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【解説】現場で役立つ保護者支援 ― 書籍『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援』から学ぶ実践のヒント

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保育現場では、園児への関わりと同じくらい大切なのが「保護者さんとの関係づくり」です。送り迎えの短い時間、連絡帳でのやり取り、ちょっとした相談…。その積み重ねが、子どもたちの安心や信頼、そして育ちを支える土台になります。

しかし実際には、

  • 「どう声をかけたらよいか迷う」

  • 「相談を受けても適切に答えられているか不安」

  • 「対応の仕方が同僚と違っていいのか悩む」

といった戸惑いを持つ職員は少なくありません。

そんなとき参考になるのが、書籍 『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援~保育ソーシャルワークで学ぶ相談支援』 です。この本は「保育ソーシャルワーク」という新しい視点から、現場で活かせる保護者支援のあり方を解説しています。

この記事では、本書の内容を軸に「現場で役立つ保護者支援の実践ヒント」を分かりやすく紹介します。

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『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援』とはどんな本?

書籍の概要

この本は、保育士や幼稚園教諭が日常で直面する保護者さんとの関わりを「相談支援」という観点から整理しています。単なる対応のマニュアルではなく、「保育ソーシャルワーク」という視点を持つことで、保護者さんの背景や状況に応じた支援を考えられるように導いています。

保育ソーシャルワークとは?

ソーシャルワークとは「人と人、人と社会とのつながりを支える支援」のことです。保育ソーシャルワークはその考えを保育現場に取り入れたもので、

  • 保護者さんの不安や困りごとを共に考える

  • 子どもたちを中心に家庭と園をつなぐ

  • 職員同士や地域とも連携しながら支援する

という特徴があります。

今、保護者支援が必要とされる理由

核家族化や共働きの増加、地域のつながりの希薄化など、子育てを取り巻く環境は大きく変化しています。保護者さんの孤立感や不安は強くなりやすく、それを支える存在として保育園やこども園の役割が高まっているのです。

保護者支援が子どもたちの育ちにつながる理由

家庭と園がつながることで生まれる安心感

子どもたちは園だけでなく、家庭でも同じように育ちを支えられると安心します。園と家庭の両方が同じ方向を向くことで、園児は自分が大切にされていると感じ、意欲的に活動に取り組めます。

保護者さんの思いを受け止めることの大切さ

「家では食べないんです」「夜泣きが続いていて…」といった声を受け止めるだけでも、保護者さんの気持ちは軽くなります。支援とは「解決策を与える」ことだけではなく、相手の思いを尊重する姿勢が基本です。

子どもたちの姿を見取る視点を共有する

園での姿と家庭での姿をつなげると、子どもたちの育ちを多面的に理解できます。「園では友達とよく遊んでいます」と伝えると、保護者さんも安心し、子どもへの見方が変わることがあります。

👉 こうした実践の視点は 『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援』 にも具体的に解説されています。

現場で活かせる保護者支援の実践例

送迎時の短いやり取りを大切にする

送迎は保護者支援の第一歩です。「今日は絵本を最後まで聞けましたよ」「ブロックでこんな作品を作っていました」と、子どもたちの姿を一言伝えるだけで、保護者さんは安心し、家庭での会話も弾みます。

連絡帳を「育ちを支える視点」で書く

単なる事実報告ではなく「今日は友達に玩具を貸していました。協同性が育っていますね」と添えると、保護者さんと育ちを共有することができます。

相談を受けたときは「傾聴」を意識する

アドバイスよりも「話してよかった」と思ってもらえることが大切です。うなずきや共感の言葉で、まず受け止めることから始めましょう。

園内で情報を共有し、チームで支援する

一人の職員が抱え込むと負担が大きくなります。「こんな相談を受けた」という情報を会議で共有することで、同僚や上司と一緒に支える体制ができます。

よくある悩みと対応のヒント

  • 「相談にどう答えればいいか分からない」
    → すぐに答えを出さず、「そうなんですね」と共感するだけでも十分です。

  • 「同僚と対応の仕方が違う」
    → 書籍を共通の教材にして話し合えば、園全体で方向性をそろえられます。

  • 「支援が押しつけにならないか不安」
    → 保護者さんの考えを尊重し「一緒に考えましょう」という姿勢を持つことが大切です。

先生たちも同じ悩みを抱えている

「保護者さんの力になりたいけれど、言葉が出てこない」
「忙しくて一人で抱え込んでしまう」
こうした気持ちは特別ではなく、多くの職員が同じように感じています。だからこそ、同僚と悩みを共有し合い、チームで取り組むことが支えになります。

今日からできる具体的な提案

  • 送迎時に「園での姿」を一言添えてほしいなと思います。

  • 連絡帳に「育ちを支える視点」でコメントを書いてほしいなと思います。

  • 同僚と「保護者支援」をテーマに5分でも話し合ってほしいなと思います。

まとめ

保護者支援は特別な技術ではなく、日々の小さな積み重ねです。園児の育ちを支えるためには、園と家庭が同じ方向を向くことが欠かせません。

書籍 『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援』 は、相談支援や保育ソーシャルワークの視点をわかりやすく学べる一冊で、現場の実践にすぐ活かせる内容が詰まっています。

👉 保育実践に役立つ視点をさらに深めたい方は、『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援』 を手元に置いて読み進めてほしいなと思います。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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