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【解説】長時間労働から抜け出した保育士が語る ― 転職で取り戻した日常

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毎日くたくたになるまで働いているのに、帰宅してからも書類や制作の準備が頭から離れない。
「子どもたちは本当にかわいいし、保護者さんにも支えてもらっている。
それでも正直、この長時間労働はいつまで続くのだろう。」
そんな思いを抱えながら、明日の活動案を考えている保育士さんも多いのではないでしょうか。

保育士の仕事は、園児や子どもたちの育ちを支える、とてもやりがいのある専門職です。
その一方で、行事準備や書類、保護者対応、会議など、目に見えにくい仕事も多く、「保育している時間以外」の負担が大きくなりがちです。
気づけば、自分の時間や家族との時間を削ってまで働いている。
そんな状況が当たり前になってしまうと、「しんどい」と口にすることすら難しくなってしまいます。

この記事では、長時間労働から抜け出し、転職によって日常を取り戻した保育士のストーリーを軸に、働き方を見直すヒントを整理していきます。
幼児教育の知見をもとに、子どもたちの姿を見取る視点と、自分自身の心と体を大切にする視点の両方から、「保育士 転職」を前向きに考えるためのポイントをお伝えしていきます。

「辞めたいわけではない。
でも、このまま続けるのはつらい。」
そんな揺れ動く気持ちを抱える保育士さんが、少しでもほっとできる材料を見つけられるような内容にしていきたいと思います。

長時間労働に悩む保育士が抱えやすい現実

仕事が終わらない毎日と「自分だけが頑張れていない気がする」思い

朝早く出勤して、園児や子どもたちを迎える準備をする。
午前中は活動、戸外遊び、お昼ごはん。
午後は午睡の見守りや記録、打ち合わせ。
夕方は順次降園の対応をしながら、連絡帳を書き、明日の保育の準備を進める。
それでも、気づけば定時を過ぎていて、「あと少しだけ」と残ってしまう。

多くの保育士さんが、「この仕事量は仕方がないのかな」「みんなもやっているし」と自分を納得させようとします。
職員同士で支え合っているつもりでも、誰かが長く残っていると、「自分だけ早く帰るのは申し訳ない」と感じてしまうことも少なくありません。
結果として、園全体で長時間労働が当たり前になり、誰も本音を言い出せない雰囲気ができてしまうことがあります。

さらに、「最近ちょっと疲れているかも」と感じても、「自分だけが弱音を吐いているのでは」と思ってしまい、なかなか相談できない保育士さんも多いものです。
子どもたちの前では笑顔でいたい、保護者さんの前では頼れる職員でありたい、その思いが強いほど、自分のしんどさを後回しにしがちです。

そうなると、本来は遊びや対話の中で、園児や子どもたち一人ひとりの姿を見取るはずの時間が、今日の予定をこなすだけで精一杯の時間に変わってしまいます。
頭では「もっと丁寧に関わりたい」と分かっているのに、体力も気力も追いつかない。
そのギャップが、自己嫌悪や無力感につながってしまうこともあります。

持ち帰り仕事・サービス残業が当たり前になっていく流れ

長時間労働が続く園では、「持ち帰り仕事」が常態化していることも少なくありません。
日誌や指導案、保育計画、個別の記録、行事のしおりやおたよりなど、書類だけでも多くの時間が必要です。
さらに、壁面装飾や制作物の準備、発表会や運動会などの行事用の小道具作りなど、手作業の仕事も山のようにあります。

勤務時間内にどうしても終わらないため、「今日はここまでにして、続きは家でやろう」と持ち帰る日が続きます。
最初は「忙しい時期だけ」と思っていたのに、いつの間にかそれが一年中続いている、という声もよく聞かれます。

また、園によっては、残業時間がきちんと記録されず、サービス残業になってしまっているケースもあります。
タイムカード上は定時退勤になっていても、実際にはその後も職員室で作業をしている、といった状況です。
こうした働き方が当たり前になってしまうと、「これがこの業界では普通なのかな」とあきらめに近い感情が生まれてしまいます。

しかし、本来の保育士の仕事は、子どもたちの育ちを支えることです。
書類や行事の準備も大切ですが、そればかりに追われてしまうと、目の前の園児や子どもたちの小さな変化に気づきにくくなります。
「今日はいつもより不安そうだな」「この遊びに夢中になっているな」といった姿を見取る余裕が奪われてしまうのは、とてももったいないことです。

心と体に出てくるサインに気づきにくい理由

長時間労働が続いているとき、最初に影響が出てくるのは、心と体の小さなサインです。
例えば、寝つきが悪くなる、夜中に何度も目が覚める、休日も仕事のことばかり考えてしまう、朝起きると強い疲れを感じる、といった変化です。
また、ちょっとしたことでイライラしやすくなったり、ミスが増えたり、「何をやっても自信が持てない」と感じたりすることもあります。

それでも保育士さんは、「子どもたちの前では明るくいたい」と頑張ります。
職員としての責任感が強い方ほど、「自分が倒れたら同僚に迷惑がかかる」と、自分の限界を見て見ぬふりをしてしまいがちです。
そうして心と体のサインを無視し続けると、ある日突然、糸が切れたように動けなくなってしまうこともあります。

さらに、「どこの園も同じようなものだろう」「保育士だから仕方ない」という思い込みが、状況を変えにくくしていることもあります。
保育業界全体として、長時間労働や人手不足が課題になっているのは事実です。
ただ、その中でも、園によって働き方の差は大きく、残業や持ち帰り仕事を減らす工夫をしている園も増えています。

大切なのは、「自分のしんどさ」に気づき、それを無かったことにしないことです。
心と体のサインに耳を傾けることは、決してわがままではありません。
むしろ、自分自身の健康を守ることが、結果的に子どもたちの育ちを支えることにつながります。

これから先の章では、実際に長時間労働から抜け出し、保育士としてのやりがいを取り戻した働き方の変化や、転職を考える際のポイントを、より具体的にお伝えしていきます。

長時間労働から抜け出した保育士のストーリー

きっかけは「このままだと続けられない」と気づいた瞬間

ここでは、ある保育士さんのエピソードをもとに、働き方を見直した流れをたどってみます。
仮にAさんとします。

Aさんは、3歳児クラスを担当していました。
行事の多い園で、運動会や生活発表会、遠足などの準備が重なり、連日残業が続いていました。
子どもたちの前では笑顔でいようと頑張っていましたが、家に帰るころにはぐったりして、夕食をとる気力もない日が増えていきました。

ある日、園児の一人が、いつもと違う表情で登園してきたことがありました。
保護者さんからの引き継ぎでも、家庭で少し気になる様子があると聞いていました。
本来なら、そんな子どもの姿を見取る時間をしっかり取りたいところです。
しかしその日は、書類の締め切りや行事準備が重なり、Aさんの頭の中は「今日中に終わらせなきゃ」という思いでいっぱいでした。

帰り道、ふとその園児の顔が浮かび、「ちゃんと向き合えていたかな」と胸がぎゅっと苦しくなったそうです。
「このままの働き方では、子どもたちの育ちを支えるどころか、自分もすり減ってしまう。」
そう感じたことが、働き方を見直す最初のきっかけでした。

転職を決意するまでの心の揺れ

とはいえ、すぐに転職を決められたわけではありません。
Aさんは、「転職したい」と思う一方で、「ここで頑張り続けるべきなのでは」という思いにも揺れていました。

同僚はよくしてくれるし、保護者さんも温かい。
子どもたちの成長を一番近くで見守れるこの環境を手放すのは、簡単なことではありません。
「自分が我慢すればいいだけ」と考えてしまい、なかなか次の一歩が踏み出せなかったといいます。

そんなとき、たまたま参加した研修で、別の園で働く保育士の話を聞く機会がありました。
そこでは、残業の削減に取り組んでいたり、行事をコンパクトにしたりと、長時間労働を前提としない工夫が紹介されていました。
「同じ保育士でも、こんな働き方ができる園もあるんだ。」
Aさんは、その話を聞いて、初めて「園を変える」という選択肢を具体的にイメージできるようになったそうです。

それでも、「転職=今の園から逃げることでは?」という迷いは、すぐには消えませんでした。
そこでAさんは、自分の気持ちを書き出して整理してみることにしました。
「なぜしんどいのか」「本当はどう働きたいのか」「どんな保育を大切にしたいのか」。
ノートに言葉を並べていく中で、「長時間労働がつらい」のではなく、「子どもたちに向き合う時間より、雑務や行事準備に追われていること」が一番苦しいのだと気づいたのです。

情報収集と自己分析で見えてきた「自分が大切にしたい保育」

気持ちを整理したAさんは、すぐに退職届けを出すのではなく、まずは情報収集から始めました。
インターネットで「保育士 転職」「保育士 働きやすい 園」などのキーワードで検索し、口コミや働き方の違いを調べていきました。
また、自治体の保育士支援センターや、保育士向けの転職相談窓口にも足を運び、第三者の視点から話を聞いてみることにしました。

同時に、自分が大切にしたいポイントも整理していきました。
例えば、
・持ち帰り仕事が少ないこと
・複数担任で、職員同士が支え合える体制があること
・園児一人ひとりの姿を見取る時間を大事にしていること
・職員会議や書類作成の時間が、勤務時間内に確保されていること
などです。

こうして条件を書き出してみると、「絶対に譲れないこと」と「状況によっては妥協できること」が見えてきます。
Aさんの場合、「子どもたちと向き合う時間が確保されていること」と、「長時間労働が常態化していないこと」は譲れない軸でした。
一方で、給与や通勤時間については、ある程度の範囲であれば調整可能だと考えました。

気になる園をいくつかピックアップしたあと、Aさんは見学や面接に足を運びました。
その際、「残業時間はどれくらいか」「行事の準備はどのように進めているか」「持ち帰り仕事はあるか」といった具体的な質問をするよう意識したそうです。
こうしたやりとりの中で、「職員が無理なく働けるように」と工夫している園もあれば、「忙しいけれどみんな頑張っています」と根性論で乗り切っている園もあることが見えてきました。

時間をかけて比較した結果、Aさんは、「残業削減に取り組んでいる」「行事を厳選している」「複数担任でサポートし合う文化がある」園に転職することを決めました。
不安はありましたが、「このまま同じ働き方を続けて、心や体を壊してしまう方が、子どもたちにも申し訳ない」と感じたことが、背中を押してくれたと言います。

転職後に変わった日常と働き方

退勤後に「自分の時間」が戻ってきた

新しい園での生活が始まって驚いたのは、「定時近くに退勤できる日が多い」ということでした。
Aさんの1日は、これまでと同じように朝の受け入れからスタートしますが、書類作成や会議の時間があらかじめシフト内に組み込まれていました。

そのため、「子どもたちが帰ってから、そこからが本番」という感覚が薄れ、勤務時間の中で仕事を終える前提で動けるようになったのです。
もちろん行事前など、どうしても忙しくなる時期はあります。
それでも、日常的に連日20時、21時まで残るような長時間労働はなくなりました。

退勤後は、家でゆっくりごはんを作ったり、ゆっくりお風呂に入ったり、本を読んだりできるようになりました。
「明日の準備をしなきゃ」という焦りに追われる時間から、「自分のための時間」を取り戻せた感覚があったとAさんは振り返ります。

休日も、「寝て終わる」だけではなく、友人と会ったり、好きな趣味を楽しんだり、研修やオンライン講座に参加したりできるようになりました。
心と体に少しずつ余白が生まれることで、仕事中の集中力や、子どもたちの小さなサインを受け止める感度も自然と上がっていきました。

保育の質とやりがいの感じ方の変化

働き方が変わると、保育の質も変わっていきます。
以前は、活動内容や制作物の完成度を優先せざるを得ない場面が多く、「時間までに終わらせること」が目標になってしまうこともありました。

しかし、新しい園では、活動の量よりも、子どもたち一人ひとりの姿を見取ることを大切にしていました。
たとえば、製作活動なら「同じ作品をそろえる」のではなく、「その子なりの工夫やこだわり」に目を向けることを重視しています。
職員同士の話し合いでも、「今日は誰がどんな表情で過ごしていたか」「どんなつぶやきが聞かれたか」といった、子どもたちの内側の育ちを支える視点が共有されていました。

Aさんは、「慌ただしく時間を追いかけていた頃と比べて、子どもたちの表情がよく見えるようになった」と感じるようになりました。
小さな「できた」を一緒に喜び、困っているサインにも早めに気づけることで、保育士としてのやりがいも深まっていきました。

また、職員同士も、「お互いさま」という雰囲気で声をかけ合う文化がありました。
困っている同僚にさっと手を貸すことが自然に行われていて、一人で抱え込まない仕組みができていたのです。
その中で、Aさん自身も、自分の負担が軽くなるだけでなく、他の保育士の働きやすさにも目を向けられるようになったといいます。

収入・休日日数・福利厚生など「現実面」の変化

気になるのが、お給料や休日日数の変化です。
Aさんの場合、大幅な収入アップはありませんでしたが、「残業代がきちんと支払われる」「年間休日が増えた」という現実的なメリットがありました。

前の園では、実質的には働いているのに残業としてカウントされていない時間が多く、時給に換算するとかなり低くなっていたそうです。
一方、新しい園では、どれくらい残業が発生しているかを園側も把握しようとしており、必要な残業には手当がつく仕組みになっていました。

また、シフトの希望が出しやすく、冠婚葬祭だけでなく、家族行事や通院などの予定も相談しやすい雰囲気がありました。
「働き続けるうえで、プライベートの予定を大切にできるかどうかは、とても重要だと実感した」とAさんは話します。

もちろん、どの園にも良いところと課題があります。
新しい職場にも、忙しい時期や人間関係で悩む瞬間はありますが、「話せば聞いてくれる」「改善しようとしてくれる」空気があるだけでも、心の負担は大きく違ってきます。
完璧な園を探すのではなく、「自分にとって無理なく働けるかどうか」を軸に考えることが大切だといえるでしょう。

働き方を見直す手段としての「学び直し」や通信講座

保育士としての専門性を深めることで選べる職場が増える

長時間労働から抜け出す一つのきっかけとして、「自分の専門性を深める」という方法もあります。
保育士資格を持っていることはもちろん大切ですが、そこにプラスして、乳児保育や発達支援、子育て支援などの知識があると、活躍できる場が広がります。

例えば、発達が気になる子どもたちの育ちを支えるスキルや、保護者さんとのコミュニケーションを深めるスキルを学んでおくと、保育園だけでなく、児童発達支援や子育て支援センターなど、さまざまなフィールドを視野に入れやすくなります。
また、「経験+学び」を積み重ねることで、将来的にリーダーや主任、園長などのポジションを目指しやすくなる可能性も高まります。

「自分にはまだ何も強みがない」と感じている保育士さんもいるかもしれません。
しかし、日々の保育の中で子どもたちの姿を見取る経験は、すでに大きな財産です。
そこに少しずつ学びを重ねていくことで、「自分はこんな保育をしていきたい」という軸が見えやすくなります。

働きながら学べる通信講座という選択肢

とはいえ、フルタイムで働きながら研修や通学講座に通うのは、現実的には難しい場合も多いでしょう。
そこで、無理なく続けやすい選択肢として、保育士向けの通信講座があります。

通信講座なら、夜の空き時間や休日のすきま時間を使って、自分のペースで学ぶことができます。
テキストや動画、ワークシートなどを通して、保育理論や具体的な関わり方のアイデアを学べるものも増えています。
なかには、子どもたちとのエピソードを振り返りながら、「なぜその行動が起こったのか」「どう関われば育ちを支えられるのか」を一緒に考えていけるカリキュラムもあります。

また、通信講座の中には、質問を受け付けてくれるサポート窓口があったり、添削課題を通してフィードバックがもらえたりするものもあります。
園内でなかなか聞きづらい疑問も、安心して相談できる場があるのは、働きながら学び直すうえで大きな支えになります。

「どんな通信講座を選べばいいか?」のチェックポイント

いざ保育士向けの通信講座を調べ始めると、種類が多くて迷ってしまうかもしれません。
そんなときは、次のようなポイントをチェックしてみると、自分に合う講座を選びやすくなります。

一つ目は、カリキュラムの内容です。
単に知識を詰め込むのではなく、現場での具体的なシーンを想定した内容になっているか、子どもたちの育ちを支える視点が盛り込まれているかを見てみましょう。

二つ目は、学びやすさです。
テキストの文章がやさしく書かれているか、図やイラストでイメージしやすくなっているか、動画やオンライン教材など、自分のライフスタイルに合う形式かどうかも大切です。

三つ目は、サポート体制です。
質問できる窓口があるか、添削指導は丁寧か、学習が遅れてしまったときにフォローがあるかなどは、働きながら続けるうえで大きな安心材料になります。

そして四つ目に、費用や受講期間も確認しておきましょう。
無理のない金額かどうか、忙しい時期も見越して、その期間で学び切れそうかどうかをイメージしておくと安心です。

保育士としての働き方を見直したいと感じているなら、こうした通信講座の情報をまとめて紹介しているページを参考にしてみるのも一つの方法です。
複数の講座を一度に比較できると、「自分にはどんな学び方が合っているか」が見えやすくなり、次の一歩を踏み出しやすくなります。

今の職場でできる工夫と、それでも難しいときに考えたいこと

まずは「自分のしんどさ」を見える形にしてみる

長時間労働に悩んでいるとき、いきなり転職だけが選択肢ではありません。
まずは、今いる職場の中でできる工夫がないかを整理してみることも大切です。

そのための第一歩としておすすめなのが、「一週間の働き方を見える化する」ことです。
一日の流れを書き出し、どの時間帯に何をしているのか、残業や持ち帰り仕事にどれくらい時間を使っているのかを具体的に振り返ってみます。

例えば、
・子どもたちの午睡中にしている仕事
・勤務時間内に終わらず、放課後に回している仕事
・持ち帰らざるを得ない書類や制作
などを、箇条書きにしてみると、「どこが負担になっているのか」が少しずつ見えてきます。

頭の中だけで「忙しい」「しんどい」と感じていると、漠然としたつらさに押しつぶされそうになります。
一方で、具体的な時間や内容を書き出してみると、「ここを少し減らせるかもしれない」「ここは他の職員と分担できないかな」と考えやすくなります。

同僚や上司に相談するときの伝え方のコツ

「忙しい」と感じていても、いきなり「仕事が多すぎます」「つらいです」と伝えるのは勇気がいります。
そこで、相談するときは、「自分の感情」と「具体的な事実」の両方をセットで伝えることを意識してみてください。

例えば、
「最近、行事準備と書類が重なって、残業が続いています。
このままだと、子どもたちと向き合う時間に余裕が持てなくなってしまいそうで不安です。」
といったように、「ただしんどい」ではなく、「保育の質にも影響しそう」という視点を添えると、保育士としての真剣な思いが伝わりやすくなります。

また、「全部減らしてください」とお願いするのではなく、
「〇〇の業務だけでも分担できないでしょうか」
「週に一度でも、書類作成の時間として〇分ほど確保できないでしょうか」
といったように、具体的な提案として話すと、相手も対応を検討しやすくなります。

もちろん、園によってはすぐに変えられない事情もあります。
それでも、「声を上げてよかった」と感じることも多く、同じように負担を抱えていた同僚が「実は私も…」と本音を話してくれるきっかけになる場合もあります。

限界を超える前に「環境を変える」という選択肢を持つ

今の職場で工夫できることを試してみても、どうしても変わらないことがあります。
人員配置の問題や、園全体の文化、運営方針など、個人の努力だけではどうにもならない部分が残ることも現実です。

そうしたとき、「頑張り続ける」以外の選択肢として、「環境を変える」という考え方を持っておくことは、とても大切です。
転職は、決して逃げではありません。
むしろ、自分の心と体を守り、保育士として長く働き続けるための一つの方法です。

「子どもたちが好きだから、ここを離れたくない」と感じるのは、ごく自然なことです。
同時に、「このままでは、自分の健康が持たないかもしれない」と感じているのであれば、それは立ち止まるべきサインだと受け止めてよいと思います。

自分に合った働き方ができる職場は、必ずどこかにあります。
一人で抱え込まず、情報収集や相談を通して、「今とは違う生き方」を選ぶ準備を少しずつ進めていけるとよいですね。

働きやすい園を選ぶためのチェックポイント

残業・持ち帰り仕事・行事のボリュームを確認する

転職を考えるとき、多くの保育士が気にするのが「残業時間」と「持ち帰り仕事の有無」です。
求人情報だけでは見えにくい部分だからこそ、見学や面接の場で、遠慮せずに確認してほしいポイントでもあります。

例えば、
・一か月の平均残業時間はどれくらいか
・持ち帰り仕事は原則禁止か、それとも自己判断に任されているのか
・行事の数や規模、準備の進め方はどうなっているか
・壁面装飾や制作物に、どの程度の時間をかけているのか
といった問いかけは、その園の働き方を具体的にイメージする手がかりになります。

「忙しいときはあるけれど、みんなで協力しています」という答えだけでは、実際の負担感は分かりません。
可能であれば、
「行事前はどれくらい残業が増えますか」
「去年の運動会前は、一週間あたりどれくらいの残業がありましたか」
と、少し踏み込んだ聞き方をしてみるのも一つの方法です。

休日日数・シフトの組み方・有給の取りやすさ

長く働き続けるためには、休日日数やシフトの組み方も重要です。
「週休二日」と書いてあっても、実際には月に何回きちんと二連休が取れるのか、土曜日出勤の振替休はどの程度あるのか、といった点は、事前にチェックしておきたいところです。

また、有給休暇が実際にどのくらい取得されているかも、働きやすさを測る目安になります。
「有給消化率〇%」といった数字が求人に載っている場合もありますが、面接で
「職員はどれくらい有給を取っていますか」
「希望休はどの程度反映されますか」
と尋ねてみることで、園の姿勢が見えやすくなります。

シフトの組み方についても、
・早番や遅番の負担が特定の保育士に偏っていないか
・子育て中の職員や、家庭の事情がある職員への配慮があるか
などを意識して見てみると、自分のライフスタイルに合っているかどうかを判断しやすくなります。

園の保育観・職員同士の雰囲気

数字では測れない大切なポイントが、「園の保育観」と「職員同士の雰囲気」です。
見学の際には、園児や子どもたちがどのように過ごしているかだけでなく、保育士や職員同士がどんな言葉をかけ合っているかにも、さりげなく目を向けてみてください。

・子どもたちのつぶやきや遊びの広がりを大切にしているか
・「こうしなさい」と一方的に指示する場面ばかりになっていないか
・困っている同僚に声をかけている姿が見られるか
・話し合いの場で、意見の違いを大事にできているか
といった点から、その園が子どもたちの育ちを支えることと、職員の働きやすさの両方を大切にしているかが見えてきます。

「子どもたちの姿を見取ることを大事にしています」という言葉があったとき、その言葉が日々の保育の中でどのように生かされているのか、具体例を聞いてみるのも良いですね。

転職サービスや情報サイトを上手に活用する

一人で求人を探し、条件を比較していくのは、なかなか大変な作業です。
そこで、保育士向けの転職サービスや情報サイトを上手に活用することも、働き方を変えるうえでの大きな味方になります。

こうしたサービスでは、
・残業や持ち帰り仕事の実態に詳しいコーディネーターがいる
・園の雰囲気や職員構成など、求人票だけでは分からない情報が得られる
・自分の希望条件を整理する際に、客観的なアドバイスがもらえる
といったメリットがあります。

また、「どんな園が自分に合いそうか分からない」という段階でも、気軽に相談できる窓口として利用することができます。
働きながら情報収集をするのは大変ですが、こうしたサポートを活かすことで、少しずつ視野を広げていくことができます。

保育士資格を活かした働き方の選択肢や、具体的なサービスの比較については、保育士向けのキャリア情報をまとめた記事も参考になります。
例えば、保育士資格取得の通信教育や、働きやすさに配慮した職場への転職について解説しているページを読んでみると、自分なりの「これから」のイメージが描きやすくなるかもしれません。

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長時間労働から抜け出したい保育士からのよくある質問

Q1. 今の園を辞めるのは「逃げ」になってしまいますか?

「辞めたい」と考え始めたとき、多くの保育士さんが最初に抱くのが、この不安かもしれません。
しかし、自分の限界に気づき、心と体を守るために環境を変えることは、決して逃げではありません。

大切なのは、「なぜつらいのか」「何を大切にしたいのか」を整理したうえで、一歩を踏み出すことです。
自分の働き方を見直すことは、長く保育士として子どもたちの育ちを支えるための前向きな決断だと言えます。

Q2. 転職しても、同じような長時間労働の園だったらどうしよう?

「転職しても、結局どこも同じだったら…」という不安もよく聞かれます。
確かに、保育業界全体として、人手不足や業務量の多さといった課題はあります。
だからこそ、「どの園でも同じ」と思い込まず、事前の情報収集と、見学・質問の仕方が大切になります。

先ほど挙げたような、残業時間や行事の進め方、持ち帰り仕事の有無、園の保育観などを、遠慮せずに確認することが、ミスマッチを減らす一歩になります。
さらに、保育士向けの転職サービスなどを利用すると、「この園はどんな理由で退職する人が多いか」「長く勤めている職員がどれくらいいるか」といった、裏側の情報を教えてもらえることもあります。

Q3. 年齢が高くても、保育士としての転職はできますか?

「30代・40代・50代からの転職は難しいのでは?」と心配される方もいます。
しかし、保育の世界では、年齢を重ねていることが強みになる場面もたくさんあります。

子育て経験がある保育士は、保護者さんの気持ちに寄り添ったコミュニケーションが取りやすいことが多く、園としても頼りにされやすい存在です。
また、長年の社会人経験や、他業種で身につけたスキル(事務、接客、福祉など)は、保育園の運営や保護者対応にも活かすことができます。

実際に、「経験豊富な保育士を採用したい」と考えている園も増えています。
年齢だけであきらめてしまうのではなく、「自分のこれまでの経験を、どう保育に活かせるか」を整理しておくと、自信を持って一歩を踏み出しやすくなります。

Q4. 子どもたちや保護者さんに申し訳なくて、辞めると言い出せません

真面目な保育士さんほど、「自分が辞めたら、このクラスはどうなるだろう」「担当している園児のことが心配」と考えてしまいがちです。
その優しさは、保育士としての大きな長所です。
ただ、その思いだけで自分を支え続けてしまうと、心と体が限界に達してしまうこともあります。

「今の自分の状態で、どれくらいの期間なら頑張れそうか」
「このまま続けたとき、半年・一年後の自分はどうなっていそうか」
一度、未来の自分をイメージしてみる時間を持つことも大切です。

園としても、職員が突然体調を崩して長期休職や退職になってしまうより、余裕を持って引き継ぎの期間を確保できる方が助かる場合も多いものです。
自分を責めすぎず、「お互いにとって無理のないタイミング」を相談していけると良いですね。

これから試してみたい工夫

長時間労働に悩みながらも、「子どもたちのそばにいたい」と願う保育士さんは、全国にたくさんいます。
その気持ちを大切にしながら、自分自身の暮らしと心の健康も守っていくために、次のような小さな工夫から始めてみてはいかがでしょうか。

一つ目は、「一週間の働き方を書き出してみる」ことです。
何時から何時まで、どんな仕事をしているのか、残業や持ち帰り仕事にどれくらい時間を使っているのかを、まずは見える形にしてみていただけたらと思います。
それによって、「何となくつらい」状態から、「ここが負担になっている」と具体的に見えてきて、対策も立てやすくなります。

二つ目は、「信頼できる同僚や上司、一人で難しければ外部の相談窓口に、今の気持ちを言葉にしてみる」ことです。
話してみることで、自分の中のモヤモヤが少し整理され、「ここは変えられるかもしれない」というポイントが見つかることもあります。

三つ目は、「情報収集を通して、自分に合った働き方のイメージを広げてみる」ことです。
保育士向けのキャリア情報サイトや、保育士資格を活かした学び直し・転職の選択肢を紹介している下記ページを眺めてみると、「こんな働き方もあるんだ」と新しい発見があるかもしれません。

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長時間労働から抜け出すことは、簡単なことではありません。
それでも、「今の自分のしんどさ」に気づき、小さな一歩を踏み出すことで、少しずつ日常を取り戻していくことはできます。

どうか、子どもたちの育ちを支えるのと同じくらい、自分自身の心と体の声にも耳を傾けていただけたらと思います。
そして、「こんな働き方をしてみたい」と思える未来の自分の姿を、少しずつ思い描きながら、一つひとつできることから試してみていただけるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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