子育て

【解説】家庭でできるABA療法のヒント|日常の声かけでお子さんの成長をサポート

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「何度言っても片づけをしない」「すぐに泣いてしまって気持ちを言えない」「落ち着いて行動できるようにしてあげたい」――そんな悩みを抱えるパパやママは少なくありません。

ABA療法と聞くと、専門的で難しいイメージを持つ方もいるかもしれません。でも実は、日常の声かけや小さな工夫の中に、ABA的な考え方を取り入れることができます。家庭でできるABAの工夫は、お子さんの成長を支え、自信を育むための大切なヒントになります。

この記事では、家庭で取り入れられるABA療法の基本的な考え方、パパやママが直面しやすい場面での声かけの工夫、遊びや生活に応用できる方法、そして実際の家庭での取り組み事例までを紹介します。さらに、実践を続けたいパパやママに役立つプログラムもあわせてご紹介します。

ABA療法とは?家庭で取り入れられる考え方

ABA療法の基本的な考え方

ABAとは「応用行動分析(Applied Behavior Analysis)」のことです。難しく聞こえますが、基本は「行動を観察して、なぜその行動が起きているのかを理解し、環境や声かけを工夫して望ましい行動を増やす」というもの。

例えば「片づけをしない」という場面。観察してみると「片づけなくても親がやってくれる」という結果につながっている場合があります。このとき、「片づけられたらシールを貼る」「できた瞬間に褒める」などの工夫をすることで、片づけをする行動が少しずつ増えていきます。

専門的な療育と家庭での工夫の違い

専門の機関ではプログラムとしてABAを体系的に行いますが、家庭では声かけや遊びを通してシンプルに取り入れられます。パパやママが「できた瞬間を逃さない」「小さな成功を積み重ねる」という意識を持つことが、家庭でのABA療育につながります。

パパ・ママが直面しやすい場面とABA的な声かけの工夫

言ったことをなかなか守れないとき

「早く片づけなさい!」と言っても動かない場合、できた瞬間を逃さずに褒めることが大切です。
例:「ブロックを片づけられたね、すごい!」
できた行動をすぐに強化することで、「またやってみよう」という気持ちにつながります。

同じ行動を繰り返すとき

同じ遊びや仕草を繰り返すときは、それが安心や楽しさにつながっている場合もあります。無理にやめさせるのではなく、「こっちの遊びもやってみようか」と代替行動を示すと、自然に切り替えやすくなります。

指示が伝わりにくいとき

「ちゃんと片づけて!」という言葉より、「このおもちゃを箱に入れてね」と短く具体的に伝えた方が理解しやすいです。小さな行動を一つずつ積み重ねることで「できた」という経験を増やすことができます。

遊びや生活に取り入れられるABAのヒント

遊びの中で「できた」を増やす

パズルを完成させたらすぐに褒める、料理のお手伝いができたら一緒に喜ぶ。これらはABAでいう「強化」にあたります。達成感を積み重ねることで、お子さんの「やってみよう」という気持ちが育ちます。

小さな約束から練習する

「片づけたらおやつにしよう」といったシンプルな約束を積み重ねると、ルールを理解する練習になります。最初は「おもちゃを2個片づけたら」など、小さなステップから始めると無理なく続けられます。

感情を言葉で表す練習

「悔しいね」「楽しいね」とパパやママが気持ちに言葉を添えると、お子さんも感情を言葉で表す練習になります。感情を表現できるようになると、泣いて伝える代わりに言葉でやり取りできるようになります。

パパ・ママが気をつけたいポイント

否定ばかりしない

「ダメ!」と叱るのではなく、「次はこうしてみよう」と提案する方が行動は変わりやすいです。

できた瞬間を逃さない

褒めるタイミングはできた直後がもっとも効果的です。数分後に褒めるよりも、行動とすぐに結びつけることが大切です。

無理をせず少しずつ

家庭でのABAは完璧にやる必要はありません。続けられる範囲から始めれば十分に意味があります。

実際の家庭での取り組み事例

片づけができるようになったケース

「片づけたらシールを貼れる」というルールを導入した家庭では、以前は片づけを嫌がっていたお子さんが、自分から進んで片づけられるようになりました。園でも少しずつ習慣化できたと報告がありました。

感情を言葉にできるようになったケース

ごっこ遊びを繰り返すことで「貸して」「いやだ」と言えるようになったお子さんは、泣く代わりに言葉で伝えられるようになりました。結果的に友だちとの関わりもスムーズになりました。

小さな工夫で自信をつけたエピソード

「今日は一つだけ約束を守る」から始めたお子さんは、成功体験を積むことで「ぼくにもできる!」という自信を持てるようになりました。

家庭療育でつまずきやすい点と解決のヒント

褒めるタイミングを逃してしまう

気づいたらその場で褒めることを意識しましょう。後からまとめて褒めるよりも即時の方が効果的です。

無理にやらせて逆効果になる

嫌がっているのに続けると逆に拒否反応が強まります。遊びに変えたり、お子さんの好きなものを組み合わせることで前向きに取り組めます。

効果が見えず不安になる

変化はすぐに出るとは限りません。小さな一歩でも成長のサインです。続けることで少しずつ成果が見えてきます。

家庭で実践できるプログラムの活用

日常の工夫だけでなく、親子で取り組める体系的な教材を活用するのも一つの方法です。

四谷学院の「療育55レッスン」 は、家庭でお子さんと一緒に取り組める55のプログラムが揃っていて、「今日はこれをやってみよう」とすぐに始められるのが特長です。あいさつや順番を守る練習、感情を表現する活動など、ABA的な考え方を取り入れながら実践できます。

「声かけや遊びをどう工夫したらいいのかわからない」と悩むパパやママにとって、心強いサポートになるはずです。

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まとめ

ABA療法は専門機関だけでなく、家庭の中でも声かけや小さな工夫を通して実践できます。「できた瞬間を褒める」「小さな約束を守る経験を積む」「感情に言葉を添える」――こうした積み重ねが、お子さんの自信や成長を育んでいきます。

実際の事例のように、ちょっとした工夫でもお子さんの行動は大きく変わっていきます。今日から「できたらすぐに褒める」ことを意識していただけたらと思います。パパやママの声かけが、お子さんの自信につながっていくとなるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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