
テストの点数や偏差値だけでは、お子さんの良さが測りきれない。
そう感じたことはありませんか?
最近よく耳にする「非認知能力」という言葉。粘り強さや協調性、自分で考える姿勢など、テストでは数字になりにくい力のことだと言われます。でも、いざ「非認知能力を伸ばしましょう」と言われても、日々忙しい中で何をすればいいのか、ピンとこない親御さんも多いのではないでしょうか。
一方で、「プログラミング教育」が話題になり、「子どもにプログラミングをさせると将来に役立つ」「論理的思考が育つ」といった情報もたくさん入ってきます。ただ、「本当に人として大切な力、非認知能力も育つの?」「ゲームみたいなことばかりにならない?」という不安もありますよね。
幼児教育の知見をもとに見ると、プログラミングの学びは、コードを書く技術そのもの以上に、粘り強さ、自分で考える姿勢、友だちと協力する力など、多くの非認知能力と深く関わっています。とくに小学生の時期は、「うまくいかないこと」と向き合いながら、何度も試してみる経験が、じわじわと心の土台を育てていく大切な時期です。
この記事では、プログラミングで身につく非認知能力とは何かを、専門用語をかみ砕きながら丁寧に整理していきます。あわせて、実際にどんなお子さんの姿を見取ればよいのか、家庭でどのような声かけや環境づくりを意識すれば育ちを支えられるのかを、具体例を交えて紹介します。
読み進めていただくことで、
「非認知能力って結局こういうことなんだ」
「プログラミングのどんな場面で育っているのか」
「わが家ではまず、ここから始めてみよう」
と、具体的なイメージが持てるようになるはずです。
ご両親が理系か文系かは関係ありません。大切なのは、プログラミングに取り組むお子さんの姿をよく見て、「こんな力が育ってきているな」と気づき、そっと背中を押してあげることです。そのための視点を、一緒に確認していきましょう。
非認知能力って何?なぜ今注目されているのか
非認知能力の基礎知識|テストの点数には出ない力とは
まず、「非認知能力」という言葉の意味を整理しておきましょう。
非認知能力とは、テストの点数や偏差値のように数値で測ることが難しいけれど、人生を生きていくうえでとても大切な力の総称です。たとえば、次のようなものが含まれます。
粘り強さ(すぐにあきらめずに取り組む力)
協調性(人と協力しながら物事を進める力)
自分で考える姿勢(指示待ちではなく、自分から工夫しようとする姿勢)
自己肯定感(「自分はやればできる」と感じられる感覚)
感情のコントロール(イライラしたときに気持ちを切り替える力)
一方、認知能力は、テストで測られるような「言葉の力」「計算する力」「記憶する力」などです。もちろん、どちらか片方だけが大事ということではなく、認知能力と非認知能力はお互いに支え合う関係にあります。
イメージとしては、「認知能力が知識やスキルの部分だとすれば、非認知能力はそれをどう活かすかを支える土台」という感じです。同じ知識を持っていても、粘り強く取り組める子、自分で工夫できる子、周りと協力できる子は、結果的に大きく伸びていきます。そのため、近年の教育では、プログラミングを含め、「非認知能力をどう育てるか」が大きなテーマになっているのです。
日常生活で見られる非認知能力の具体例
非認知能力というと少し難しく聞こえますが、実は日常のあちこちにその姿が表れています。たとえば、こんな場面を思い浮かべてみてください。
積み木やブロックがうまく積み上がらなくても、何度もやり直している姿
友だちと意見がぶつかりながらも、話し合いを続けて遊びのルールを決めている姿
間違いを指摘されても、ふてくされずに「次はこうしてみる」と言える姿
緊張しながらも、クラスの前で自分の考えを発表しようとする姿
これらはすべて、非認知能力が育ちつつあるサインです。
ご両親が意識したいのは、「結果だけで評価しない」ということです。テストの点数や、作品の出来ばかりを見るのではなく、そこに至るまでの過程の中で、お子さんがどんな気持ちの動きや工夫をしているのか、その姿を見取ることが大切になります。
たとえば、「今日のテストは何点だった?」と聞く代わりに、
「どこをがんばったと思う?」
「一番むずかしかったところはどこだった?」
と聞いてみると、非認知能力の育ちを支える会話につながりやすくなります。
プログラミング学習でも同じです。完成したゲームやアニメーションの「でき栄え」だけでなく、途中でどんな試行錯誤をしていたのか、どこであきらめそうになり、どうやって乗り越えたのか。その一つひとつの姿に、非認知能力があらわれてきます。
なぜ今、非認知能力が話題になっているのか
では、なぜ今、こんなにも非認知能力が注目されているのでしょうか。
背景には、社会の変化があります。
AIやデジタル技術の発展により、単純な作業や「決められた答えに早くたどり着く力」は、コンピュータが得意な分野になりつつあります。一方で、「正解が一つではない問題に向き合う力」「未知の状況で自分なりに考え、周りと協力しながら道を探していく力」の重要性が増しています。
これからのお子さんの世代は、今は存在しない仕事に就く可能性もあります。そのとき、「このやり方が正解です」と教えてもらえるとは限りません。だからこそ、「自分で考え、試し、失敗から学び、また挑戦する」といった非認知能力が、将来の大きな支えになります。
プログラミング教育が注目されている理由も、実はここにあります。プログラミングそのものが将来の仕事につながるというだけでなく、プログラムづくりの過程で、粘り強さや協調性、自分で考える姿勢など、多くの非認知能力が自然と育まれていくからです。
小学生のプログラミング学習の場面を思い浮かべると、
「エラーが出て動かない…どうしよう?」
「ここをこう変えたら、うまくいくかもしれない!」
「友だちに相談してみよう」
といったやりとりがたくさん見られます。
ご両親が、こうした姿を意識して見取れるようになると、「プログラミング=将来の仕事のため」だけではなく、「今ここで育っている非認知能力」にも目を向けられるようになります。次の章からは、プログラミングで育ちやすい具体的な非認知能力について、もう少し詳しく見ていきましょう。
プログラミングで育つ代表的な非認知能力
粘り強さ・あきらめない心
プログラミングと聞くと、「難しそう」「途中でイヤになってしまいそう」と感じるご両親もいるかもしれません。たしかに、プログラムは一度で思い通りに動かないことが多いです。けれど、その「うまくいかない時間」こそが、粘り強さを育てる大きなチャンスになります。
たとえば、スクラッチのような教材でゲームを作っているお子さんを想像してみてください。
緑の旗を押してもキャラクターが動かない。
思った方向と逆に進んでしまう。
途中で止まってしまう……。
最初は「なんで?」「もうやだ」と言いながらも、少しずつブロックの並びを変えたり、友だちに相談してみたりします。ときには全部消してやり直すこともあるでしょう。
この「もう一回やってみようかな」と手を伸ばす瞬間に、粘り強さの芽が育っています。ご両親がそこを見逃さず、
「さっきは動かなかったけど、もう一度やってみているね」
「うまくいかなくても、ちゃんと考え直そうとしているね」
と声をかけてあげることで、お子さんは自分のがんばりに気づきやすくなります。
ここで大事なのは、「すぐに答えを教えない」ことです。もちろん、まったく助けないという意味ではありません。
「どこを変えたらよさそう?」
「さっき動いたときと、今は何が違うかな?」
といった問いかけを通して、お子さん自身が考える時間を少しだけ長くとってあげるのです。
プログラミングは、消してやり直すことが前提の世界です。だからこそ、「失敗したら終わり」ではなく、「失敗から学べる」という体験を重ねやすい学び方だと言えます。その積み重ねが、学校生活や将来の仕事でも役に立つ粘り強さへとつながっていきます。
自分で考える姿勢・問題発見力
プログラミングで育ちやすい非認知能力として、もうひとつ大切なのが「自分で考える姿勢」です。
たとえば、お子さんがオリジナルのゲームを作ろうとしているとき。
「どんなゲームにしようかな?」
「どうしたらもっとおもしろくなるかな?」
と、自分から問題やテーマを見つけていく場面がたくさんあります。
はじめのうちは、既存の作品をまねるところから始めてもかまいません。
・ジャンプゲームに、得点の仕組みを足してみる
・キャラクターを自分の好きなものに変えてみる
・ゲームオーバーの演出を工夫してみる
こうした小さな工夫を通して、「もっとこうしたい」「ここが不便だから変えたい」と、自分で課題を発見する力が育っていきます。
ご両親は、
「どうしてそうしようと思ったの?」
「ほかにどんなやり方があると思う?」
と、理由や別の可能性を聞いてみてください。答えが完璧でなくてもかまいません。「自分なりに考えている」という姿を見取り、
「ちゃんと理由を考えているんだね」
「自分で工夫しようとしているのが、すごくいいね」
と伝えることで、自分で考える姿勢を育ちを支えることができます。
プログラミングは、与えられた問題を解くだけでなく、「自分で問題をつくる」活動とも相性がよい学びです。ここで育った問題発見力は、勉強だけでなく、日常生活のちょっとした工夫や、将来の仕事でのアイデアづくりにもつながっていきます。
協調性・コミュニケーション力
「プログラミング」と聞くと、一人で黙々とパソコンに向かうイメージを持つかもしれません。ですが、実際の学びの場では、「協力して一つのものを作る」活動もたくさんあります。
たとえば、
・二人で役割分担をしてゲームを作る
・一人がストーリーを考え、もう一人がプログラムを組む
・班で一つの大きな作品(街や迷路など)を作る
といった活動です。
このとき、お子さんは自然と、
「ここはぼくがやるね」
「そっちはお願いしてもいい?」
「こうしたほうがいいと思うけど、どうかな?」
と、相手の意見を聞いたり、自分の意見を伝えたりします。
もちろん、意見がぶつかってけんかになることもあります。でも、その中で、
「じゃあ、今回はこっちの案でやってみて、次は別の案にしよう」
「この部分だけ変えてみたらどう?」
と、折り合いをつけていく経験が、協調性を育てていきます。
ご両親がこうした場面の話を聞くときは、
「けんかしなかった?」だけではなく、
「どうやって決めたの?」
「どんなふうに役割分担したの?」
と、話し合いのプロセスに耳を傾けてみてください。
そこで見えてくる、「人の意見を聞いてみようとする姿」「自分の考えを言葉にしようとする姿」は、非認知能力が育っている大切なサインです。「友だちと協力して最後までやりきった」という経験は、お子さんの心の中に大きな自信として残ります。
感情コントロールと自己肯定感
プログラミングをしていると、うまくいかない瞬間が何度も訪れます。エラーが続くと、「もういやだ」「なんでできないの」と感情が揺れることもあります。
このとき、周りの大人がすぐに「そんなことで怒らないの」「がまんしなさい」と押さえ込んでしまうと、お子さんは「困っても気持ちを出してはいけない」と感じてしまうことがあります。一方で、感情そのものは自然なものです。「うまくいかなくてくやしい」「できなくて悲しい」という気持ちは、とても大切なサインです。
大切なのは、その気持ちに寄り添いながら、少しずつ「どう対処するか」を一緒に考えることです。
たとえば、
「くやしいね。ここまでがんばってきたもんね」
と気持ちを受け止めたうえで、
「ちょっとお茶を飲んでから、もう一回だけやってみる?」
「どこで困っているか、一緒に見てみようか」
と提案してみます。
こうした関わりを通して、お子さんは「気持ちを認めてもらえた」という安心感の中で、少しずつ気持ちを切り替える方法を身につけていきます。これが感情コントロールの育ちにつながっていきます。
また、小さな「できた!」の積み重ねは、自己肯定感を育てます。
・昨日はエラーばかりだったけど、今日は自分で直せた
・前は先生に聞いていたところを、今日は自分から試してみた
そんな変化に、ご両親が気づいて言葉にしてあげることが大切です。
「最初のころより、すごく自分で考えられるようになってきたね」
「あきらめずに直している姿、かっこよかったよ」
こうした言葉は、「できる・できない」という結果より、「取り組む姿」そのものを認めるメッセージです。プログラミングの時間が、お子さんにとって「成長を実感できる場」になることで、非認知能力としての自己肯定感も育ちを支える形で高まっていきます。
次の章では、こうした非認知能力が、実際のプログラミング学習のどんな場面にあらわれているのかを、より具体的に見ていきます。ご両親が「どんな姿を見取ればよいのか」をイメージしやすいように、場面ごとの例を交えながら整理していきましょう。
お子さんのプログラミング学習で見取れる具体的な姿
つまずきから立ち直る姿をどう見取るか
プログラミングに取り組むお子さんを見ていると、「もう無理!」「わからない!」という言葉が出てくることがあります。ご両親としては、ついすぐに助け舟を出したくなりますよね。
けれど、その直前には必ず小さな試行錯誤が隠れています。
・ブロックを入れ替えてみた
・似た命令に変えてみた
・一度全部消して、やり直してみた
こうした姿こそが、非認知能力の育ちが表れている瞬間です。
「さっき、自分でここまで直そうとしていたね」
「一回あきらめかけたけど、もう一度チャレンジしていたね」
と、過程を具体的に言葉にしてあげると、お子さんは「自分はがんばれている」と気づきやすくなります。結果ではなく、つまずきから立ち直ろうとする姿を見取ることが、育ちを支える大事なポイントです。
協力して一つの作品を作るときに見られる育ち
きょうだいや友だちと一緒にプログラミングをすると、「どっちが操作するか」「どんなゲームにするか」で意見がぶつかることもあります。表面だけを見ると、ただのけんかに見えるかもしれません。
しかし、よく耳を傾けると、
「じゃあ、ステージ1はわたしが作って、ステージ2はお願いね」
「キャラクターはそっちの案で、ルールはぼくの案にしよう」
というように、折り合いをつけようとする言葉が出てくることがあります。このとき育っているのが、協調性やコミュニケーション力です。
ご両親は、あとから話を聞くときに、
「どうやって役割を決めたの?」
「意見が分かれたとき、どうやって決めたの?」
と、プロセスに注目して質問してみてください。
「ちゃんと話し合って決められたんだね」
「相手の意見も聞いていたところ、すごくいいと思うよ」
と伝えることで、協力して一つのものを作り上げる経験が「うまくいった」と感じられ、非認知能力の育ちを支えることにつながります。
家庭と学校で見え方が変わる非認知能力
家では甘えん坊なお子さんでも、学校やプログラミング教室では、しっかり者の一面を見せていることがあります。逆に、学校では静かなタイプでも、家庭では自由な発想でアイデアを出していることもあるでしょう。
非認知能力は、「どこか一つの場所だけで評価できるもの」ではありません。
・家庭で見える姿
・学校や教室で先生が見ている姿
・友だちとの関わりの中で見える姿
それぞれを組み合わせて、お子さんの育ちを立体的に捉えていくことが大切です。
プログラミング教室やオンライン講座などを利用している場合は、
「どんなところをがんばっていましたか?」
「友だちとの関わりで印象的だった場面はありますか?」
と講師や先生に聞いてみると、家庭とは違う一面の話を聞けることがあります。こうして得た情報を、ご両親の目で見た姿とあわせることで、非認知能力の育ちをよりていねいに見取ることができます。
家庭でできる「非認知能力×プログラミング」の育て方
声かけ一つで変わる|結果よりプロセスをほめる工夫
家庭でできる一番のサポートは、「声かけ」です。プログラミングの結果だけでなく、そこに至るまでの道のりに光を当ててみましょう。
たとえば、作品が完成したときに、
「すごいゲームができたね!」に加えて、
「どこを一番工夫したの?」
「一番大変だったところはどこ?」
と聞いてみます。そして、返ってきた答えに対して、
「そのやり方を自分で思いついたんだね」
「大変だったのに、あきらめずに続けていたね」
と、プロセスに関する具体的な言葉をかけてあげます。これが、「がんばった自分」「工夫できた自分」に気づくきっかけになります。
このような声かけは、非認知能力の中でも、とくに自己肯定感と自分で考える姿勢の育ちを支える大事な習慣です。
家で取り入れやすいプログラミング的な遊び
「いきなりパソコンで本格的なプログラミング…」と構えなくても、家庭でできる小さなプログラミング的な遊びはたくさんあります。
たとえば、
・床に紙テープで道を作り、「前に3歩」「右に1歩」など、矢印カードでゴールまで導く遊び
・朝の支度を「①顔を洗う ②着替える ③ごはんを食べる」など、順番カードにして並べてみる遊び
・料理やお手伝いで、「最初に何をして、次に何をするか」を一緒に手順化してみる
これらは、プログラミングの基本である「順番を考える」「手順を整理する」練習になっています。画面を使わないため、目の疲れも心配せずに取り入れやすいのもメリットです。
お子さんがこうした遊びの中で見せる「こうした方が早いかも」「順番を変えたらどうかな」という姿は、非認知能力の一部である問題発見力や工夫する力が育っている証です。
失敗を責めない「安心して試せる環境」をどう作るか
非認知能力を育てるうえで欠かせないのが、「失敗しても大丈夫と思える安心感」です。プログラミングは、そもそもエラーやバグがつきもので、「失敗して当たり前」の世界です。
そこで、ご両親に意識してほしいのは、
「どうしてこんなこともできないの?」ではなく、
「どこで困っているのか、一緒に見てみようか」
というスタンスで関わることです。
たとえば、うまく動かないプログラムを前に涙目になっているお子さんに、
「ここまで自分で作ったんだね。どこからうまくいかなくなった?」
と声をかけてみます。お子さんが指さしたところから、一緒に原因を探していくことで、「困ったときでも誰かと一緒に考えていい」という感覚が育ちます。
「やり直してもいい」「間違えてもいい」という経験を重ねることで、チャレンジへのハードルが少しずつ下がっていきます。これは、プログラミングに限らず、勉強やスポーツ、友だちとの関係など、さまざまな場面で生きてくる大切な非認知能力です。
次の章では、こうした家庭での関わりに加えて、教材や教室を選ぶときにどのような視点を持てば、非認知能力の育ちも意識した学び方を選べるのかを整理していきます。ご家庭の方針やお子さんの個性に合わせた選び方のヒントを、一緒に見ていきましょう。
教材や教室を選ぶときに意識したい「非認知能力」の視点
「コードが書けるようになる」だけに偏らない選び方
小学生向けのプログラミング教材や教室を探していると、どうしても「何年生でここまでできる」「本格的な言語が学べる」といった情報に目が行きがちです。もちろん、プログラミングの基礎知識やスキルを身につけることは大切です。
でも、ここまで見てきたように、プログラミング教育には「非認知能力を育てる」という大きな側面もあります。選ぶときには、次のような視点もあわせて意識してみてください。
失敗してもやり直しやすい雰囲気があるか
子ども同士の対話や発表の時間が用意されているか
先生が「できたこと」だけでなく「がんばった過程」にも触れてくれるか
説明会や体験レッスンのときに、先生がどんな言葉をお子さんにかけているかをよく観察してみましょう。
「ここはまだだね」だけで終わるのではなく、
「ここまで自分で考えられたね」「次はどうする?」
と、育ちを支える声かけをしているかどうかが、一つの目安になります。
プログラミングで身につく非認知能力を大切にしたいご両親は、「どんなコードを書けるようになるか」と同じくらい、「どんなふうに子どもと向き合ってくれる場所か」にも目を向けてみると安心です。
教材・教室ごとの特徴をどう見比べるか
小学生向けのプログラミング教材や教室には、さまざまなタイプがあります。
ゲームづくり中心の教材
ロボットを使った教材
オンラインで動画やライブ授業を受ける学習サービス
教室に通って先生や友だちと一緒に学ぶスタイル
どれにも良さがありますが、お子さんやご家庭の状況によって、合う・合わないが変わってきます。
たとえば、
・人と一緒に何かを作るのが好きなお子さんには、教室型で協働の機会が多いスタイル
・自分のペースでコツコツ進めたいお子さんには、オンライン教材や自宅学習中心のスタイル
といったように、「性格」や「得意なスタイル」との相性も大切なポイントです。
また、
「作品を発表する場」があるか
「ふり返りの時間」があるか
「親へのフィードバック」があるか
という点も、プログラミングで身につく非認知能力を意識するうえで重要です。協調性や自己肯定感は、一人で黙々と学ぶだけでは育ちにくい部分もあります。人に見てもらい、認めてもらい、ときにはアドバイスをもらう中で広がっていきます。
説明会の資料だけでなく、体験授業の様子や、実際の子どもたちの表情にも注目してみてください。楽しそうに取り組んでいるか、困ったときに先生や友だちに相談できているか。その姿から、お子さんの育ちを支える環境かどうかが見えてきます。
無理のないステップアップの考え方
プログラミング教育というと、「早く始めないと置いていかれそう」「難しいことまでやらないと意味がないのでは」と不安になる親御さんもいます。しかし、非認知能力の観点から見ると、大事なのは「急いでレベルを上げること」ではなく、「その子に合ったペースで経験を積むこと」です。
ステップアップのイメージとしては、次のような流れが考えられます。
家庭でできる簡単なプログラミング的な遊びや無料アプリで、「考えながら試す」経験をする
ビジュアルプログラミング(ブロックを組み立てるタイプ)で、順番やくり返しの考え方に慣れる
興味が高まってきたら、ロボットやゲームづくり、オンライン講座など、少し幅の広い学び方に挑戦する
どの段階でも、「楽しそうに取り組めているか」「終わったあとに自分のがんばりを振り返れているか」を、ご両親がていねいに見取ることが大切です。
もし、途中で「ちょっと負担が大きそうだな」と感じたら、無理に続ける必要はありません。一度ペースを落としたり、別の教材に変えたりすることも、立派な選択肢です。非認知能力は、長い時間をかけて育つものです。短期間で成果を求めすぎず、「今のお子さんにとって心地よいチャレンジかどうか」を軸にしてステップアップを考えてみてください。
小学生向けプログラミング教材の情報を整理して確認するメリット
ここまで見てきたように、プログラミング教材や教室には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。ご両親だけで情報を集めて比べようとすると、「結局どれが良いのか分からない」と疲れてしまうこともあるでしょう。
そのようなときには、小学生向けのプログラミング教材やオンライン教室の特徴、選び方のポイントをまとめて整理している解説ページを活用してみるのも一つの方法です。
たとえば、
対象学年
学べる内容(ゲーム、ロボット、入試対策など)
学び方(自宅・オンライン・通学)
料金やサポート体制
といった情報が一覧になっていると、「わが家の条件」「お子さんの興味」に合うものを見つけやすくなります。
「非認知能力も意識しながらプログラミング教材を選びたい」と感じたときは、複数の教材や教室を比較しやすい解説ページを参考にしながら、ご家庭の方針と照らし合わせて検討してみてください。
小学生のプログラミング学習の内容や、教材・教室の選び方についてくわしく知りたい方は、こちらの解説ページもあわせてご覧ください。
よくある質問Q&A:プログラミングと非認知能力のギモン
Q1:何歳・何年生から始めるのがよい?遅いと不利になる?
「プログラミングは低学年から始めたほうがいい」と聞くと、焦る気持ちが出てくるかもしれません。ですが、「何年生からでないと手遅れ」ということはありません。
始める時期よりも大切なのは、
お子さんが興味を持っているか
無理のないペースで続けられそうか
という二つのポイントです。
低学年であれば、遊びに近い感覚で取り組める活動から。高学年から始める場合は、自分の作りたいものや興味にあった教材を選ぶとモチベーションが高まりやすくなります。
非認知能力は、年齢に関係なく育つ力です。大事なのは、「うちの子は今、どんな姿を見せているか」を見取り、その姿に合った一歩を選ぶことです。
Q2:ゲームっぽい学び方で、本当に非認知能力が育つの?
「ゲーム感覚で学べる」と言われると、「遊んでいるだけにならないかな」と心配になりますよね。
ポイントは、「ゲームそのもの」ではなく、「ゲームをどう使うか」です。たとえば、ゲームづくりを通して、
ルールを考える
バランスを調整する
うまく動かない部分を修正する
といったプロセスを重ねていくと、粘り強さや自分で考える姿勢が自然と育っていきます。
一方で、ただ既存のゲームで遊ぶ時間が増えるだけだと、非認知能力の育ちとは結びつきにくいこともあります。
ご両親は、
「今日はどんなところを工夫した?」
「どんなところで困って、どうやって解決した?」
という問いを投げかけながら、ゲームの時間を「考える時間」に変えていくイメージを持てると安心です。
Q3:文系の親でも、子どもの育ちを支えられる?
「自分はプログラミングが分からないから、サポートできないのでは」と心配されるお父さん、お母さんも多いです。
しかし、非認知能力の育ちを支えるうえで、ご両親に求められているのは、「専門家になること」ではなく、「一緒に考えてくれる大人でいること」です。
分からないときに、「一緒に調べてみようか」と提案する
うまくいかないときに、「どこまでできたのか教えて」と話を聞く
できたときに、「どうやってそこまでたどり着いたの?」とプロセスを聞いてみる
こうした関わりだけでも、お子さんは「自分の挑戦を見てくれる人がいる」と感じ、安心して挑戦を重ねやすくなります。文系・理系に関係なく、ご両親の存在そのものが育ちを支える土台になります。
Q4:女の子にもプログラミングは必要?向いていないのでは?
「プログラミングは男の子向け」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、プログラミングで身につく非認知能力は、男女を問わず、どの子にも大切な力です。
たとえば、
物語やキャラクターを動かすアニメーションづくり
デザインや色使いにこだわった作品づくり
友だちと一緒に世界観を考えるゲームづくり
など、表現やコミュニケーションと結びついた学び方は、女の子にとっても魅力的な入り口になります。
大切なのは、「男の子だから」「女の子だから」と決めつけるのではなく、「この子はどんなことにワクワクするか」を丁寧に見てあげることです。プログラミングという道具を通して、その子らしさが発揮される場面が、きっとたくさん見つかります。
まとめ:今日から家庭で始められる「これから試してみたい工夫」
1. 小さなプログラミング的な遊びを一つ決めてみる
いきなり本格的な教材を用意しなくても、今日からできることはあります。
矢印カードで「前に進む」「右を向く」などの指示を出して、家の中をゴールまで導く遊び
朝の支度や片づけを、親子で「手順カード」にして並べてみる
簡単なビジュアルプログラミングアプリで、キャラクターを一歩だけ動かしてみる
どれか一つ、「これならできそう」と思えるものを選んで、週に1回・10分だけ試してみましょう。大事なのは、続けやすい小さな一歩をつくることです。
2. お子さんの非認知能力のサインを意識して見取る
今日から意識してほしいのは、「結果よりも姿を見る」という視点です。
あきらめずに試していた瞬間
友だちやきょうだいと協力していた瞬間
自分から「こうしてみたい」と提案した瞬間
こうした場面に気づいたら、短い言葉でかまわないので、ぜひ伝えてあげてください。
「さっき、何度もやり直していたね」
「自分からアイデアを出していたね」
このような言葉は、お子さんの非認知能力の育ちを支える、とても大切なメッセージになります。
3. 興味が高まってきたら、次の学び方を親子で相談してみる
もし、プログラミング的な遊びや簡単な教材を続ける中で、
「もっとこういうことをやってみたい」
「大きな作品も作ってみたい」
といった言葉が出てきたら、それは次のステップを考えるサインです。
そのときには、
教材や教室の情報を一緒に眺める
体験レッスンに参加して、雰囲気を確かめる
非認知能力の視点から、「どんな育ちを期待したいか」を親子で話してみる
といったことを試してみてください。
小学生向けのプログラミング教材やオンライン教室の情報を整理して比較できる解説ページも活用しながら、「わが家らしい選び方」を一緒に探していけると安心です。
プログラミングで身につく非認知能力は、すぐに目に見えるものではないかもしれません。それでも、日々の小さな試行錯誤や対話の中で、確実に育っていきます。
ご両親が、お子さんの姿をていねいに見取り、「がんばっているね」「一緒に考えていこう」と寄り添っていくこと。それが何よりも大きな力となり、これからの学びと生き方をしっかりと支えてくれるはずです。
小学生のプログラミング学習の内容や、教材・教室の選び方についてくわしく知りたい方は、こちらの解説ページもあわせてご覧ください。
