子育て

【解説】ASD特性を持つお子さんとの関わり方|家庭で安心できる環境をつくる工夫

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「うちの子、ちょっとこだわりが強いのかな」「集団の中でスムーズに行動できないことが多いかも」──そんな小さな気づきから、不安を抱えるパパやママは少なくありません。お子さんが周りと同じように行動できないとき、どう関わるのがよいのか迷うこともあるでしょう。

発達が気になるお子さんへのサポートには、ASD(自閉スペクトラム症)特性を理解することが大切です。ASD特性は「できないこと」ではなく「特性」であり、関わり方次第で安心できる時間が増え、お子さんの成長を後押しできます。

この記事では、ASD特性を持つお子さんの理解と、家庭でできる関わり方の工夫をわかりやすく解説し、日常で実践しやすい工夫をご紹介いたします。

ASD特性とは?家庭で理解しておきたいポイント

ASDは「自閉スペクトラム症」の略で、発達の特性のひとつです。お子さんによって現れ方はさまざまですが、共通して見られる特徴があります。

ASD特性に見られやすい行動例

  • こだわりが強い:同じ順番で行動したい、予定が変わると混乱する。

  • 感覚の過敏・鈍感:音や光に敏感すぎる、または刺激に気づきにくい。

  • コミュニケーションの難しさ:言葉の裏の意味を理解しにくい、表情の読み取りが難しい。

これらは「困った行動」ではなく、その子の世界の感じ方や捉え方の現れです。

「できない」のではなく「特性」として理解する大切さ

「なんでできないの?」と責めるのではなく、「こういう特性だから工夫が必要なんだ」と考えることが大切です。パパやママがそう受け止めるだけで、お子さんは安心して行動しやすくなります。

パパやママが知っておくと安心できるASDへの基本的な見方

  • お子さんの行動には必ず理由がある。

  • 苦手なことだけでなく得意なことにも注目する。

  • 家庭での小さな工夫が、お子さんにとって大きな支えになる。

ASD特性を持つお子さんが安心できる環境づくり

家庭はお子さんにとって「安心できる場所」であることが一番大切です。環境を整えるだけで、不安や混乱が減り、行動がスムーズになることもあります。

見通しを持たせる工夫

予定が突然変わると不安が強くなるお子さんには、「これから何をするか」がわかる工夫をしてみましょう。

  • 朝の準備をイラストカードで「着替え → ごはん → 歯みがき」と順番で見せる

  • タイマーを使って「あと5分で終わり」と知らせる

感覚に配慮した生活空間

  • 音に敏感なら静かな環境をつくる(テレビや掃除機の音を調整)

  • 光に敏感ならカーテンで明るさを調整する

  • 落ち着けるスペースを用意する(お気に入りの毛布やクッションを置いた小さなコーナー)

こだわりを尊重しつつ生活に取り入れる方法

たとえば「赤い服しか着たくない」というこだわりがある場合、赤を取り入れつつTシャツの種類を少しずつ増やすといった工夫で柔軟性を育てられます。

家庭でできる具体的な関わり方の工夫

環境を整えるだけでなく、パパやママの声かけや関わり方も大切です。

声かけの工夫

  • 「ダメ」より「こうしよう」と肯定的に伝える

  • 「片づける?」ではなく「ブロックと絵本、どちらを先に片づける?」と選択肢を与える

遊びや学習のサポート

  • 行動を小さなステップに分ける(着替えなら「靴下 → シャツ → ズボン」と順番に)

  • できたら必ず褒めることで「やればできる」という自信を育てる

きょうだいや家族との関わり

  • きょうだいにも特性をわかりやすく伝え、理解を深めてもらう

  • 家族みんなで取り組める遊び(カードゲームやごっこ遊び)を取り入れる

無理なく続けるためのパパ・ママの工夫

毎日がんばろうと思っても、時には疲れてしまうこともあります。続けるためには「完璧を目指さない」ことが大切です。

「完璧にやらなくていい」と思える気持ちの持ち方

少しずつで大丈夫。できなかった日があっても気にせず、また次の日から続ければいいのです。

家庭療育を続けるための工夫

  • 無理のない時間を決める(1日5分だけ遊びに取り入れる)

  • パパとママが一緒に役割を分担する

  • 楽しく取り組める工夫を優先する

周囲のサポートを活用する

園や学校の先生、専門機関と連携することで、家庭だけで抱え込まずに支援が広がります。

家庭療育をさらに広げたいパパ・ママへ

発達が気になるお子さんとの生活には、日常の中で工夫できることがたくさんあります。ただ「もっと具体的なアイデアを知りたい」「日常に取り入れやすい方法を増やしたい」と思うこともあるでしょう。

そんなときに参考になるのが、遊びや生活の中で自然に取り入れられる教育プログラムです。こちらの記事では、ABAや感覚統合の考えを楽しく取り入れられる「療育55レッスン」が紹介されています。お子さんに合った実践方法を知ることで、家庭療育の幅がぐっと広がると思います。

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まとめ

ASD特性を持つお子さんにとって大切なのは「安心できる環境」と「家庭でのやさしい工夫」です。

  • ASD特性は「困った行動」ではなく「その子の特性」

  • 環境を整えると安心感が増し、行動がスムーズになる

  • 声かけや遊びの工夫でお子さんの自信と笑顔を引き出せる

パパやママができることは、ほんの小さな工夫からでも十分です。今日からできることをひとつ試していただけたらと思います。日常の中でお子さんの安心と成長が少しずつ積み重なっていくとなるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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