子育て

【解説】感覚統合あそびのアイデア集|おうちで楽しめる発達支援10選

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「うちの子、落ち着きがなくて…」「手先が不器用でお箸がなかなか使えない」「音や光に敏感で集団に入るのが苦手」――そんな悩みを持つパパやママは少なくありません。

感覚統合という考え方をご存じでしょうか。これは人が持つ「視覚」「聴覚」「触覚」「前庭感覚(バランス感覚)」「固有受容感覚(体の動きを感じる感覚)」をバランスよく整理し、生活や学習につなげる力を育てることを意味します。感覚統合の発達が整うと、お子さんの落ち着きや集中力、運動や手先の動き、さらには対人関係にも良い影響を与えると言われています。

今回は、家庭で簡単に取り入れられる「感覚統合あそびのアイデア」を10個ご紹介します。おうち時間の遊びにプラスするだけで、お子さんの発達をやさしくサポートできます。パパやママが無理なく実践できる工夫を、ぜひ参考にしてみてください。

感覚統合とは?

感覚統合の基本的な考え方

感覚統合とは、複数の感覚をうまく組み合わせて使えるようにする力を育てることです。例えば、転ばないように歩くためには「目で段差を見る」「足の筋肉で踏ん張る」「耳で周囲の音を感じる」といった複数の感覚が必要になります。

感覚統合がスムーズに働くことで、体のバランスをとったり、道具を使ったり、人とのやりとりに集中したりできるようになります。逆に統合が難しいと、落ち着きがなかったり、細かい作業が苦手だったり、強いこだわりが出やすくなることもあります。

感覚統合あそびが家庭で役立つ理由

感覚統合あそびは、特別な訓練というより「遊びながら自然に感覚を整理する方法」です。家庭でできる工夫が多く、お子さんも楽しみながら取り組めるのが特長です。特にパパやママと一緒に取り組むことで安心感が生まれ、自己肯定感の向上にもつながります。

パパ・ママが感じやすい日常の困りごと

落ち着きがなく集中できない

椅子に座っていられなかったり、すぐに注意が散ってしまったりするお子さんもいます。これはエネルギーの発散や体の感覚がうまく整理できていないことが関係している場合があります。体を大きく動かす感覚統合あそびを取り入れることで、落ち着きや集中につながります。

手先が不器用で工作や食事が苦手

はさみを使う、ボタンを留める、鉛筆を持つなどの動作が苦手なお子さんもいます。これは手や指の感覚をうまくコントロールする力が育っていないことが原因かもしれません。指先を使うあそびを日常に取り入れると少しずつスムーズになります。

音や光に敏感で疲れやすい

人混みでぐったりしてしまう、掃除機やチャイムの音を嫌がるなど、感覚に敏感なお子さんもいます。こうした場合は、安心できる環境で適度に刺激を与えながら慣れていく工夫が大切です。

おうちでできる感覚統合あそび10選

バランス感覚を育てるあそび

  1. クッションの上でバランスをとる遊び
    ソファのクッションやバランスボールに乗って「10秒間立てるかな?」と遊ぶだけで、体幹を使ったバランス感覚が育ちます。

  2. ケンケンパや線の上歩き
    床にテープで線を貼り、その上を歩いたり、ケンケンパを繰り返したりするだけでも前庭感覚が鍛えられます。

触覚を育てるあそび

  1. 小麦粉ねんどや粘土あそび
    こねる、丸める、ちぎるといった動作は触覚を刺激すると同時に指先の発達を促します。

  2. お米や豆の感触あそび
    大きなボウルに米や豆を入れて、すくったり埋めたりするあそびは、安心感を得やすい刺激になります。

固有受容感覚を育てるあそび

  1. タオルブランコ
    丈夫なタオルを使ってブランコのようにゆらすと、体の動きを感じる力が育ちます。安全に注意して行いましょう。

  2. 親子で手押し相撲や押し合いっこ
    力を入れる、押す、踏ん張るといった動作で体の感覚を育てられます。

視覚・聴覚を育てるあそび

  1. 音あてクイズ
    鈴や木琴、ペットボトルの音などを聞いて「どの音かな?」と当てる遊びは聴覚の整理に役立ちます。

  2. カラフルな積み木や絵カードあそび
    形や色を組み合わせる遊びは視覚的な理解を助けます。

全身を使うあそび

  1. トンネルくぐり
    布団や段ボールでトンネルを作り、くぐるあそびは体全体の感覚統合を促します。

  2. 親子ヨガやストレッチ
    ゆったりとしたポーズをとるだけでバランス感覚や固有受容感覚が育ちます。

家庭で取り入れるときの工夫

安全を最優先にする

転倒や誤飲には十分に注意し、遊ぶ場所を整えてから取り入れましょう。

「楽しい」が第一

お子さんが嫌がるときに無理に続ける必要はありません。「もう一回やりたい!」という気持ちを大事にしてください。

続けやすい工夫をする

毎日5分だけ、入浴前に1つだけなど、生活の中に無理なく組み込むと続けやすくなります。

実際の家庭での体験例

あるご家庭では、お風呂場で水をすくう遊びを繰り返すことで、触覚に敏感だったお子さんが少しずつ水を楽しめるようになりました。
別のご家庭では、毎日のケンケンパを続けたことで、バランスが安定し転びにくくなったといいます。
また、小さな積み木を使った遊びを継続したことで、鉛筆の持ち方やハサミの扱いが上達したケースもあります。

さらに家庭療育を広げたいパパ・ママへ

感覚統合あそびは日常でできる素晴らしい方法ですが、ABAやTEACCHなど他の支援方法と組み合わせるとより効果的です。
「もっと体系的に家庭で取り組みたい」と思ったときには、親子で一緒に取り組める教育プログラムを利用するのも一つの方法です。こちらの記事では、遊び感覚で家庭療育を続けられるプログラムを紹介しています。毎日の遊びに取り入れやすい工夫がたくさんあるので、パパやママの強い味方になるはずです。

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まとめ

感覚統合あそびは、お子さんが遊びながら感覚を整理し、生活や学習に必要な力を育てる発達支援の方法です。家庭でもすぐに取り入れられる工夫が多く、続けることでお子さんの自信や安心感につながります。
まずは「今日は粘土遊びをしてみる」「寝る前にストレッチをする」など、小さなことから始めていただけたらと思います。パパやママの関わりが積み重なって、お子さんの成長を支える力となるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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