保育

【解説】『マインドセット やればできるの研究』を保育現場に活かす ― 職員の学びと自己成長を支える働き方

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保育の仕事は、園児や保護者さんと関わるだけでなく、職員自身が学び続け成長していくことが欠かせません。毎日の保育の中で「失敗してしまった」「うまくいかなかった」と落ち込むこともありますが、それをどう捉えるかによって次の行動が変わります。

キャロル・S・ドゥエック著『マインドセット やればできるの研究』は、世界中の教育現場やビジネスシーンで活用されている名著です。この本は、人の考え方には大きく分けて「固定型マインドセット」と「成長型マインドセット」があり、特に後者を育むことが挑戦や学びを支えると解説しています。

本記事では、この「マインドセット」の考え方を保育現場にどう活かせるかを具体的に紹介し、職員の学びと自己成長を支える働き方について考えていきます。

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『マインドセット やればできるの研究』の基本

固定型マインドセットと成長型マインドセット

  • 固定型マインドセット…能力は生まれつき決まっていて変わらないと考える。失敗は「自分に能力がない証拠」と受け止めがち。

  • 成長型マインドセット…能力は努力や経験で伸ばせると考える。失敗を「成長のチャンス」と受け止め、次に生かせる。

この違いは、園児の挑戦だけでなく、職員の学びや同僚との関わり方にも大きな影響を与えます。

「能力は変えられる」という考え方の力

保育現場では、行事の失敗や保護者さん対応での行き違いなど、予期せぬことが起こります。その時に「自分は向いていない」と思うのではなく「次は工夫できる」と捉えることが、前向きな職場文化を育みます。

保育実践に結びつくポイント

  • 園児に対して「できる・できない」ではなく「挑戦する姿を見取る」

  • 職員同士で「失敗を責める」のではなく「改善の機会」として話し合う

  • 園全体で「学び続ける文化」を共有する

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保育士の学びにマインドセットをどう取り入れるか

失敗を「改善の機会」として捉える

例:運動会で段取りがスムーズにいかなかったとき。
固定型マインドセットでは「自分の準備不足だ」と落ち込みがちですが、成長型マインドセットでは「来年は準備を分担すればいい」と改善点を見つけます。

新しい挑戦を歓迎する姿勢を持つ

新しい遊びやICTの導入など、未知の取り組みに挑戦するのは勇気が必要です。しかし「やってみれば成長につながる」と思えれば、園全体で挑戦を楽しめる空気が生まれます。

同僚とフィードバックを共有して育ちを支える

「良かった点」「次に工夫したい点」を職員同士で共有することで、お互いに成長を支え合えます。ここでも大切なのは「できなかったことを責めない」ことです。

職員の自己成長を促す働き方

新人・ベテランがお互いに学び合う文化

ベテランは経験を伝え、新人は新しい視点をもたらします。お互いを尊重し合うことで、固定型から成長型への転換が進みます。

園児の姿を見取る視点を通じて自己研鑽する

「園児が挑戦している姿に気づく」ことは、職員自身の学びにもつながります。園児から学びを得る姿勢を持つことで、自己成長が自然と促されます。

保護者さんとの関わりを振り返り学びにつなげる

対応が難しかったケースを「どう改善できるか」と振り返ることは、保育士にとって大きな成長の機会です。

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マインドセットがもたらす園内の変化

職員同士の否定的な空気が減る

失敗を責めるのではなく「次にどうするか」を考える風土が生まれると、園内が明るくなります。

困難を前にしたときにチームで挑戦できる

大きな行事や制度改革なども「挑戦すれば学びになる」と捉えることで、チーム全体が前向きに取り組めます。

園全体で「学び続ける文化」が根づく

園児だけでなく職員も「学び続ける存在」となることで、園全体の保育実践が高まります。

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事例紹介 ― マインドセットを活かした職員の学び

行事準備での失敗を次年度の改善につなげたケース

運動会で予定通りに進行できず混乱が起きました。しかし翌年は「事前に役割を分担する」「園児に練習を任せる」など改善し、成功につなげました。

研修で学んだ内容を園全体に広げた職員の実践

外部研修に参加した職員が「新しい遊びの導入方法」を園内で発表。最初は不安もありましたが、同僚が「挑戦ありがとう」と受け止め、園全体に広がりました。

新人の不安を「挑戦の一歩」として受け止めたエピソード

新人が「自分は保護者さん対応が苦手」と悩んでいましたが、先輩が「それは挑戦の始まり」と声をかけました。その後新人は少しずつ自信をつけ、笑顔で対応できるようになりました。

職場づくりに向けた具体的な工夫

園内研修に「成長型マインドセット」の視点を取り入れる

全職員で本を題材に学ぶことで、共通の言葉と考え方が生まれます。

上司やリーダーが率先して成長型の声かけを実践する

リーダーが「できなかったね」ではなく「次にどうしようか」と声をかけると、職員の姿勢も変わります。

日々の振り返りで「できたこと」「挑戦したこと」を共有する

小さな挑戦を言葉にする習慣が、働きやすい職場文化を育てます。

まとめ

  • 『マインドセット やればできるの研究』は、保育現場の職員の学びと自己成長を支える考え方を示している。

  • 成長型マインドセットを持つことで、失敗を改善の機会と捉え、挑戦を楽しむ姿勢が育まれる。

  • 職員同士が学び合うことで園全体に「育ちを支える文化」が根づき、園児や保護者さんにとっても安心できる園につながる。

明日からの園内で、自分や同僚の挑戦を「できない」と切り捨てず「成長の一歩」として受け止めてみましょう。それが園全体の学び合う文化を育て、園児の育ちを支える力になるといいですね。

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  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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