教育

【解説】なぜ今、子どもにプログラミング教育が必要なのか?― 授業必修化の背景と将来の仕事とのつながり

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プログラミング教育が小学校で必修になった、と聞いても、「なぜ今、子どもにプログラミング教育が必要なのか」「本当に将来の仕事につながるのか」と、少しモヤモヤした気持ちを抱えているお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか。

「自分は文系でパソコンも得意じゃないのに、ちゃんとサポートできるのかな」「まだ小さいのに、そんなに早くから勉強させて大丈夫?」といった不安の声もよく聞かれます。ニュースや学校からのお便りでは「授業必修化」「プログラミング的思考」などの言葉が並び、かえって分かりにくく感じてしまうこともありますよね。

けれど、プログラミング教育のねらいは、「全員をプログラマーにすること」ではありません。もっと日常に近いところで、お子さんの「考える力」や「粘り強く取り組む力」を育てるための学びです。幼児教育の知見をもとに、その背景をやさしくほどきながら、将来の仕事とのつながりも一緒に見ていきたいと思います。

この記事では、まず「なぜ今、子どもにプログラミング教育が必要と言われているのか」という土台から整理していきます。そのうえで、授業必修化の背景や、これからの社会で求められる力、そして家庭でできる小さな関わり方までを丁寧に解説します。専門用語はかみ砕いて説明していきますので、「よく分からないまま置いていかれる」ことがないよう、一歩ずつ進んでいきましょう。

ご両親がプログラミングにくわしくなくても大丈夫です。お子さんの姿を見取りながら、一緒に「なぜ?」を考えてみることができれば、それだけで育ちを支える大切な関わりになります。

なぜ今、子どもにプログラミング教育が「必要」と言われているのか

プログラミング教育のねらいは「エンジニアにすること」ではない

「プログラミング教育」と聞くと、多くの親御さんがまず思い浮かべるのは、「コードを書く」「難しい記号を打ち込む」といった、専門的で難しそうな世界かもしれません。そのため、「うちの子をエンジニアにしたいわけではないから、そんなに力を入れなくても…」と感じることもあるでしょう。

しかし、学校が目指しているのは、決して「エンジニア養成コース」ではありません。大切にしているのは、コンピューターに命令を出すその前にある、「物事を順番に整理する力」や「うまくいかなかったときに別の方法を試す力」です。

たとえば、お子さんが積み木で遊んでいる場面を思い浮かべてみてください。高い塔を作ろうとして、何度も崩れながら、少しずつ積み方を変えていくことがあります。その姿には、「どうしたらうまくいくかな」「次はこうしてみよう」という思考のプロセスが現れています。

プログラミング教育は、まさにこうした姿を見取るための、もう一つの道具だと考えることができます。画面の中のキャラクターを動かす活動を通して、「この順番だとうまくいかないから、順番を変えてみよう」「ここで止まってしまうのはなぜだろう」と考える経験を重ねていきます。

つまり、プログラミング教育の土台にあるのは、「将来の仕事のためにテクニックを覚えさせること」ではなく、「生きていくうえで必要な考え方を育てること」なのです。

「プログラミング的思考」とは?専門用語をかみ砕いて解説

学校やニュースでよく見かける「プログラミング的思考」という言葉。少し堅くて、イメージしにくいですよね。

これは簡単に言うと、「ゴールに向かって、やることを順番に整理し、試行錯誤しながら進めていく力」のことです。

たとえば、朝の登校準備を考えてみましょう。

  1. 起きる

  2. 顔を洗う

  3. 着替える

  4. 朝ごはんを食べる

  5. ランドセルを用意する

このように、頭の中で「順番」を組み立てて動くことは、立派なプログラミング的思考です。もし、「ランドセルを用意する」を忘れて家を出てしまったら、「次からは先に用意しておこう」と考え方を修正しますよね。これもまた、プログラムを書き換えるのと同じような働きです。

コンピューターに命令を出すときも同じです。
「こう動いてほしい」というゴールに向かって、「最初にこれをして、その次にこれをする」と、細かく順番を考えます。うまく動かなければ、どこを直したらよいのかを探し、また試してみる。この流れが、「プログラミング的思考」と呼ばれています。

難しい専門用語に聞こえますが、もともとは日常の中でお子さんが自然に行っていることです。それを授業の中で言葉にし、意識して育てていこうというのが、プログラミング教育の目的だと考えると分かりやすいかもしれません。

日々の学びの中でどんな姿が育ってほしいのか

では、プログラミング教育によって、どのようなお子さんの姿を見取っていきたいのでしょうか。

たとえば、次のような場面が挙げられます。

・うまくいかなくても、すぐにあきらめず、やり方を変えて再チャレンジする
・友だちと一緒に、「ここが原因かな」「こうしてみようか」と相談しながら取り組む
・自分で考えた手順や工夫を、言葉で人に説明しようとする

これらは、どれもプログラミング教育だけに限らない、大切な「学ぶ力」です。算数の文章題に向き合うときにも、図工で作品をつくるときにも、将来仕事をするときにも、生きていくあらゆる場面で役に立ちます。

幼児教育の知見をもとに見ると、こうした姿は、急に小学校高学年で育つものではなく、小さいころからの遊びや生活の中で少しずつ育っていくものだと言われています。だからこそ、「なぜ今、子どもにプログラミング教育が必要なのか」という問いには、「これからの時代に必要な考え方を、早いうちから丁寧に育てていきたいから」という答えが返ってきます。

お父さん、お母さんが、その意味を知っているだけでも、お子さんの育ちを支えるまなざしは変わってきます。「ちゃんとコードが書けるか」ではなく、「どんなふうに考えながら取り組んでいるか」に目を向けることができるからです。

このあとには、授業が必修化された背景や、具体的に学校でどのような活動が行われているのかを見ながら、「将来の仕事とのつながり」についても一緒に考えていきましょう。

授業必修化の背景をやさしく整理|学校でプログラミング教育はどう行われている?

いつから?どこで?プログラミング教育必修化の全体像

「いつから授業でプログラミング教育が始まったのか、正直よく分からない」という声もよく聞きます。まずは、ざっくりとした全体像から見てみましょう。

小学校では、新しい学習指導要領のもとで、すでに「プログラミング教育」が必修として位置づけられています。ただし、ひとつの教科として「プログラミング」という授業があるわけではありません。算数や理科、総合的な学習の時間など、さまざまな教科の中で、「プログラミング的思考」を育てる活動が組み込まれている形です。

中学校や高校でも、技術・家庭科や情報科などの中で、より本格的な内容にステップアップしていきます。とはいえ、いきなり難しいプログラミング言語を覚えさせるわけではなく、段階的に「考え方」を広げていくイメージです。

幼児教育の知見をもとに考えると、「いきなり高度なことを教える」のではなく、「身近なところから、少しずつ慣れていく」流れはとても大切です。学校のプログラミング教育も、この考え方にもとづいて設計されています。

お父さん、お母さんがこの全体像を知っておくだけでも、「急に難しい授業が始まるのでは?」という不安は和らいでいきます。

従来の「情報教育」と何が違うのか

以前から、学校ではパソコンを使った授業や、インターネットの使い方を学ぶ「情報教育」が行われてきました。では、それとプログラミング教育はどこが違うのでしょうか。

従来の情報教育は、「コンピューターを安全・便利に使う」ことが中心でした。たとえば、タイピングで文字を打つ練習をしたり、調べ学習のための検索の仕方を学んだり、ネット上でのマナーを学んだりすることです。

一方、プログラミング教育では、「コンピューターをどう使うか」だけでなく、「中でどのような仕組みで動いているのか」「自分ならどう命令するか」という考えに踏み込んでいきます。

イメージで言うと、
・情報教育:レシピを読んで、その通りに料理を作る
・プログラミング教育:レシピそのものを考えて、必要なら作り変えていく

というような違いがあります。

もちろん、どちらも大事です。ただ、「なぜ今、子どもにプログラミング教育が必要なのか」という問いに対しては、「これからの社会では、レシピ通りに動くだけでなく、自分でレシピを考える力が必要になるから」と答えることができます。

日常の中でも、お子さんが自分なりのやり方で工夫している姿はありませんか。ブロックの組み立て方、ゲームの攻略法、宿題の進め方など。そうした姿を見取りながら、「あ、今まさにプログラミング的な考え方をしているな」と気づけると、学びの意味がより立体的に見えてきます。

実際の授業で行われている活動の例

「プログラミング教育が必修」と聞くと、「教科書がびっしり英語や記号だらけなのでは?」と心配になるかもしれません。ですが、特に小学校の段階では、もっと身近で楽しい活動が中心になっています。

たとえば、こんな授業があります。

・算数の時間に、「一定の規則で増えていく数」を図で表し、そのルールを説明する
・理科の時間に、「センサーが反応したらライトが光る」簡単な道具を使って、動きの仕組みを考える
・総合的な学習の時間に、タブレット上でキャラクターを動かす簡単なプログラムを作る

どの活動も、「まずやってみる」「うまくいかなければ直してみる」という流れを大事にしています。お子さんは、ゲームのような感覚で楽しみながら、「順番」「条件」「くり返し」といった考え方を自然と身につけていきます。

幼児教育の知見をもとにすると、「体験を通して学ぶ」「友だちと一緒に考える」ことは、子どもの育ちを支えるうえでとても重要です。プログラミング教育も、決して机にかじりついてひたすらコードを書く学びではなく、このような体験型の活動が多く取り入れられています。

もちろん、学校によって力の入れ方や具体的な教材は少しずつ違います。「うちの学校ではどんなふうに取り組んでいますか?」と、参観や面談の際に先生に尋ねてみるのも良いでしょう。お子さんの授業中の姿を見取るヒントが得られますし、「家庭ではどう関わればいいか」を相談するきっかけにもなります。

このように、授業必修化の背景を知ることで、「よく分からないけれど不安」という状態から、「だいたいのイメージはつかめた」という段階に、一歩進むことができます。次は、子どもの将来の仕事とのつながりに目を向け、「この学びがどのように生きていくのか」を一緒に考えていきましょう。

将来の仕事とのつながり|なぜプログラミング教育がキャリアにも役立つのか

IT業界だけではない「デジタル化する社会」と仕事の変化

「プログラミング教育は、IT企業で働く子だけに必要なもの」と感じている親御さんもいるかもしれません。けれど今の社会では、ほとんどすべての仕事が、何らかのかたちでコンピューターやデジタル技術と結びついています。

お店のレジはタブレットになり、病院のカルテは電子化され、工場ではロボットが動いています。農業でも、温度や水の量をセンサーで管理する場面が増えています。表には出てこなくても、その裏側には必ず「決められた手順で機械を動かす」仕組みがあります。

ここで大切なのは、「どんな仕事についても、しくみを理解しようとする姿勢」です。すべての人がプログラムを書ける必要はありませんが、「どういう流れで動いているのかな」「もしここを変えたら、仕事はどう変わるかな」と考えられる人は、変化の大きい時代でも力を発揮しやすくなります。

お子さんが将来どんな仕事を選ぶとしても、この「しくみを想像しながら仕事を見る力」は必ず役に立ちます。プログラミング教育は、その入り口を学校の授業の中に用意している、ととらえることができます。

文系でも必要?プログラミング教育で育つ「考える力」と伝える力

「うちの子は文系タイプだから、プログラミングとは無縁かもしれない」と感じているお父さん、お母さんもいるでしょう。けれど、ここまで見てきたように、プログラミング教育の中心にあるのは「考え方」の部分です。

たとえば、物語を書くときも、読む人に分かりやすいように順番を工夫します。レポートを書くときも、「結論」「理由」「具体例」という流れを意識することで、伝わりやすくなります。これは、プログラムを組み立てるときに「最初」「途中」「最後」を整理するのと、とてもよく似ています。

さらに、プログラミングの活動では、自分が考えた手順を友だちや先生に説明する場面がたくさんあります。「なぜこうしたのか」「どこを直したのか」を言葉で伝える中で、論理的に話す力や、人に分かるように表現する力が育っていきます。

こうした力は、将来、営業職でも、企画職でも、教育や福祉の仕事でも、大きな武器になります。文系・理系という枠をこえて、「自分の考えを筋道立てて整理し、人に伝えられる人」を育てること。そのために、プログラミング教育が一つの役割を果たしているのです。

AI時代に求められる子どもの姿と、プログラミング的思考の関係

近ごろは、ニュースやSNSでも「AI」という言葉を見かけることが増えました。文章を書いたり、絵を描いたり、データを分析したりと、AIができることは急速に広がっています。この先、お子さんが大人になるころには、今よりもっと多くの仕事でAIが活用されているでしょう。

ここで気になるのが、「AIに仕事を奪われてしまうのでは?」という不安です。たしかに、決まった手順をくり返すだけの仕事は、機械やAIに置き換わっていく部分もあります。一方で、「何を目指すのかを決める人」「AIにどんな役割をもたせるのかを考える人」は、これからも必要とされ続けます。

プログラミング教育で育つ「プログラミング的思考」は、この「決める側」の力に近いと言われています。目的を考え、やるべき手順を整理し、途中でうまくいかなければ修正する。その一連の流れを経験している人は、AIや機械と協力しながら、新しい仕事の形をつくっていきやすくなります。

幼児教育の知見をもとにすると、小さいころから「どうしてこうなるんだろう?」「自分ならどうしてみたい?」と考える経験を重ねたお子さんは、変化の大きな時代の中でも、自分の頭で状況を整理し、一歩を踏み出す力を育みやすいとされています。

ご両親が、プログラミング教育を「AIに負けないための特別な訓練」ととらえる必要はありません。むしろ、「これからの社会で、自分らしく生きるための考え方の練習」として、あたたかく見守りながら、お子さんの育ちを支える一つのきっかけにしていけるとよいですね。

家庭でできる準備と「プログラミング教育との付き合い方」

日常生活でできる「順番を考える」「しくみを想像する」遊び

子どもにプログラミング教育が必要、と言われても、「家では何をしたらいいのか分からない」という親御さんは多いです。特別な教材を買わなくても、日常生活の中でプログラミング的思考を育てる工夫はたくさんあります。

たとえば、朝の支度を「ミッションゲーム」にしてみる方法があります。
「ミッション1:顔を洗う」「ミッション2:着替える」「ミッション3:ごはんを食べる」など、カードや紙に書いて机に並べます。お子さんと一緒に「どの順番でやるとスムーズかな?」と考えるだけで、「順序立てて考える力」が自然と育っていきます。

また、料理のお手伝いもおすすめです。カレー作りなら、「野菜を切る」「炒める」「煮込む」など、手順がはっきりしていますよね。お子さんに「もし、先にルーを入れたらどうなるかな?」と問いかけてみると、「あ、順番が大事なんだ」と気づくきっかけになります。これは、まさにプログラムの「手順」を考えることと同じ構造です。

このように、日常の中で「順番を考える場面」を少し意識するだけで、プログラミング教育の土台になる力を育てていくことができます。幼児教育の知見をもとにすると、こうした生活の中の学びは、お子さんの育ちを支えるうえでとても大きな意味を持っています。

「どうしてそう思ったの?」と聞く習慣がプログラミング的思考を育てる

お子さんが自分なりに工夫をしたとき、「なんでそんなことしたの?」とつい責めるような口調になってしまうことはありませんか。忙しい毎日の中では、親御さんのそんな気持ちも自然なことです。

そこで、少しだけ言い方を変えて、「どうしてそう思ったの?教えてくれる?」と聞いてみるのはいかがでしょうか。同じ質問でも、「説明してほしい」というスタンスで聞かれると、お子さんは「自分の考えを大事にしてくれている」と感じやすくなります。

このとき大切なのは、「合っているかどうか」だけで判断しないことです。たとえ結果としてはうまくいかなかったとしても、「そう考えたんだね」「そこに気づいたんだね」と、考えたプロセスを認める言葉をかけてみてください。

プログラミング教育の授業でも、先生は「正解のプログラムが書けたか」だけを見るのではなく、「どう直そうとしたのか」「どこでつまずいたのか」といった姿を見取ろうとしています。ご両親も同じように、お子さんの頭の中で起きていることに耳を傾けてみると、プログラミング的思考の芽を見つけやすくなります。

ゲーム・動画・アプリとの付き合い方を「学びのきっかけ」に変える

スマホやタブレットのゲーム、動画アプリなど、デジタルな遊びは今や身近なものです。「やめなさい」と言っても、なかなかうまくいかないと感じているお父さん、お母さんも多いでしょう。

ここで一つの発想転換として、「全部ダメ」にするのではなく、「学びのきっかけに変えられないか」を考えてみる方法があります。たとえば、ゲームをしているお子さんに、「どこが一番おもしろいの?」「どうしたらクリアできるの?」と聞いてみると、意外と細かく説明してくれることがあります。

そのとき、「それって、どんな順番でやっているの?」「もしここを変えたら、どうなるかな?」と一歩ふみこんで聞いてみると、プログラミング的思考につながる会話になります。動画を見たあとでも、「このしくみって、どうなっているんだろうね?」と話題にすることで、「しくみを想像する力」が育っていきます。

もちろん、時間のルールは大切です。「1日◯分まで」「寝る前1時間は画面を使わない」など、ご家庭に合った決まりを作り、「守れたら一緒に振り返る」というスタイルにすると、お子さんも納得しやすくなります。画面時間を完全にゼロにするのではなく、「どう付き合うか」を親子で考えることが、これからの時代の大事な力になっていきます。

学校だけに任せないための学び方の選び方|家庭での一歩から本格的な学習まで

無料で試せるプログラミング教材・アプリ・オンライン体験

「いきなり有料の教材や教室に申し込むのは不安」というご両親も多いはずです。その前に、無料で試せるプログラミング教材やアプリ、オンライン体験を活用して、「うちの子はどんなタイプの学び方が合いそうか」を探ってみるのも一つの方法です。

たとえば、ブロックを組み合わせてキャラクターを動かすアプリや、1時間ほどで完結するオンラインの体験コンテンツなどがあります。これらは、「プログラミング教育って、だいたいこんな感じなんだ」と、親子でイメージをつかむ入り口としてとても役立ちます。

最初から長時間取り組む必要はありません。週末に10〜15分だけ一緒に試してみて、「楽しかった?」「どの部分がおもしろかった?」と感想を聞いてみるだけでも、お子さんの興味の方向性を見取ることができます。

本・ドリル・ワークブックで紙ベースから始める方法

デジタル機器が苦手なお父さん、お母さんにとっては、「いきなりアプリから入るのはハードルが高い」と感じることもあります。その場合は、紙の本やドリル、ワークブックから始める方法もおすすめです。

たとえば、「スタートからゴールまで、指示どおりに進む迷路」「条件に合うカードだけを選ぶゲーム」などは、プログラミング的思考の基礎を育てる問題としてよく使われています。紙であれば、親御さんも一緒にのぞき込みながら、「次はどっちに行く?」と気軽に声をかけやすいですよね。

紙ベースの教材は、「書いて消す」「手で動かす」といった感覚も伴うため、幼児期のお子さんの育ちを支える学びとしても相性が良いと言われています。「プログラミング教育=必ず画面」というわけではなく、「考え方の練習」ができれば十分なのだと考えると、取り入れやすくなります。

お子さんが「もっとやりたい」と言い始めたときのステップアップ

無料教材や本での学びを続けていると、お子さんが「もっと作ってみたい」「自分でゲームを作れるようになりたい」といった言葉を口にし始めることがあります。これは、プログラミング教育が目指している「主体的に学ぶ姿」が育ってきたサインです。

そのタイミングで、もう少し体系的な学習にステップアップすることを検討してみてもよいかもしれません。たとえば、オンライン教材や通信講座、少人数の教室などでは、「作品づくり」「発表の機会」「質問できる環境」などがセットになっていることが多く、家庭だけでは難しい部分を支えてくれます。

とはいえ、「周りが習っているから」と焦る必要はありません。あくまで、「うちのお子さんはどのような環境なら、いきいきと学べそうか」という視点で選ぶことが大切です。ご両親が、お子さんの表情や言葉をていねいに見取りながら、無理のないペースを一緒に探していきたいですね。

小学生向けのプログラミング学習を検討したいときの情報の拾い方

「もう少し本格的に学ばせてみたい」と感じたときに困るのが、「教材や教室の情報が多すぎて、どれを選べばいいか分からない」という悩みです。

そんなときは、
・対象学年やレベルはどうか
・どんな内容・カリキュラムか
・サポート体制はあるか(質問しやすいか)
・家庭の予算や生活リズムに合うか

といった軸で、情報を整理してみると比較しやすくなります。

小学生向けのプログラミング学習について、カリキュラムや特徴、選び方のポイントをまとめて紹介している解説ページを一度読んでおくと、全体像がぐっとつかみやすくなります。「うちの子にはオンラインが合いそう」「教室の雰囲気も見てみたい」など、ご家庭なりの方向性も見えやすくなります。

小学生のプログラミング学習の内容や、教材・教室の選び方についてくわしく知りたい方は、こちらの解説ページもあわせてご覧ください。

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子どものプログラミング教育で気をつけたいポイントとデメリット

画面時間と生活リズムへの影響|ルールづくりの大切さ

プログラミング教育は魅力的な学びですが、画面時間が増えすぎると、目の疲れや睡眠への影響が心配になります。夜遅くまでタブレットを触っていて、翌朝なかなか起きられない…という状況は避けたいですよね。

そのためにも、「1回あたりは10〜20分を目安にする」「寝る前1時間は画面を使わない」といった、ご家庭のルールづくりが大切です。大人の都合だけで決めるのではなく、お子さんと一緒に話し合って決めると、納得感も高まりやすくなります。

プログラミング教育は、たくさんの時間をかければかけるほど効果が出る、というわけではありません。集中して取り組める短い時間を、生活のリズムに合わせて積み重ねていくことが、結果的には大きな力につながります。

「やらされている」と感じさせないための関わり方

「将来のためになるから」と、親御さんの期待が大きくなりすぎると、お子さんが「やらされている」と感じてしまうことがあります。そうなると、本来は楽しいはずのプログラミング教育が、ただの「義務」「宿題」のように感じられてしまうかもしれません。

大切なのは、「楽しさ」と「挑戦」のバランスです。簡単すぎて退屈でも、難しすぎてつらくても、続けるのは難しくなります。「今日はここまでできたね」「次はここまでやってみようか」と、少し先の目標を一緒に決めながら進めていくと、お子さんの育ちを支える関わりになります。

また、「テストの点数」や「正解の数」だけを見るのではなく、「どんなふうに工夫していたか」「どこであきらめずにがんばったか」にも目を向けてみましょう。プログラミング教育を通して育ってほしいのは、まさにそのような姿だからです。

費用・情報の多さに振り回されないコツ

プログラミング教材や教室は種類も価格も幅広く、「どれが本当に良いのか分からない」という悩みもよく耳にします。中には高額なコースもあり、「これを選ばないと、子どもの将来に不利になるのでは」と不安になる親御さんもいるかもしれません。

ここでのポイントは、「いきなり大きな投資をしない」ということです。まずは無料の教材や体験、低価格の本やワークから始めて、お子さんの興味や相性を見取る。そのうえで、「もう少し続けてみたいか」「家庭の予算に無理はないか」を考えながら、一歩ずつ選んでいければ十分です。

情報の多さに圧倒されたときは、「わが家の大事にしたいことは何か?」を一度紙に書き出してみるのもおすすめです。たとえば、「楽しさを一番にしたい」「将来の仕事とのつながりも意識したい」「できるだけ家計に負担をかけたくない」など。軸がはっきりすると、選択肢をしぼりやすくなります。

よくある質問Q&A|子どものプログラミング教育のギモンに答えます

Q:何歳から始めればいい?早く始めないと不利になる?

「まわりより遅れたらどうしよう」と心配になるお気持ちは、とても自然なものです。ただ、プログラミング教育に関しては、「この年齢までに始めないともう手遅れ」ということはありません。

幼児期から少しずつプログラミング的思考に触れることは良いことですが、それはあくまで「考え方の土台づくり」です。小学校から本格的に取り組んでも、興味と環境が整っていれば、十分に力を伸ばしていけます。

大切なのは年齢よりも、「お子さん自身がどれくらい興味を示しているか」「ご家庭の生活リズムの中で無理なく続けられるか」です。焦りすぎず、お子さんのペースを尊重しながら、育ちを支える関わりを心がけていきたいですね。

Q:親がプログラミングに苦手意識があってもサポートできる?

「自分はコンピューターが苦手だから、子どもに教えられない」と感じる親御さんは少なくありません。しかし、プログラミング教育でご両親に求められているのは、「先生として教えること」ではなく、「一緒に考えるパートナー」でいることです。

分からないところがあっても、「ここ、どういう意味なんだろうね?一緒に調べてみようか」と言えることが、とても大切な関わりになります。親が完璧である必要はありません。むしろ、「大人でも分からないことを調べながら学ぶ」という姿を見せることで、お子さんも「分からなくていいんだ。調べればいいんだ」と前向きにとらえやすくなります。

Q:女の子にも必要?男の子だけのイメージが強くて心配です

プログラミング教育は、男の子だけのものではありません。女の子にとっても、「筋道立てて考える力」「自分の考えを表現する力」は、将来どんな道に進んでも大切な土台になります。

実際に、プログラミングを使ってデザインや物語づくりをしたり、キャラクターの世界観を考えたりする活動は、多くの女の子にも人気です。興味の入り口が「ゲーム」だけである必要はありません。「お話を作るのが好き」「絵を描くのが好き」といったお子さんの姿を見取りながら、その子に合ったテーマを選んでいくとよいでしょう。

Q:学校の授業だけでも大丈夫?家庭でも何かしたほうがいい?

学校の授業は、プログラミング教育の大切な入口です。授業を通して、「プログラミング教育とは何か」「どんな考え方が大事なのか」に触れられること自体に大きな意味があります。

一方で、家庭での声かけや小さな体験が加わることで、その学びはより深く、お子さん自身のものになっていきます。たとえば、「学校でどんなことをやったの?」「どうしてそういうふうに考えたの?」と聞いてみるだけでも、頭の中の整理を助けることができます。

「たくさん特別なことをしなければならない」と考える必要はありません。日常の中で、お子さんの姿を見取り、考えているプロセスに耳を傾けてあげること。それが、プログラミング教育の効果を支える大きな力になります。

まとめ:今日から無理なく始められる「これから試してみたい工夫」

ここまで、「なぜ今、子どもにプログラミング教育が必要なのか」「授業必修化の背景」「将来の仕事とのつながり」「家庭でできる関わり方」について見てきました。難しそうに感じていたプログラミング教育も、少し身近に感じられてきたのではないでしょうか。

これから試してみたい工夫としては、次のような小さな一歩がおすすめです。
・朝の支度やお手伝いを、「順番を考えるミッション」として親子でカードにしてみる
・ゲームや動画のあとに、「どこがおもしろかった?」「自分ならどうする?」と一つだけ質問してみる
・学校で習った内容について、「どうしてそうしたのか」をお子さんに教えてもらう時間をつくる

こうした小さな積み重ねが、「自分で考え、試し、また考える」力を育てていきます。ご両親が、完璧な知識を持っている必要はありません。お子さんの姿を見取りながら、一緒に「なぜ?」を楽しむ気持ちが何よりの土台になります。

そして、「もっと本格的に学びたそうだな」と感じたときには、小学生向けのプログラミング教材や教室について、少しずつ情報を広げてみてください。将来どんな仕事を選ぶとしても、「考える力」はお子さんの一生の味方になります。わが家のペースで、できるところから一歩ずつ進んでいきましょう。

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ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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