キャリア

保育士のワークライフバランスを整えるには?残業・休日・シフトを見直すポイント

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「保育の仕事は好き。でも、毎日余裕がない」

「早番や遅番が続くと、家庭との両立が難しい」

「子育てをしながら、この働き方を続けられるのかな?」

そんな悩みを抱えている保育士さんもいるのではないでしょうか。

保育士は、園児の安全を守りながら、一人ひとりの姿を見取り、その育ちを支える大切な仕事です。

一方で、保育以外にも記録や行事準備、保護者さんへの対応など、さまざまな業務があります。

早番や遅番、土曜勤務がある園では、生活リズムを整えることが難しい場合もあります。

そのため、「保育の仕事が好きだから頑張らなければ」と無理を続けるだけでは、心や体に負担が積み重なってしまうことがあります。

ワークライフバランスを考えることは、仕事を楽にするためだけではありません。

保育士自身に心と時間の余裕があることは、子どもたちの小さな変化に気づき、丁寧に育ちを支えることにもつながります。

この記事では、保育士のワークライフバランスを整えるために、残業や持ち帰り仕事、シフト、休日、子育てとの両立などをどのように見直せばよいのかを分かりやすく解説します。

「今の園で働き方を変えられるのかな?」

「転職を考えた方がよいのかな?」

と迷っている方も、自分に合った働き方を考えるきっかけにしてみてください。

保育士にとってのワークライフバランスとは?

ワークライフバランスという言葉を聞くと、「仕事よりプライベートを優先すること」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、本来は仕事か私生活のどちらかを我慢するという意味ではありません。

仕事を続けながら、家庭や子育て、自分の時間、休息なども大切にできる状態を目指す考え方です。

厚生労働省も、適切な労働時間や休暇取得など、働き方と休み方の見直しを進めています。

保育士の場合も、「仕事だから仕方がない」と考えるだけではなく、自分にとって無理のない働き方を考えることが大切です。

仕事と私生活のどちらかを我慢する必要はない

保育の仕事にやりがいを感じているからこそ、無理をしてしまうことがあります。

「園児のためだから残業しても仕方がない」

「担任だから簡単には休めない」

と考えることもあるでしょう。

反対に、子育てが始まったことで、「保育士としてのキャリアを諦めなければいけないのかな」と悩む方もいます。

しかし、働き方は一つではありません。

勤務時間を変える方法もあれば、仕事内容を見直す方法もあります。

大切なのは、仕事か家庭かの二択にするのではなく、今の生活に合った働き方を探すことです。

保育士自身の余裕が子どもたちへの関わりにもつながる

保育士が毎日疲れ切っていると、目の前の業務をこなすだけで精いっぱいになることがあります。

いつもより静かに過ごしている園児や、昨日とは少し違う表情をしている子どもの姿に気づくには、保育士側にも一定の余裕が必要です。

保育では、「何ができたか」だけではなく、その子がどのような気持ちで過ごしているのかを丁寧に見取ることも大切です。

職員自身が安心して働ける環境は、園児一人ひとりの姿を見取り、より良い育ちを支える土台にもなります。

保育士がワークライフバランスを保ちにくい理由

では、なぜ保育士は仕事と家庭・プライベートの両立に悩みやすいのでしょうか。

保育の仕事ならではの特徴があります。

早番・遅番など勤務時間が一定ではない

保育園や認定こども園は、朝早くから夕方以降まで開園している施設が多くあります。

そのため保育士は、早番や遅番などのシフト勤務になることがあります。

同じ8時間勤務でも、出勤する時間が毎日違うと生活リズムを整えにくくなることがあります。

特に子育て中の保育士さんでは、自分の子どもの送迎時間とシフトが合わないこともあるでしょう。

通勤時間が長い場合も負担は大きくなります。

シフトを見るときには、単に勤務時間だけではなく、自分の生活リズムに合っているかという視点も大切です。

書類や行事準備など保育以外の仕事も多い

保育士の仕事は、園児と過ごす時間だけではありません。

保育のほかにも、

  • 連絡帳や保育記録
  • 月案・週案などの計画
  • 行事や制作物の準備
  • 会議や保護者さんへの連絡

などがあります。

こうした業務を勤務時間内に行える仕組みがなければ、残業や持ち帰り仕事につながることがあります。

「保育中は書類を書く時間がない。でも子どもたちが帰った後も仕事が残っている」

という状態が続けば、ワークライフバランスを保つことは難しくなります。

土曜勤務や行事で休日が不規則になりやすい

保育施設では、土曜日も開園していることがあります。

運動会や発表会などの行事が休日に行われる園もあります。

そのため、求人票に「週休2日」と書かれていても、一般的な土日休みとは限りません。

確認したいのは休日数だけではありません。

土曜日に出勤した場合に振替休日があるのか、行事出勤の代休はどのように取るのかなど、実際にいつ休めるのかまで考えることが大切です。

責任感から無理をしてしまいやすい

保育士は、子どもたちや保護者さん、同僚との関係の中で働いています。

そのため、

「自分が休むとほかの職員が大変になる」

「担任だから自分が対応しなければ」

と考え、無理をしてしまうことがあります。

もちろん責任感は大切です。

しかし、ワークライフバランスは個人の努力だけで解決できるものではありません。

必要な人員が配置されているか、職員同士でフォローできるかといった園の仕組みも大きく関係します。

残業・持ち帰り仕事を見直す

仕事とプライベートを両立したいと考えたとき、まず確認したいのが残業や持ち帰り仕事です。

「もっと効率よく働かなければ」と自分だけを責める前に、何に時間がかかっているのかを整理してみましょう。

まず「何に時間がかかっているか」を整理する

毎日忙しいと、「とにかく時間がない」と感じます。

そこで、一度1週間程度の業務を書き出してみるのも方法です。

たとえば、

  • 保育
  • 記録や書類
  • 行事準備
  • 保護者対応
  • 会議

などに分けてみます。

すると、「行事前だけ制作時間が増えている」「毎日同じ内容を紙とパソコンの両方に入力している」など、負担の原因が見えてくる場合があります。

原因が分かれば、主任や同僚と相談するときにも具体的に伝えやすくなります。

仕事そのものを減らせないか考える

業務改善というと、「もっと早く仕事をする方法」を考えがちです。

しかし、作業スピードを上げるだけでは限界があります。

毎年作り直している資料を再利用できないか、制作物を必要以上に増やしていないか、会議時間を短くできないかなど、仕事そのものを見直す視点も必要です。

保育士が事務作業に追われる時間が減れば、その分、園児の姿を丁寧に見取る時間にもつながります。

ICTで負担を減らせることもある

ICTとは、パソコンやタブレットなどのデジタル機器を活用して業務を行う仕組みのことです。

保育現場でも、

  • 登降園管理
  • 連絡帳
  • 保育記録
  • 保護者さんへのお知らせ
  • 写真の共有

などにICTが利用されています。

ただし、「ICTを導入している園=必ず働きやすい園」というわけではありません。

デジタルで入力した内容をさらに紙へ転記しているなど、二重作業になっていれば負担は減りません。

重要なのは、ICTを導入しているかではなく、実際に業務時間の削減につながっているかです。

早番・遅番・土曜勤務を見直す

残業がそれほど多くなくても、シフトが生活に合わないことで負担を感じる場合があります。

シフトの回数だけではなく生活への影響を見る

たとえば遅番が月4回だったとしても、自分の子どものお迎えに間に合わない場合は大きな負担になります。

早番の日に家族よりかなり早く家を出なければならない家庭もあるでしょう。

そのため、「早番は月○回」という数字だけでなく、そのシフトで家庭生活がどのように変わるかを考えてみてください。

今まで問題なく続けられていた働き方でも、結婚や出産、子どもの進学などで状況は変わります。

生活が変われば、働き方を見直してよいのです。

土曜勤務では振替休日まで確認する

土曜勤務については、出勤回数と合わせて振替休日の有無も確認しましょう。

確認しておきたいのは、

  • 土曜勤務の頻度
  • 振替休日の有無
  • 行事で休日出勤した場合の扱い
  • 代休をいつ取得できるか

などです。

「年間休日○日」という数字だけでは、実際の休み方までは分かりません。

家庭との両立を重視するなら、自分の家族が休みの日と勤務日がどの程度重なるのかも考えてみましょう。

有給休暇は「あるか」ではなく「使えるか」で考える

求人票では「有給休暇あり」と書かれていることがほとんどです。

しかし、ワークライフバランスを考えるなら、制度があることと実際に利用できることを分けて考える必要があります。

有給日数だけでは実態は分からない

たとえば、自分の子どもの学校行事に参加したいときに休みを取れるでしょうか。

体調不良のときに、無理をせず休めるでしょうか。

有給休暇を見るときには、

  • 職員が実際に取得しているか
  • 希望日に取得しやすいか
  • 急な休みに対応できる体制があるか

などにも注目してみましょう。

休みやすさは人員配置とも関係している

「有給を取って大丈夫ですよ」と言われていても、代わりにクラスへ入る職員がいなければ、実際には休みにくくなります。

つまり、休みやすさは人間関係だけの問題ではありません。

フリー保育士や保育補助者など、休んだ職員をフォローできる体制があるかも関係しています。

制度だけでなく、制度を使える人員体制になっているかを見ることが大切です。

子育てと保育士の仕事を両立するには?

保育士自身が子育てをしている場合、これまでとは働き方が大きく変わることがあります。

自分の子どもの送迎とシフトを考える

自分の子どもが保育園や学童を利用している場合、送迎時間と勤務時間の調整が必要です。

また、

  • 学校や園の行事
  • 子どもの急な体調不良
  • 夏休みなどの長期休暇
  • 習い事や通院

などもあります。

今だけではなく、「小学校へ進学したらどうなるだろう」と少し先の生活も考えてみると、自分に合う働き方が見つけやすくなります。

子どもの急病時にどう対応できるか

子どもの発熱や体調不良は予定できません。

そんなときに「休むと同僚に迷惑をかける」と感じ続ける職場では、子育てとの両立が大きなストレスになってしまいます。

職員同士でフォローできる仕組みがあるか、管理職が調整してくれるかなども大切です。

子育てをしている職員だけの問題にするのではなく、誰かが休んでも保育を継続できる体制を作ることが、結果としてすべての職員の働きやすさにつながります。

家族や地域の支援も活用する

職場だけですべてを解決するのが難しい場合もあります。

家族との送迎や家事の分担、病児保育、自治体のファミリー・サポートなどを利用できることもあります。

ただし、「家庭側で何とかしなければ」と一人で抱える必要はありません。

家庭で工夫できることと、職場に相談することの両方を考えてみましょう。

正職員だけが保育士の働き方ではない

「今の働き方では続けられない」と感じたとき、保育士そのものを辞める必要はありません。

勤務形態を変えるという選択肢もあります。

時短勤務を利用する

勤務先や条件によっては、育児と仕事を両立するために短時間勤務を利用できる場合があります。

出勤時間や退勤時間が変わることで、自分の子どもの送迎がしやすくなることもあります。

利用できる制度や期間は勤務先の規程などによって異なるため、まず確認してみましょう。

パート・非常勤という働き方もある

正職員からパートや非常勤へ働き方を変えることで、勤務時間を調整しやすくなる場合があります。

たとえば、

  • 早番や遅番の回数を減らす
  • 勤務時間を短くする
  • 担任以外の役割を担当する

といった働き方ができる園もあります。

一方で、給与や賞与、福利厚生、キャリア形成などが変わる可能性があります。

「正職員だから安心」「パートだから楽」と単純に考えるのではなく、自分にとって何を優先したいのかを考えることが大切です。

一時的に働き方を変える方法もある

子育てや介護など、生活の負担が大きい時期だけ勤務時間を減らし、状況が落ち着いてから再び正職員を目指す方法もあります。

働き方は、一度決めたら一生変えられないものではありません。

そのときの生活に合わせて選び直してよいのです。

ワークライフバランスを整えるために今の園でできること

「今の働き方がつらい」と感じても、すぐに転職しなければならないわけではありません。

まずは今の園で改善できることがないか整理してみましょう。

負担になっていることを具体的にする

最初に、「何が一番つらいのか」を書き出してみます。

たとえば、

  • 持ち帰り仕事が多い
  • 遅番が家庭生活に合わない
  • 土曜勤務が多い

などです。

悩みを具体的にすると、改善方法も考えやすくなります。

改善できるものと難しいものを分ける

すべての問題が転職しなければ解決できないとは限りません。

書類作成の時間やシフト回数であれば、主任や園長への相談で変えられる可能性があります。

一方で、慢性的な人員不足や園の開園時間など、一人の職員では変えることが難しい問題もあります。

「今の職場で改善できそうか」を一度整理してみましょう。

主任や園長へ具体的に相談する

相談するときには、「つらいです」だけでなく具体的に伝えると話し合いやすくなります。

たとえば、

「遅番が続くと子どもの迎えが難しいため、月○回程度に調整できないでしょうか」

と伝える方法です。

園側も具体的な状況が分かれば、シフトや役割を検討しやすくなります。

それでも改善が難しい場合は職場を変えることも選択肢

相談や工夫をしても状況が変わらないこともあります。

その場合は、別の園を探すことも選択肢の一つです。

転職は「保育から逃げること」ではありません。

保育士として長く働き続けるために、働く環境を変える方法でもあります。

転職前に「譲れない条件」を決める

求人を探す前に、自分が大切にしたい条件を整理しておきましょう。

たとえば、

  • 持ち帰り仕事は避けたい
  • 土曜勤務は月2回以内にしたい
  • 時短勤務を利用したい
  • 自宅から30分以内で通勤したい

などです。

すべての希望を満たす園を探そうとすると、選択肢が極端に少なくなる場合があります。

そのため、

絶対に譲れない条件とできれば叶えたい条件

に分けると探しやすくなります。

働きやすい園を探すときは条件以外も確認する

ワークライフバランスを整えるには、勤務時間や休日が重要です。

一方で、実際に長く働けるかどうかは、人員配置や職員同士の関係、園長・主任のフォロー体制などにも左右されます。

求人票だけでは分からない部分は、園見学や面接で確認することも大切です。

転職先を探すときに「どんな園なら働きやすいの?」と迷ったら、求人票や園見学で確認したいポイントをまとめたこちらの記事も参考にしてください。

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自分に合う働き方を探す方法

転職を考える場合も、最初から応募先を一つに決める必要はありません。

まずは複数の求人を比較し、自分の希望に近い働き方があるのかを確認してみましょう。

求人を見るときには、給与だけでなく勤務時間や休日にも注目します。

転職サービスなどへ相談する場合も、

  • 希望する勤務時間
  • 土曜勤務の希望
  • 通勤できる範囲
  • 残業や持ち帰り仕事について
  • 希望する雇用形態

などを具体的に伝えると、自分に合った求人を探しやすくなります。

保育士向けの転職サービスは複数あります。どこを利用すればよいか迷う方は、それぞれの特徴を比較してから選ぶと安心です。

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まとめ|保育士の働き方は一つではない

保育士のワークライフバランスを考えるときは、「もっと頑張って効率よく働こう」と自分だけで抱え込む必要はありません。

まず、今の働き方で何に負担を感じているのかを整理してみましょう。

見直したいポイントとして、

  • 残業や持ち帰り仕事
  • 早番・遅番や土曜勤務
  • 有給休暇の取りやすさ
  • 子育てや家庭との両立
  • 時短勤務やパートなどの勤務形態
  • ICTなどを活用した業務改善

などがあります。

今の園で改善できることなら、主任や園長へ相談してみるのも一つの方法です。

それでも働き方を変えることが難しい場合には、新しい職場を探すことも考えてみてください。

大切なのは、「正職員として今の園で働き続けること」だけを正解にしないことです。

生活環境は変わります。

子育てや介護、自分自身の体調などによって、働きやすい形も変化します。

園児一人ひとりの姿を見取り、子どもたちの育ちを丁寧に支えるためにも、保育士自身が心身に余裕を持って働けることは大切です。

「今の働き方をずっと続けられるかな」と感じたときは、一度立ち止まって、自分が大切にしたい生活と仕事のバランスを考えてみてください。

保育士として働く方法は、一つではありません。

自分や家族の生活を大切にしながら、無理なく保育を続けられる働き方を探していきましょう。

自分に合った働き方を実現できる園を探したい方は、保育士専門の転職サービスを比較した記事も参考にしてください。

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今の園以外にどのような働き方があるのかを知るだけでも、選択肢は広がります。

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参考

  • この記事を書いた人

子育て園長

認定こども園の園長として、子どもたちの育ちや保護者相談、発達支援、職員育成に関わっています。 保育・幼児教育を軸に、心理学や脳科学の考え方も取り入れながら、子どもたち一人ひとりの姿を大切にした園づくりをしています。家庭では、10歳の娘と7歳の息子を育てる父親です。 このサイトでは、園長としての経験をもとに、子育て・保育・発達・学びについて、やさしく分かりやすくお伝えします。

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