子育て

【解説】先生や園と連携するために知っておきたいABA・TEACCHの基礎知識

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「園の先生に相談したとき、専門的な言葉が出てきてよくわからなかった」「家庭でも支援を続けたいけれど、どう関わればいいのかわからない」――そんな思いを抱えるパパやママは少なくありません。

発達支援の現場でよく耳にする「ABA(応用行動分析)」や「TEACCH(ティーチ)」は、難しい専門理論に感じるかもしれませんが、実は日常の子育てに役立つヒントがたくさん詰まっています。家庭での関わりに少し取り入れるだけでも、お子さんの安心や自信につながることがあります。

この記事では、パパやママが先生や園と連携する際に知っておくと安心できる「ABA」と「TEACCH」の基礎知識をわかりやすく解説します。家庭で実践できる具体例や、園との協力のポイントも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。

なぜABAやTEACCHを知ることが大切なのか

園や先生との共通言語になる

先生から「ABA的に対応してみますね」「TEACCHの視覚支援を取り入れています」などと説明を受けたとき、内容を少しでも理解しているとやりとりがスムーズになります。パパやママが専門用語を知っていることで、園側と同じ目線で話し合えるようになります。

家庭と園で一貫した関わりができる

家庭と園で全く違う関わり方をしていると、お子さんは混乱してしまいます。先生とパパやママが共通の考えを持ち、一貫した関わりをすることで安心感が生まれ、より良い成長につながります。

ABA(応用行動分析)とは?

ABAの基本的な考え方

ABAとは「行動に注目して、その行動がなぜ起こっているのかを分析し、望ましい行動を増やす」ための方法です。特に大切なのは「できたときにすぐ褒める」「小さなステップに分けて練習する」という考え方です。

例えば、おもちゃを片づけるのが苦手なお子さんに対して、「全部片づけなさい」と伝えるのではなく、「まずは1つ箱に入れられたね、すごいね!」と小さな成功を積み重ねて褒めることがABAの基本です。

日常での具体例

  • 靴を揃えて置けたら「きれいにできたね!」と笑顔で伝える

  • ハサミで紙を1回切れたら「上手に切れたね!」とすぐに褒める

  • 苦手なことは一度に全部ではなく「今日はここまで」と段階を踏む

ABAのポイントは「行動を小さく分けて、できたことを強化すること」。これは園でも家庭でも取り入れやすい方法です。

TEACCH(ティーチ)とは?

TEACCHの基本的な考え方

TEACCHは「見てわかる」「先の見通しを持てる」ように工夫して、お子さんが安心して生活できる環境を整える方法です。言葉だけで伝えるよりも、視覚的な情報を使うと理解しやすくなります。

日常での具体例

  • 朝の準備をカードで「顔を洗う→ごはん→着替え→歯みがき」と順番に見える化する

  • お片づけする場所に写真やイラストを貼り、「ここに入れる」とわかりやすくする

  • 遊びを終わらせるときは、タイマーを見せて「あと5分」と知らせる

こうした工夫で「次に何をするか」が見えると、不安が減り、切り替えもスムーズになります。

家庭と園で連携するための工夫

情報を共有する

パパやママが「家庭ではこういう工夫でうまくいきました」と伝えることで、先生も園で取り入れやすくなります。また、園での成功例を家庭に持ち帰ることで、お子さんは一貫した関わりを受けられます。

同じ方法を取り入れる

園で「片づけのときは歌を流しています」と聞いたら、家庭でも同じ歌を使うことでお子さんは安心します。逆に家庭での声かけを先生に伝えて共有するのも良い方法です。

お子さんにとって一貫した環境をつくる

園と家庭で支援がバラバラだと、お子さんは混乱します。同じ合図や道具を使うことで「やり方が一緒だ」と感じ、安心して行動できるようになります。

実際の家庭での取り組み事例

ABAを取り入れて自信がついた例

片づけが苦手なお子さんに「おもちゃをひとつ箱に入れられたら褒める」ことを繰り返した家庭があります。すると、最初は1つだけだった片づけが、少しずつ増えて最終的には自分から片づけられるようになりました。「やればできる」という自信が生まれたのです。

TEACCHで登園準備がスムーズになった例

毎朝「着替えて」「歯みがきして」と声をかけても泣いていたお子さんに、カードで支度の流れを示したところ、自分から順番に準備ができるようになった家庭もあります。「次にやることがわかる」だけで安心できたのです。

家庭療育をさらに広げたいパパ・ママへ

ABAやTEACCHの基礎を知ると、園や先生とのやりとりがスムーズになるだけでなく、家庭でも実践しやすくなります。

「もっと具体的に、毎日の遊びや声かけに活かしたい」と思ったときには、家庭で実践できる教育プログラムを取り入れるのも一つの方法です。こちらの記事では、遊び感覚で取り組める家庭療育プログラムを紹介しています。日々の子育ての中で自然に続けられる工夫がたくさんありますので、パパやママの心強い味方となるはずです。

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まとめ

ABAとTEACCHは、発達支援でよく使われる方法で、園や先生とパパやママの共通言語となります。家庭でも取り入れやすい工夫が多く、お子さんの安心や自信につながります。

まずは「できたらすぐ褒める」「次の予定をカードで見せる」といったシンプルな方法から始めていただけたらと思います。パパやママの小さな工夫が積み重なって、お子さんの成長を支える大きな力になるとなるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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