子育て

【解説】家庭療育で感じたABA・TEACCH・感覚統合での小さな変化

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「家庭でできる療育を取り入れてみたいけれど、難しそう」「効果があるのかよくわからない」――そんな思いを抱くパパやママは少なくありません。

実は、ABA(応用行動分析)、TEACCH(構造化教育)、感覚統合あそびといった発達支援の方法は、専門の教室だけでなく家庭でも取り入れられるものが多いのです。そして、ほんの少し試してみただけでも「できた!」「落ち着いた!」という小さな変化を感じることがあります。

この記事では、家庭療育で実際に見られるABA・TEACCH・感覚統合による小さな変化を、具体的な事例を交えながら紹介します。難しい知識は必要ありません。パパやママが日常の中で工夫できることをわかりやすくまとめました。

家庭療育を取り入れる意義

家庭だからこそできること

家庭はお子さんにとって一番安心できる場所です。そのため、小さな支援を繰り返し行うことで自然に定着しやすくなります。園や療育の場で1回練習するよりも、毎日少しずつ取り組むほうが成果につながりやすいのです。

例えば「靴を揃える」という行動も、園だけで取り組むのではなく家庭でも同じように声をかけることで習慣になります。お子さんにとって「家でも同じやり方なんだ」と感じられることが安心につながります。

小さな積み重ねが大きな成長に

家庭療育は一度で劇的に変わるものではありません。しかし、1つの行動ができるようになったり、昨日より落ち着いて過ごせたりすることが積み重なることで、大きな成長を感じられるようになります。

「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることが、お子さんの自己肯定感を高め、次の挑戦につながっていきます。

ABAを取り入れた家庭での小さな変化

行動をほめることで自信がついた

ABAの基本は「できたらすぐ褒めること」です。ある家庭では、お子さんがおもちゃを片づけられたときに「ありがとう!とても助かったよ」とすぐに伝えるようにしました。最初は1つだけでも褒め続けることで、やがて自分から進んで片づけるようになったそうです。

「褒められると嬉しい」という体験が行動を強化し、次の自発的な行動につながっていくのです。

スモールステップで挑戦が広がった

ABAでは、行動を小さなステップに分けて練習します。例えば「靴下を履く」が苦手なお子さんに対して、まずは片方だけ履く練習から始めます。できたら褒めて、次は両方、最後は靴まで履く、という流れで少しずつ成功体験を重ねていきます。

「一気にやるのは難しいけれど、少しずつならできる」という積み重ねが、お子さんの自信と挑戦意欲を育てていきます。

TEACCHを取り入れた家庭での小さな変化

見通しが持てると不安が減った

TEACCHの特徴は「見える化」です。ある家庭では、毎朝の支度を「顔を洗う→ごはん→着替え→歯みがき」とカードで示すようにしました。すると「今日は何をするの?」と不安そうにしていたお子さんが、自分でカードを見て次の行動を選べるようになり、泣くことが減りました。

「先がわかる」というだけで、お子さんの安心感は大きく変わります。

視覚的な合図で切り替えがスムーズに

遊びをやめて次の行動に移るのが難しいお子さんには、タイマーや砂時計を使う方法も効果的です。「あと5分でお片づけね」と見える形で知らせることで、切り替えがスムーズになります。

言葉だけで伝えるよりも「目で見て理解できる」支援は、家庭でもすぐに取り入れられる工夫です。

感覚統合あそびを取り入れた家庭での小さな変化

体を動かす遊びで落ち着きが出た

感覚統合とは「体を通して脳が刺激を受け、整理することを助ける遊び」のことです。例えば、クッションにジャンプする遊びを取り入れた家庭では、お子さんが活動後に落ち着いて座れる時間が増えました。エネルギーを発散することで、集中力が育ちやすくなります。

指先遊びで生活のスキルが伸びた

粘土やビーズ通しなどの指先を使う遊びは、箸の持ち方やボタンかけなどの生活スキルにもつながります。ある家庭では、粘土遊びを楽しんでいたお子さんが、少しずつスプーンや箸を上手に使えるようになったそうです。

遊びながら取り組むことで「楽しい」が「できる」につながっていきます。

パパやママが無理なく続けるための工夫

完璧を目指さない

家庭療育は「毎日必ずやらなければ」と思うと負担になってしまいます。「今日は一歩進めたら十分」と考えることで、無理なく続けられます。

遊び感覚で取り入れる

「さあ練習しよう」ではなく、「一緒に遊ぼう」の延長で支援を取り入れると、お子さんも楽しみながら続けられます。

できたことを一緒に喜ぶ

「すごいね!」「できたね!」と一緒に喜ぶことで、親子の絆も深まります。お子さんにとって「認めてもらえた」という体験が、次の意欲につながります。

家庭療育をサポートするプログラムを活用する

「工夫をしているけれど、もっと具体的なアイデアが欲しい」「専門的な方法を家庭で続けたい」と感じたときは、家庭療育に特化した教育プログラムを取り入れるのもおすすめです。

こちらの記事では、ABA・TEACCH・感覚統合をバランスよく取り入れた家庭向けプログラムが紹介されています。遊びながら学べる仕組みなので、パパやママにとっても無理なく続けやすい内容になっています。

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まとめ

家庭療育は、特別な準備や知識がなくても日常に取り入れられる工夫がたくさんあります。ABAの「小さなステップで褒める」、TEACCHの「見える化」、感覚統合の「遊びを通した体の刺激」などは、家庭ですぐに実践できます。

大切なのは「こだわりをなくす」「完璧にする」ことではなく、「小さな変化を一緒に喜ぶ」ことです。

今日できた一歩を大切にしながら、少しずつ家庭での工夫を続けていただけたらと思います。そうした積み重ねが、お子さんの安心や自信となり、成長を支える力になるとなるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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