「プログラミング教育が小学校で必修になったと聞くけれど、本当に役立つの?」と疑問に感じているパパやママは多いでしょう。実際にプログラミングを学ぶとき、注目されているのは「非認知能力」という力です。
非認知能力とは、テストの点数や偏差値のように数値化しにくいけれど、社会で生きていくうえで大きな影響を与える力のこと。例えば「粘り強さ」「協調性」「自分で考える姿勢」などが代表的です。
この記事では、プログラミングを通してお子さんにどんな非認知能力が育つのか、具体的な事例や家庭でのサポート方法を交えながら解説します。
非認知能力とは?なぜ注目されているのか
認知能力との違い
「認知能力」は、読み書きや計算、テストの点数で測れる学力を指します。これに対して「非認知能力」は、数値では測りにくいけれど人生を豊かにする力のことです。
具体的には以下のような力が含まれます。
粘り強さ
協調性
自制心
創造力
やり抜く力
幼児教育や小学校教育で重視されるようになったのは、社会で必要とされるのは知識だけでなく「どう活かすか」という力だからです。
将来の社会で必要とされる力
AIやロボットが発達するこれからの時代、ただ知識を持っているだけでは不十分です。自ら考え、他者と協力し、試行錯誤できる力が求められています。非認知能力は、その土台となる力なのです。
プログラミングで育つ非認知能力の具体例
粘り強さ ― エラーと向き合う経験
プログラミングでは必ず「エラー」が出ます。思った通りに動かないときに「なんでだろう?」と考え直す過程こそが粘り強さを育てます。
ある小学生の男の子は、Scratchでゲームを作っている途中に「キャラクターが動かない!」と困っていました。すぐに諦めずに何度もブロックを組み直し、最終的に思い通りに動いたときの喜びは格別でした。この体験は「失敗しても挑戦を続ければ解決できる」という自信につながります。
協調性 ― 一緒に作る喜び
プログラミングは一人で行うものと思われがちですが、教室や学校ではグループで取り組むことも多いです。役割分担をしながら一つの作品を作り上げることで、自然と協調性が育まれます。
例えば「音楽に合わせてキャラクターが踊る作品」を作るとき、ある子は動きを担当し、別の子は音楽を探す担当に。自分の役割を果たしながら友達と協力する経験は、将来の社会生活に直結します。
自分で考える姿勢 ― 試行錯誤を楽しむ
「こうしたらどう動くかな?」と仮説を立てて試すのがプログラミングの基本です。答えが一つではないため、お子さんは自然と「自分で考える姿勢」を身につけます。
あるママから聞いた話では、娘さんが自作の迷路ゲームを作ったとき、ゴールまで行けないバグが発生。「ママ、どうすればいい?」と聞かれたときに「一緒に考えよう」と返したそうです。結果的にお子さんが自分で修正し、達成感を味わったとのこと。この「自分でできた」という経験が非認知能力を育てます。
創造力 ― アイデアを形にする体験
「オリジナルのキャラクターを動かしたい」「自分だけの物語を作りたい」といった思いを形にできるのがプログラミング。頭の中のイメージを作品にする過程は、創造力を育む貴重な機会です。
実際のエピソードから見る学び
小学3年生の男の子が「ゲームを作りたい」と始めたScratch。最初は思うようにいかず泣いてしまいましたが、少しずつ動かせるようになると「ぼくにもできる!」と笑顔に。
兄妹で一緒にプログラミングをしていたら、役割分担を自然に覚えて協力して取り組めるようになった。
ママが「どうやったの?」と声をかけると、お子さんが一生懸命説明してくれて、理解が深まっていた。
こうしたエピソードからもわかるように、プログラミングは「非認知能力」を自然に育てる学びなのです。
パパ・ママができる関わり方
結果ではなく「過程」を認める声かけ
「ちゃんと動いた?」だけでなく、「工夫したね」「よく考えたね」と過程を認める言葉がけをしましょう。
「一緒に挑戦してみよう」と伴走する姿勢
パパやママが「わからないけどやってみよう」と言うと、お子さんは安心してチャレンジできます。
失敗を恐れず「チャレンジを応援する環境」
エラーや失敗は当たり前。親が「失敗しても大丈夫」と伝えることで、粘り強く取り組む姿勢が育ちます。
家庭で使えるプログラミング教材
Scratch(スクラッチ)
無料で使える世界的に人気の教材。ブロックをつなげてキャラクターを動かす直感的な学習方法。 こちらもCHECK 「小学校でプログラミング教育が必修化された」と聞いて、不安になった保護者の方も多いのではないでしょうか。「小学生にプログラミングなんて本当に必要?」「そもそも、どうやって始めさせればいいの?」と疑問を ... 続きを見る【解説】小学生のプログラミング入門。スクラッチで安心して始められるステップを徹底解説
Minecraft Education
ゲーム好きのお子さんに最適。遊びながらプログラミング的思考や非認知能力を育てられます。 こちらもCHECK 「子どもがマインクラフトに夢中で、ゲームばかりしていて大丈夫?」と心配になる保護者の方は多いのではないでしょうか。実はそのマイクラを“学びの入り口”に変える方法があります。それが マインクラフト教育版 ... 続きを見る【解説】小学生のプログラミング入門。マインクラフト教育版の無料体験の始め方と親子での学び方
N予備校 プログラミング入門(無料公開)
ドワンゴが運営するオンライン学習サービス「N予備校」では、プログラミング入門コースの一部が無料公開されています。テキストと動画、実際の演習問題がセットになっており、小学生でも基礎を体験可能です。
Scratchのようなブロック型だけでなく、実際にコードを書く体験ができるのが特徴です。
プログラミング教室を検討するときのポイント
「自宅だけでは続かない」「もっと本格的に学ばせたい」と思ったら、プログラミング教室も選択肢になります。
先生や仲間と学ぶことで継続力が高まる
発表やコンテストで自信を持てる
協調性や粘り強さがさらに育つ
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もっと学びを深めたいときにおすすめの本
『小学生からはじめる わくわくプログラミング』
イラストが豊富で、親子で読み進めやすい入門書。
『プログラミング教育が変える子どもの未来』
必修化の背景や教育効果をわかりやすく解説し、論理的思考や非認知能力がどう育つかを親目線で学べる一冊です。
『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』
粘り強さ・協調性・自制心など数値化できない力が子どもの将来にどう影響するかを解説する教育書です。
パパ・ママが意識しておきたいこと
正解をすぐに教えず「一緒に考える」ことを大事にする
頑張った過程を言葉でしっかり認める
お子さんが「楽しい!」と感じる気持ちを尊重する
まとめ
プログラミングは単なるITスキルを学ぶだけではなく、粘り強さ、協調性、自分で考える姿勢といった非認知能力を育てる教育的価値があります。
パパやママがITに詳しくなくても、お子さんに寄り添い、一緒に挑戦するだけで十分にサポートできます。まずは無料教材や本を活用し、興味が続けばプログラミング教室も検討しましょう。
今日からできることは、お子さんに「一緒にやってみようか」と声をかけること。その一言が、お子さんの未来を切り拓く大きな一歩になります。
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