません。
たとえば、型はめブロックを舐めても、積み木を並べても、それは立派な学びです。
大人の視点で「まだできていない」と判断せず、子ども自身が楽しんでいる姿を大切にしましょう。
遊びの中で、子どもは自由に考え、想像力を広げています。
お父さん・お母さんへ:完璧を目指さなくて大丈夫
「ちゃんと知育できていないかも」「このおもちゃでいいのかな」と迷うこともありますよね。
でも大丈夫。
知育の本質は、“お子さんと一緒に過ごす時間の中にある”ということを忘れないでください。
たとえば、
一緒に笑う
名前を呼ぶ
手を握る
「できたね」と目を合わせて喜ぶ
それだけで、赤ちゃんの心は大きく育っています。
知育玩具は、そのコミュニケーションを深めるための“きっかけ”にすぎません。
最後に:おもちゃを通して「親子の学びの時間」を
0歳の知育は、「教える」ではなく「気づく」時間。
赤ちゃんが初めて音を聞いたとき、初めて握ったとき、初めて笑ったとき——。
その一瞬一瞬を見取り、言葉をかけることで、お子さんの世界が少しずつ広がっていきます。
そして、その学びの時間は、お父さん・お母さん自身にとっても“気づき”の連続です。
赤ちゃんの育ちを支えることは、大人が学び続けることでもあります。