
小学生のプログラミング学習が大事、と耳にすることが増えてきました。けれど、お父さん・お母さんの本音としては「まずは無料で様子を見たい」「有料の教室にいきなり通わせるのは不安」という気持ちもありますよね。お子さんの興味や向き・不向きも分からないうちにお金だけかかってしまわないか、心配になるのは自然なことです。
さらに、「そもそもどの無料プログラミング教材を選べばいいの?」「安全面は大丈夫?日本語対応しているの?」など、調べれば調べるほど迷ってしまう親御さんも多いと思います。
この記事では、幼児教育の知見をもとに、小学生におすすめの無料プログラミング教材を6つ厳選しながら、家庭で安心して学べる入門ガイドとしてまとめていきます。単なる教材紹介ではなく、
・なぜ無料プログラミング教材から始めるのがおすすめなのか
・どのようなポイントで選ぶと、お子さんの育ちを支えやすいのか
・ご家庭でどんな声かけや見守り方をすると良いのか
といった視点も大切にして解説していきます。まずは、「無料だからこそできる、ゆるやかな第一歩」から一緒に整理していきましょう。
小学生に無料プログラミング教材がおすすめな理由
無料だからこそ「試しやすく・やめやすい」安心感
習い事を始めるとき、多くのご両親が気にされるのが「費用」と「続くかどうか」です。プログラミング教室の場合、入会金や月謝、教材費など、決して小さくない金額になることもあります。兄弟姉妹がいるご家庭なら、なおさら慎重になりますよね。
その点、小学生におすすめの無料プログラミング教材なら、まずはお金の心配を少し横に置いて、「この子は楽しめそうかな?」というお子さんの姿を見取ることができます。合わなければ、いったんやめても構いませんし、別の教材に気軽に乗り換えることもできます。
始めるハードルも、やめるハードルも低いことは、実はご両親にとっても大きな安心材料です。「せっかくお金を払ったのだから続けないと…」というプレッシャーが少ないほうが、お子さんのペースに合わせて学びを調整しやすくなります。
家庭で「学びの入り口」をつくりやすい
無料プログラミング教材の多くは、ブラウザやアプリで動くものが中心です。家庭にあるパソコンやタブレットがあれば始められるものも多く、「特別な準備をしなくても、今日から少しずつ触ってみる」ことができます。
ご両親も同じ画面を一緒に覗き込みながら、「今なにをしているの?」「どんなふうに動かしたいの?」と問いかけることで、お子さんの考える姿や試行錯誤する姿を間近に見取ることができます。これは、送迎が必要な習い事では得られにくい、家庭学習ならではの良さです。
また、家庭での取り組みは時間の調整がしやすく、短い時間から試せます。平日の夕方に15分だけ、休日に30分だけ、といったように、ご家庭のリズムに合わせて取り入れやすいのも魅力です。
幼児教育の知見をもとに見た“無料教材”の役割
幼児教育の知見をもとにすると、学びの最初の一歩では「成果」よりも「おもしろさ」や「やってみたい気持ち」の育ちを支えることがとても大切だと考えられています。小学生のプログラミング学習も同じで、最初から難しい内容に取り組むより、「楽しい」「もっとやってみたい」と感じられる経験が何度も積み重なることが、長い目で見た学びの土台になります。
無料プログラミング教材は、その「最初の一歩」をつくるのにぴったりの存在です。お子さんは遊びの延長のような感覚で画面を触りながら、いつのまにか
・順番に考える力
・試してみて、うまくいかなかったら直してみる力
・「次はこうしてみようかな」と見通しを持つ力
などを育んでいきます。ご両親がその姿をあたたかく見守り、「さっきよりうまくいったね」「自分で工夫できたね」と声をかけてあげることで、お子さんの自己肯定感も少しずつ育っていきます。
有料の教室に通うかどうかを決める前に、無料教材を通じて「この子にとってプログラミングはどんな楽しみ方が合いそうか」を知ることは、その後の選択をぐっと楽にしてくれます。
無料プログラミング教材を選ぶ前に知っておきたいポイント
お子さんの興味タイプを見取る
同じ無料プログラミング教材でも、お子さんの興味や性格によって、合う・合わないが大きく変わってきます。まずは、日頃のお子さんの遊び方から、「興味タイプ」を見取ってみましょう。
・ゲームで遊ぶのが大好きで、勝負ごとも楽しめるタイプ
・レゴやブロック、工作など、手を動かしてものを作るのが好きなタイプ
・絵を描いたり、物語を考えたり、表現するのが好きなタイプ
ゲーム好きなお子さんには、キャラクターを動かして自分だけのゲームを作れる教材がぴったりです。ものづくりが好きなお子さんには、ロボットやブロックと組み合わせた教材が向いています。表現やお絵かきが好きなお子さんには、描いた絵がそのまま動き出すようなツールが合いやすいでしょう。
「小学生におすすめの無料プログラミング教材6選」といっても、正解は一つではありません。お子さんの普段の遊びの様子を丁寧に見取りながら、「この子はどんな入り口なら楽しめそうかな?」と考えて選んでいくことが大切です。
安全性と環境(端末・ネット)のチェック
無料プログラミング教材と聞くと、「本当に安全なのかな?」「変な広告が出てこないかな?」と不安になる親御さんもいらっしゃると思います。お子さんが使うものだからこそ、事前のチェックが大切です。
見るポイントは、たとえば次のようなところです。
公式の教育機関や企業が提供しているか
対象年齢が明記されているか
日本語表示に対応しているか
会員登録やメールアドレスが必須かどうか
動画広告やポップアップが多くないか
最初は、お父さん・お母さんが教材のトップページや利用案内にざっと目を通し、「これは小学生でも安心して使えそうかな?」と感じられるかどうかを確認してみてください。
また、端末やネット環境も大切です。
古いパソコンだと動作が重くなったり、タブレットでは一部の機能が使えなかったりするケースもあります。教材の推奨環境を確認しつつ、「最初は短時間から試してみて、問題がなさそうなら時間を伸ばす」といった段階的な始め方がおすすめです。
親がどれくらい関わるか、事前にイメージしておく
無料プログラミング教材は、お子さんだけで使えるものもあれば、大人の手助けがあるとスムーズなものもあります。事前に、
最初のログインや設定は、親が一緒にやる
最初の数回は、そばで画面を見ながら声をかける
操作に慣れてきたら、少し離れて見守る
といったイメージを持っておくと、ご両親の負担感も軽くなります。
ご両親がプログラミングにくわしくなくても大丈夫です。大切なのは、難しいところを全部教えることではなく、
どこまでできたか、一緒に振り返る
「ここまで自分で考えたんだね」と努力を言葉にする
うまくいかなかったときも、「じゃあ次どうしようか」と一緒に考える
という関わりです。
幼児教育の知見をもとにすると、「そばで見守ってくれる大人がいる」「失敗しても責められない」と感じられることが、子どもの挑戦する気持ちを育ちを支える土台になります。
小学生におすすめの無料プログラミング教材6選
ここからは、小学生におすすめの無料プログラミング教材を6つご紹介します。それぞれ特徴や向いているお子さんのタイプが違うので、「うちの子にはどれが合いそうかな?」とイメージしながら読んでみてください。
1. Scratch(スクラッチ)|定番の子ども向けプログラミング教材
Scratch(スクラッチ)は、世界中の子どもたちに使われている代表的な無料プログラミング教材です。カラフルなブロックを組み合わせて、ネコのキャラクターなどを動かしたり、音を出したりしながら、プログラムを作っていきます。
特徴
ブラウザ上で動き、日本語にも対応している
「動き」「見た目」「音」などのブロックを組み合わせるだけで、ゲームやアニメーションがつくれる
作品をオンライン上で共有できるコミュニティがあり、世界中の子どもたちの作品を見て学べる
コードを文字で書かなくても、「積み木を積むように」ブロックをつなぐだけなので、小学生でも直感的に扱えます。
どんなお子さんに向いている?
ゲームやアニメが大好きなお子さん
自分だけのキャラクターや物語を作るのが好きなお子さん
「こうしたらどう動くかな?」と試すのが好きなお子さん
物語づくりや表現が好きなお子さんにとって、Scratchは「自分の世界を形にできる場所」になります。ご両親は、お子さんの作品を見ながら「この場面はどうやって考えたの?」「ここが変わるのがおもしろいね」と声をかけてあげることで、お子さんの表現の育ちを支えることができます。
始め方のイメージ
公式サイトにアクセスし、日本語表示に切り替えれば、すぐに体験を始めることができます。アカウントを作らなくても試すことはできますが、作品を保存したいときは、親御さんの管理のもとでアカウント登録を行うとよいでしょう。
2. Hour of Code(アワー・オブ・コード)|1時間からの体験教材
Hour of Code(アワー・オブ・コード)は、「1時間でプログラミングの楽しさを体験しよう」というコンセプトで作られた教材群です。世界中の学校や家庭で利用されており、短時間で完結するコースがたくさん用意されています。
特徴
1つのコースが短時間で終わるので、「お試し」にちょうどいい
有名なキャラクターやストーリーを使った教材も多く、入りやすい
日本語対応の教材もあり、画面の指示に従って進められる
「1時間で終わる」という区切りがあることで、お子さんも達成感を味わいやすく、「もう一つやってみようかな」という意欲につながります。
どんなお子さんに向いている?
いろいろな教材を少しずつ試してみたいお子さん
長時間の集中はまだ難しいけれど、短いチャレンジなら楽しめそうなお子さん
まずは“プログラミングってどんな感じ?”を知りたいご家庭
ご両親にとっても、「今日はこのコースを一つだけやろうね」と時間を決めやすいため、画面時間のコントロールがしやすい点も安心材料です。
始め方のイメージ
Hour of Codeのサイトにアクセスし、日本語対応のアクティビティを選べば、そのままブラウザで学習を開始できます。最初は親御さんが一緒に内容を眺めながら、「どのコースがおもしろそう?」とお子さんに選んでもらうのも楽しい時間になります。
公式サイト:Hour of Code
3. マインクラフト教育版 無料体験|マイクラ好きな子にぴったり
マインクラフト教育版は、子どもたちに人気のゲーム「マインクラフト」をもとにした教育向けバージョンです。ブロックで世界を作る楽しさに、プログラミング的思考や協働学習の要素が加わっています。
特徴
おなじみのマイクラの世界観の中で、問題解決や探究活動ができる
特定の期間や条件で、無料体験版が提供されることがある
プログラミング要素(コードビルダー)を使うと、キャラクターの動きを自動化したりできる
マインクラフトが好きなお子さんにとっては、「いつものゲームの延長線上で学べる」感覚があり、抵抗なく入りやすいのが魅力です。
どんなお子さんに向いている?
マイクラが大好きで、友だちともよく話題にしているお子さん
ブロックで世界を作ったり、建物をデザインしたりするのが好きなお子さん
冒険や探検のストーリーが好きなお子さん
ご両親から見ると「ただのゲーム」にも見えがちですが、課題に沿って取り組める教育版であれば、「どうやってクリアしよう?」と考える姿や、仲間と協力する姿をたくさん見取ることができます。
始め方のイメージ
マインクラフト教育版の公式サイトや案内ページから、無料体験の情報を確認します。利用にはアカウントや対応端末が必要になることが多いため、お父さん・お母さんが事前に条件をチェックし、「うちの環境でも使えそうかな」と見ておくと安心です。
4. Viscuit(ビスケット)|絵を描くだけで動き出すやさしい入門
Viscuit(ビスケット)は、日本で生まれた子ども向けプログラミング教材です。いちばんの特徴は、「文字」ではなく「絵」が中心だということ。お子さんが自分で描いた絵を、そのまま動かしてあそぶことができます。
特徴
画面に絵を描き、「めがね」と呼ばれる仕組みを使って動きをつける
文字や難しい説明が少なく、低学年のお子さんでも直感的にさわれる
スマートフォンやタブレットからもアクセスしやすい
プログラムというと、どうしても「英語や数字がたくさん出てくる難しいもの」というイメージを持ちがちですが、ビスケットはそのイメージをやわらげてくれます。お絵かきの延長として楽しみながら、「もしこうなったら、こう動く」という考え方に自然と触れることができます。
どんなお子さんに向いている?
絵を描いたり、キャラクターを作ったりするのが好きなお子さん
文字よりも、視覚的なイメージのほうが理解しやすいお子さん
はじめてのプログラミングで、なるべくハードルを下げてあげたいご家庭
ご両親は、お子さんが描いた絵が実際に動いたときの表情をよく見取ってみてください。「こう動かしたかったんだね」「ここはどんなふうに変えたい?」と問いかけることで、お子さんのイメージと言葉をつなげていくことができます。
始め方のイメージ
ビスケットの公式サイトにアクセスすると、ブラウザ上ですぐに試せるページが用意されています。最初はシンプルな例から触れてみて、「このめがねを使うと、こう動くんだね」と親子で一緒に画面を見ながら覚えていくと安心です。
公式サイト:Viscuit
5. Blockly Games(ブロックリーゲームズ)|パズル感覚で論理力アップ
Blockly Games(ブロックリーゲームズ)は、パズルゲームのように遊びながら、プログラミングの考え方を学べる無料教材です。画面上のキャラクターを動かしたり、迷路を解いたりしながら、論理的に順番を考える力を養います。
特徴
ブロックを組み合わせるスタイルで、文字のコードを書かなくてもOK
ステージごとに難易度が上がり、少しずつ論理的思考を鍛えられる
「パズル」「迷路」「鳥を目的地に導く」など、さまざまなミニゲームが用意されている
最初は簡単でも、段階が進むごとに考える要素が増えていきます。「最短の道順を考える」「同じ動きをまとめて繰り返す」など、算数や理科にもつながるような思考の土台をつくるのにぴったりです。
どんなお子さんに向いている?
パズルやなぞなぞ、クイズが好きなお子さん
勝負ごとや“クリアすること”にやりがいを感じるお子さん
ストーリーよりも、「問題を解くこと」そのものを楽しめるタイプのお子さん
ご両親は、「どうしてその順番にしたの?」「ほかのやり方もあるかな?」と聞いてみることで、お子さんが頭の中でどのように考えているのかをていねいに見取ることができます。
始め方のイメージ
Blockly Gamesのサイトにアクセスし、遊びたいゲームを選ぶだけでスタートできます。最初は難しそうに見えても、ゲーム内の案内を読みながら一つひとつ進めていけば大丈夫です。必要に応じて、お父さん・お母さんが一緒に指示文を読んであげると、低学年のお子さんでも取り組みやすくなります。
公式サイト:Blockly Games
6. N予備校 プログラミング入門(無料公開)|少し本格的に学びたい子に
N予備校は、オンライン学習サービスのひとつで、その中に「プログラミング入門」の無料公開講座があります。動画とテキストを使って、少し体系的に学べるのが特徴です。
特徴
解説動画とテキストで、基礎から段階的に学べる
自宅のパソコンから、いつでもアクセスしやすい
一部が無料公開されているため、「本格的な授業の雰囲気」を体験できる
ビジュアル型の教材で遊ぶ段階を少し超えて、「もう少しまじめにプログラミングを勉強してみたい」というお子さんにとって、良いステップアップになります。
どんなお子さんに向いている?
すでにScratchなどで遊んだ経験があり、もっと深く学びたいお子さん
動画授業のスタイルに抵抗がなく、説明を聞きながら進めるのが得意なお子さん
将来の仕事や本格的なプログラミングに少し興味を持ちはじめた高学年のお子さん
ご両親は、学習内容が一段階レベルアップすることを意識しながら、「難しすぎていないかな」「表情はどうかな」と、お子さんの様子を丁寧に見取り、必要であればペースを調整してあげると安心です。
始め方のイメージ
N予備校のサイトにアクセスし、会員登録を行ったうえで、無料公開されているプログラミング入門講座を選択します。最初の数回は、動画の長さや内容の難易度を一緒に確認し、無理のない時間設定で取り組めるようにしていきましょう。
無料教材から次のステップへ進むときの考え方
家庭での学びで見取れるお子さんの姿
無料プログラミング教材に少しずつ取り組んでいくと、お子さんの中にさまざまな姿が見えてきます。
どの教材にいちばん長く取り組むのか
どんな場面でくやしそうな顔をするのか
うまくいったときに、どんなふうに喜びを表現するのか
自分から「もう一回やってみたい」と言うのはどの教材なのか
こうした姿は、「どの教材が合っているか」だけでなく、「この子はどんな学び方を好むのか」を知るヒントにもなります。ご両親が、その一つひとつの姿をていねいに見取りながら、「この子にとって心地よい学びのペースはどのくらいかな?」と考えていくことが、育ちを支える大切な関わりになります。
「もっとやってみたい」が出てきたら考えたいこと
無料教材での学びが進んでいくと、次のような様子が見えてくることがあります。
自分でゲームや物語を一から作ってみたくなる
ほかの子の作品を見て、「自分もこんなのを作りたい」と言い出す
同じ教材をくり返しやるだけでは物足りなさを感じ始める
こうした「もっとやってみたい」という気持ちは、次のステップを考えるサインでもあります。お子さんの好奇心が広がっているタイミングで、「もう少しじっくり学べる場」や「先生や仲間と一緒に学べる場」を検討してみるのも一つの方法です。
教室で学ぶメリットをやさしく整理
小学生向けのプログラミング教室には、無料教材とはまた違った良さがあります。
専門の先生が、お子さんのペースに合わせて教えてくれる
同じ興味を持つ仲間と一緒に学ぶことで、刺激を受けやすい
カリキュラムにそって段階的にレベルアップしやすい
発表会やコンテストなど、人前で発表する機会が用意されていることもある
家庭での無料学習を通して、ある程度「好き」「得意」の方向性が見えてきたら、こうした教室の情報をまとめて知ることができるページも、参考になるかもしれません。いくつかの教室を比較して、お子さんに合いそうな体験レッスンを見つけることで、学びの世界がさらに広がっていきます。
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無料プログラミング教材を使うときの注意点とデメリット
画面時間が増えすぎないように気をつける
無料プログラミング教材は、楽しく取り組める一方で、夢中になりすぎて画面時間が長くなってしまう心配もあります。集中している姿は素敵ですが、目や体の疲れ、生活リズムへの影響も気になりますよね。
そのため、ご家族であらかじめ
1日に使う時間の目安(例:平日は30分まで、休日は1時間まで)
使う前と後の流れ(宿題→プログラミング→夕食など)
画面から適度に離れる休憩時間
などのルールを話し合っておくと安心です。ご両親が「時間になったからもうやめて!」と一方的に止めるのではなく、「今日はここまでにしようね」「続きは明日のお楽しみにしようか」と、次につながる声かけを意識できると、お子さんの気持ちも切り替えやすくなります。
「無料だから適当でいい」にならないように
無料だからといって、なんとなく使いっぱなしにしてしまうと、お子さんは「ただのゲーム」としか受け取らない場合もあります。とはいえ、難しいことを教え込む必要はありません。
大事なのは、
「今日はどんなことができるようになったかな?」と一緒に振り返る
「ここを自分で工夫したんだね」と、努力した部分を言葉にする
できなかったところも、「次はどうしてみようか」と一緒に考える
といった、小さな関わりの積み重ねです。こうした声かけによって、お子さんは「遊んで終わり」ではなく、「考えてみる時間だった」と感じられるようになります。
親が教えすぎて疲れてしまわないために
ご両親のなかには、「教えてあげないと」「全部わかっていないと」と頑張りすぎてしまう方もいます。プログラミングを完璧に理解して教えることは、決して必要ではありません。
むしろ、
お子さんが自分で試す時間を尊重する
困ったときに一緒に考える「相談役」になる
難しいところは、「ここは少し難しいね」と共感しながら、ゆっくり進める
といった関わりのほうが、お子さんの自信や主体性を育ちを支えることにつながります。理解できない部分があれば、「ここは一緒に調べてみようか」と、親子で調べものをする経験にしてしまうのも良い方法です。
よくある質問(Q&A)
Q1. どの教材から始めればいいのか迷います
A. 正解は一つではありませんが、まずは見た目のとっつきやすさで選んでみてください。
ゲームが好きなら:ScratchやHour of Code
お絵かきが好きなら:Viscuit
パズルが好きなら:Blockly Games
といったように、お子さんの普段の遊びをヒントに決めると、最初の一歩がスムーズになります。「ひとつに決めてずっと続けなければならない」と考えず、「いくつかを少しずつ試して、お子さんと一緒にお気に入りを見つける」くらいの気持ちで大丈夫です。
Q2. 低学年でも無料プログラミング教材は使えますか?
A. 低学年でも、選び方と関わり方を工夫すれば十分可能です。
文字が少なく、直感的に操作しやすいViscuitや、一緒に画面を見ながら取り組みやすいScratchの簡単な作品づくりなどから始めると安心です。最初は必ず大人がそばにいて、
操作の補助をする
画面の指示を代わりに読んであげる
短時間で区切りをつける
といったサポートをしてあげると、無理なくスタートできます。
Q3. 親がITにくわしくなくても大丈夫でしょうか?
A. 大丈夫です。
お子さんの学びにとって大事なのは、「専門家として教える」ことよりも、「そばで応援してくれる大人がいる」ことです。幼児教育の知見をもとにすると、
お子さんが試行錯誤する姿を見守る
できたところや、工夫したところを言葉にして認める
うまくいかないときに、「どうしたらいいかな?」と一緒に考える
といった関わりが、安心してチャレンジする気持ちを育てるとされています。わからないことは、お子さんと一緒に調べながら進めていけば十分です。
Q4. 無料教材だけでずっと続けてもいいですか?
A. 無料教材だけでも、考える力やプログラミング的思考を育てるうえで大きな意味があります。
ただし、
もっと難しいことに挑戦したくなっている
仲間と一緒に学ぶ経験もさせてみたい
将来につながる学び方も視野に入れたい
と感じるようになってきたら、教室や有料サービスを検討してみるのも一つのタイミングです。その際には、いきなり決めるのではなく、無料体験や説明会を活用しながら、お子さんに合う場所を選んでいくとよいでしょう。
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まとめ ー これから試してみたい工夫
ここまで、小学生におすすめの無料プログラミング教材6選を中心に、
無料プログラミング教材がおすすめな理由
家庭で始める前に知っておきたいポイント
各教材の特徴と、お子さんに合うタイプ
無料教材から次のステップへ進むときの考え方
利用するときの注意点と、よくある質問
を整理してきました。
小学生のプログラミング学習は、「将来のためにやらなければならないこと」と構える必要はありません。むしろ、「おもしろそう」「もっとやってみたい」という気持ちを、日々の生活の中で少しずつ育ちを支えることが大切です。
これから試してみたい工夫として、たとえば次のようなステップがあります。
まずは、お子さんの普段の遊び方や興味の方向を、あらためて観察してみる
この記事で紹介した6つの無料プログラミング教材の中から、2〜3個を候補として選んでみる
週末や放課後に、短い時間から一緒に試してみて、お子さんの表情や言葉をよく見取る
「もっとやってみたい」という様子が見えてきたら、教室などの情報も参考にしながら、次の学び方を検討してみる
ご両親が、「この子のペースで、無理なく楽しく続けられる形はどんなだろう?」と考え続けていくこと自体が、お子さんの学びの土台を豊かにしてくれます。
無料の教材をきっかけに、お子さんの新しい一面や興味の芽に気づけたら、とても素敵なことですね。まずは、小さな一歩から、ご家庭に合った形でプログラミングの世界に触れる時間をつくっていただけたらと思います。



