
「いつもと違う道を通るだけで泣いてしまう」
「お気に入りのおもちゃを決まった順番に並べないと気が済まない」
「決まった服や食器でないと嫌がる」
「予定が少し変わっただけで、怒ったり動けなくなったりする」
そんなお子さんの姿を見て、「どうしてこんなにこだわるのだろう」「このままで大丈夫かな」と心配になるお父さん、お母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
毎日のことになると、ご両親も疲れてしまいますよね。
子どものこだわりが強いと、大人はつい「もう少し柔軟になってほしい」「少しくらい違っても大丈夫なのに」と思ってしまいます。
けれど、お子さんにとってのこだわりは、単なるわがままとは限りません。
「いつもと同じ」であることで安心していたり、これから何が起こるかわからない不安から、自分なりの方法を守ろうとしていたりすることがあります。
また、服の肌触りや食べ物の食感など、感覚の違いが関係している場合もあります。
大切なのは、最初から「こだわりをなくそう」とするのではなく、
「この子は何に困っているのかな?」
と考えてみることです。
この記事では、子どものこだわりが強いときの対応法を、家庭で取り入れやすい療育的な視点から解説します。
着替え、食事、遊び、予定変更など、日常で起こりやすい場面についても具体的に紹介します。
全部を一度に変える必要はありません。
まずは「これならできそう」と思う方法を一つ試してみましょう。
四谷学院の「療育55レッスン」
子どものこだわりが強いのはなぜ?ASD傾向との関係
こだわりは「安心するための方法」になっていることがある
毎日同じ道を歩きたがる。
朝の準備をいつも同じ順番でしたがる。
お気に入りのおもちゃを決まった場所に並べる。
このような姿が見られることがあります。
大人にとっては小さな違いでも、お子さんには大きな変化として感じられる場合があります。
例えば、いつも、
「着替え→朝ごはん→歯磨き」
という順番で過ごしているお子さんに、突然、
「今日は先に歯磨きをしよう」
と伝えたとします。
大人にとっては順番が変わっただけです。
でも、お子さんにとっては「いつもの流れと違う」という不安につながっているかもしれません。
泣いたり強く拒否したりしたときも、
「どうして言うことを聞いてくれないの?」
だけで終わらせず、
「いつもと違って不安だったのかな?」
と考えてみることが、関わり方を見つける第一歩になります。
ASDのあるお子さんでは変化への苦手さがみられることも
ASD(自閉スペクトラム症)のあるお子さんでは、同じ行動を繰り返したり、特定のものに強い興味を持ったり、急な予定変更を苦手としたりする姿がみられることがあります。
一方で、幼児期には発達の過程として、お気に入りの遊びや習慣を繰り返す姿もよくみられます。
そのため、
「こだわりが強い=ASD」
と家庭だけで判断することはできません。
見るポイントは、
- お子さん自身が困っているか
- 家庭生活への負担が大きいか
- 園生活や友だちとの関係に影響しているか
- 少しの変更でも強い不安につながっているか
といったことです。
「こだわりがあるか」だけではなく、
「そのこだわりによって生活にどのくらい困っているか」
を見ていきましょう。
感覚の違いが「こだわり」に見えることもある
「この服しか着ない」
「この靴下を嫌がる」
「決まった食べ物しか食べない」
このような場合、単純に「お気に入りだから」という理由だけではないことがあります。
例えば、
- タグや縫い目がチクチクする
- 特定の素材の肌触りが苦手
- 食べ物の食感が苦手
- においに敏感
- 音や光の刺激が気になる
といった感覚の特性が関係している可能性もあります。
「別の服も着なさい」と無理に変える前に、
「何が嫌なのかな?」
と考えてみましょう。
こだわっている対象そのものではなく、その背景に理由が隠れていることがあります。
すべてのこだわりをなくす必要はない
「こだわりがあるなら、小さいうちに直した方がいいのでは?」
と心配になることもあるでしょう。
ですが、生活上困っていないこだわりまで、すべて変える必要はありません。
お気に入りの絵本を何度も読む。
好きなおもちゃで繰り返し遊ぶ。
毎朝同じ順番で準備する。
そうすることで安心して過ごせているのであれば、その子にとって大切な習慣かもしれません。
また、強い興味や集中力が、その子らしい得意なことにつながる場合もあります。
大切なのは、
「こだわりがあること」ではなく「そのこだわりで困っているか」
という視点です。
子どものこだわりが強いときの基本的な対応法
まず「直前に何があったか」を見る
お子さんが突然怒り出したように見えても、その少し前に理由が隠れていることがあります。
例えば外出前に大泣きした場合、
- いつもと出発時間が違った
- 好きな遊びを突然終わらされた
- 行き先を知らされていなかった
- いつも持っていく物がなかった
といったことはなかったでしょうか。
「泣いた」「怒った」という結果だけを見るのではなく、その前の出来事を振り返ります。
原因が少しずつ見えてくると、次に同じ場面になったときの対応も考えやすくなります。
「何を守ろうとしているのか」を考えてみる
同じ行動でも理由は一人ひとり違います。
例えば、
「この服しか着ない」
というお子さんがいたとします。
お気に入りのキャラクターだからかもしれません。
いつもの服だから安心するのかもしれません。
別の服の肌触りが苦手なのかもしれません。
理由によって対応は変わります。
すぐに、
「どうすればこだわりをやめさせられる?」
と考えるのではなく、
「この子は、この行動によって何を守ろうとしているのかな?」
という視点を持ってみましょう。
気持ちを受け止めてから次の行動を伝える
こだわりが強く出ているとき、
「そんなことで怒らないの」
と否定されると、さらに不安が強くなることがあります。
まず、
「いつもの道から行きたかったんだね」
「まだ遊びたかったんだね」
と気持ちを短い言葉で表します。
そのあと、
「今日はこっちの道から行くよ」
「あと1回遊んだら終わろうね」
と次にすることを伝えます。
気持ちを受け止めることと、すべての要求を受け入れることは同じではありません。
「嫌だったんだね。でも今日はこうするよ」
という関わりでも大丈夫です。
予定変更は少し前に知らせる
突然の変化が苦手なお子さんには、少し早めに伝えておく方法があります。
例えば、
「あと5分でお風呂に入るよ」
「今日は帰りにスーパーへ寄るよ」
「明日はいつもの先生がお休みだよ」
といった伝え方です。
写真や予定表など、目で見た方が理解しやすいお子さんには、視覚的に伝える方法もあります。
変更そのものをすべてなくすことはできません。
だからこそ、
「変更はある。でも事前にわかれば準備できる」
という経験を少しずつ積んでいきます。
二つの選択肢から選んでもらう
自分で決められることが安心につながるお子さんもいます。
例えば、
「何を着たい?」
ではなく、
「赤い服と青い服、どちらにする?」
と聞いてみます。
選択肢が多いと迷ってしまうお子さんでも、二つなら選びやすいことがあります。
自分で選んだことが受け入れられる経験は、自信にもつながります。
場面別|強いこだわりへの具体的な関わり方
着替えへのこだわり
「いつも同じ服しか着ない」
という場合、いきなりお気に入りの服をなくす必要はありません。
まずはいつもの服を安心できるものとして残します。
そして、
- 同じような素材の違う色
- 同じ形の違う柄
など、少しだけ違うものを用意してみます。
すぐに着られなくても構いません。
最初は近くに置けただけでも一つの経験です。
「いつものものをなくす」のではなく、
「いつものものを残しながら選択肢を増やす」
と考えてみましょう。
食器や食事へのこだわり
「このお皿でないと食べない」
というお子さんもいます。
その場合も、いきなりお気に入りのお皿を取り上げず、いつものお皿を使いながら横に別のお皿を置いてみる方法があります。
すぐに使えなくても大丈夫です。
まずは、
「違うお皿が食卓にあっても大丈夫だった」
という小さな経験から始めます。
食べ物へのこだわりが非常に強い場合は、味だけではなく、においや食感などが苦手な可能性も考えてみましょう。
好きな遊びをなかなか終われないとき
集中して遊んでいる途中で突然、
「終わり」
と言われると、切り替えが難しいお子さんもいます。
その場合、
「あと3回やったら終わろう」
「この電車が駅に着いたら片付けよう」
など、わかりやすい区切りを伝えます。
実際に終われたときには、
「ちゃんと終われたね」
「気持ちを切り替えられたね」
と、その行動を認めてあげましょう。
遊び方や並べ方へのこだわり
ミニカーをいつも同じ順番に並べる。
積み木を同じ形にしないと気が済まない。
そんなお子さんもいます。
まずは、好きな遊び方を十分楽しんでもらいましょう。
そのあと、
「青い車も一台入れてみる?」
というように、小さな変化を加えます。
嫌がったら、いったん元に戻しても構いません。
好きな遊びを奪うのではなく、
「好きな遊びから少し世界を広げる」
というイメージです。
勝ち負けや自分のルールにこだわるとき
ゲームで負けると怒ったり、自分のルールでなければ遊びたがらなかったりすることがあります。
最初から、
「負けても怒らない」
という大きな目標を求めなくて大丈夫です。
まず、
「勝ちたかったね」
と気持ちを受け止めます。
そのあと、
「今度はお父さんのルールでも1回だけやってみよう」
と小さな変化を入れます。
できたときは、勝敗より、
「違うやり方でもできたね」
という部分を認めましょう。
こだわりを否定せず「柔軟に考える力」を少しずつ育てる
「AをやめてB」ではなく「AもBも」
新しいことを経験してもらうために、今好きなものを取り上げる必要はありません。
赤い車だけで遊びたいのであれば、赤い車を残します。
そこへ青い車を一台加えてみます。
いつもの絵本しか読まないのであれば、その絵本を読んでから新しい絵本を1ページだけ見てみます。
「好きなことをやめる」のではなく、
「好きなことに新しい経験を少し足す」
と考えます。
「できなかった」より「変えられた」を見つける
親御さんは、どうしてもまだできないところに目が向きやすくなります。
でも、
昨日は大泣きしたけれど、今日は少し待てた。
違う道を嫌がったけれど、途中から歩けた。
違うお皿は使えなかったけれど、テーブルに置いておけた。
こうした姿も大切な変化です。
「今日はここまでできたね」
と、小さな一歩を見つけてあげましょう。
うまくいった対応を簡単に記録する
毎回完璧に対応する必要はありません。
困った場面があれば、スマートフォンなどに、
- 何が起きたか
- その前に何があったか
- どんな声かけをしたか
- 何をすると落ち着いたか
だけでも残してみます。
何度か記録すると、
「予定を早めに伝えると落ち着きやすい」
「二つから選べるようにすると動きやすい」
など、お子さんに合った方法が見えてくることがあります。
園にも共有できれば、家庭と園で共通した関わりを考えやすくなります。
家庭で対応するときは、ご両親も頑張りすぎない
お子さんのことを考えるほど、
「毎回正しく対応しなければ」
「毎日何か療育をしなければ」
と思ってしまうことがあります。
でも、毎日完璧にする必要はありません。
今日は気持ちを一度受け止められた。
今日は予定を少し早く伝えられた。
それだけでも十分です。
一度に、
「服も変えよう」
「食事も変えよう」
「遊び方も広げよう」
とすると、お子さんだけでなくご両親の負担も大きくなります。
まず一つから始めてください。
家庭療育は、親御さんが疲れ切ってしまうほど頑張ることではありません。
親子で無理なく続けられることも、とても大切です。
家庭での関わりを体系的に続けたいなら四谷学院「療育55レッスン」
「次に何をすればいい?」と迷ったときに
ここまで紹介した方法は、家庭でも少しずつ取り入れられます。
一方で、
「今の子どもには、次に何をすればいい?」
「簡単すぎるのか、難しすぎるのかわからない」
と迷うこともあるでしょう。
毎回ご両親だけで課題を考えるのは大変です。
そんなときは、家庭で取り組む内容が段階的に整理された教材を活用する方法もあります。
四谷学院「療育55レッスン」は、発達が気になるお子さんが家庭で取り組めるよう構成されたプログラムです。
年齢だけではなく、お子さんの現在の「できること」を確認しながらスタートできます。
短い時間から取り組める
長時間机に向かうことが難しい幼児期のお子さんもいます。
療育55レッスンは、1回10~15分を目安に、1日2~3回、お子さんのペースで取り組める構成になっています。
教材には問題プリントや絵カードなどがあり、ご両親向けの説明も用意されています。
ご両親だけで悩まず相談できる
家庭で取り組んでいると、
「この進め方でいいのかな?」
「この課題だけなかなかできない」
と迷うことがあります。
療育55レッスンでは、家庭での進め方について相談できる仕組みがあります。
教材だけを受け取って終わりではなく、お子さんの姿を見ながら進め方を考えられることも特徴の一つです。
まずは無料資料で家庭に合うか確認する
家庭療育の教材にも相性があります。
いきなり申し込む必要はありません。
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- 親子で取り組めそうか
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四谷学院の「療育55レッスン」
療育55レッスンについて、教材内容やメリット・注意点まで詳しく確認したい方はこちらの記事も参考にしてください。
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困りごとが強い場合は専門機関にも相談する
家庭でできる工夫や教材は、お子さんの育ちを支える方法の一つです。
一方で、
- 食事や睡眠など生活への影響が大きい
- 園や学校で過ごすことが難しくなっている
- 本人のつらさが強い
- 家族の日常生活への負担が非常に大きい
といった場合は、家庭だけで抱え込まず、園の先生、自治体の発達相談、小児科、療育機関などへの相談も検討しましょう。
家庭での関わりと専門家への相談は、どちらか一方を選ぶものではありません。
必要に応じて組み合わせながら、お子さんの育ちを支えていくことが大切です。
よくある質問|子どものこだわりへの対応で迷ったとき
子どものこだわりはなくした方がよいですか?
すべてなくす必要はありません。
生活上困っていないこだわりは、お子さんが安心する方法だったり、好きなこと・得意なことにつながったりする場合があります。
まずは「本人や家族が困っているこだわりかどうか」を考え、必要な部分だけ少しずつ選択肢を増やしていきましょう。
同じ遊びばかりでも大丈夫ですか?
同じ遊びを繰り返すこと自体を、すぐにやめさせる必要はありません。
好きな遊びは、お子さんが安心して取り組める活動でもあります。
十分楽しんだあと、
「違う色の車を一台追加してみる」
「いつもと違う遊び方を一回だけ試してみる」
など、小さく広げてみる方法があります。
ASDの診断がなくても家庭でできることはありますか?
あります。
予定を早めに伝えること、選択肢を二つ程度にすること、できたことを認めることなどは、診断の有無にかかわらず取り入れられる関わり方です。
ただし、発達について気になる状態が続いたり、生活への影響が大きかったりする場合には、専門機関への相談も検討しましょう。
こだわりからかんしゃくになったときはどうすればよいですか?
感情が大きく高ぶっているときに、長く説明して理解してもらおうとするのは難しいことがあります。
まず安全を確保し、落ち着ける時間をつくります。
落ち着いたあと、
「予定が変わって嫌だったね」
「次は少し早く伝えるね」
など、短い言葉で振り返ります。
その場ですべて解決しようとせず、次の関わりにつなげていきましょう。
まとめ|こだわりをなくすより、安心できる方法を増やそう
子どものこだわりが強いと、
「何とか直さなければ」
と焦ってしまうことがあります。
でも、最初に考えたいのは、こだわりをなくすことではありません。
「なぜ、この子はこれを大切にしているのだろう?」
と、その背景を考えてみることです。
まずは、
- 困った場面の少し前を振り返る
- 何を守ろうとしているのか考える
- 気持ちを受け止めてから次の行動を伝える
- 予定変更は少し早めに知らせる
- 二つ程度の選択肢から選んでもらう
- いつもの方法を残しながら、小さな変化を一つ加える
ということから始めてみましょう。
全部を一度に行う必要はありません。
昨日はできなかったけれど、今日は少し待てた。
いつもと違う物を一度触れた。
予定が変わっても途中から気持ちを切り替えられた。
そんな小さな姿も、大切な育ちです。
そして、
「家庭で何をどの順番で取り組めばよいかわからない」
「もう少し体系的に家庭療育を進めたい」
という場合は、家庭向け教材を一つの選択肢として確認してみてもよいでしょう。
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まずは、お子さんに合いそうか、ご家庭で無理なく続けられそうかを見てから判断することをおすすめします。
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