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保育観が合わないと感じる保育士へ|子どもと向き合える自分に合う園の見つけ方

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「もっと一人ひとりの子どもと丁寧に向き合いたい」

「子どもたちの遊びをもう少し見守りたいのに、次の活動へ急がせてしまう」

「園の方針に合わせて保育をしているけれど、自分が大切にしたい保育とは少し違う気がする」

そんな思いを抱えながら働いていませんか。

保育士の仕事は、決められた活動を進めることだけではありません。

園児一人ひとりの表情や言葉、遊び方の変化など、その日の姿を丁寧に見取りながら、必要な環境や関わりを考えていくことが大切です。

子どもたちの育ちを支えるために、「もう少し待ってみよう」「今は声を掛けずに見守ってみよう」と考えることも、保育士の専門性の一つです。

しかし、園によって大切にしている保育は異なります。

自分が大切にしたい保育と園の方針が大きく違うと、「保育士の仕事そのものが向いていないのかな」と感じることもあるかもしれません。

けれども、保育そのものが嫌なのではなく、現在の園と自分の保育観が合っていない場合もあります。

この記事では、

  • そもそも保育観とは何か
  • 園の保育観が合わないと感じる理由
  • 自分の保育観を整理する方法
  • 自分に合う園を見つけるポイント
  • 園見学や面接で確認したいこと

について、分かりやすく紹介します。

「今の園で働き続けるべきか」「もっと自分に合う環境があるのでは」と悩んでいる方は、これからの働き方を整理する材料として参考にしてみてください。

そもそも「保育観」とは?

「保育観」という言葉を聞くと、少し難しく感じるかもしれません。

簡単にいうと、保育観とは、

子どもをどのように捉え、どんな育ちを大切にし、保育者としてどのように関わりたいかという、その人なりの保育の考え方

です。

例えば、

  • 子ども自身が考えたり選んだりする時間を大切にしたい
  • できた結果だけでなく、そこまでの過程を大切にしたい
  • 子どもの興味や「やってみたい」という気持ちから遊びを広げたい
  • 一人ひとりの発達や個性に合わせて関わりたい

という考え方も、一つの保育観です。

保育観に絶対的な正解があるわけではありません。

保育士によって考え方は少しずつ違いますし、園にもそれぞれの理念や方針があります。

大切なのは、自分がどんな保育をしたいのかをある程度理解していることです。

自分の保育観が分からないまま働いていると、「なぜか毎日モヤモヤする」という状態になりやすいことがあります。

反対に、「自分は子どもの主体性を大切にしたい」「一人ひとりの姿を丁寧に見取りたい」と分かっていると、自分に合う職場についても考えやすくなります。

「園の保育観が合わない」と感じるのはどんなとき?

子どもたちと向き合う時間が足りない

保育士になったとき、

「子どもたちとたくさん関わりたい」

「一人ひとりの成長をそばで支えたい」

という思いを持っていた方も多いのではないでしょうか。

ところが実際に働いてみると、保育以外にも多くの仕事があります。

記録や書類、行事準備、制作物、会議、保護者さんへの対応など、保育士の仕事は幅広くあります。

もちろん、どれも園を運営するために必要な仕事です。

しかし、それらに追われることで、目の前の子どもたちとゆっくり関わる時間が少なくなっているなら、「自分がしたかった保育と違う」と感じることがあります。

例えば、園児が夢中になって遊んでいて「もう少し続ければ遊びが広がりそう」と感じているのに、次の活動時間だから片付けを促さなければならない。

こうした経験が積み重なると、保育士自身が苦しくなることがあります。

園の方針と自分が大切にしたい保育が違う

園によって、保育の進め方は異なります。

一斉活動を大切にしている園もあれば、子どもの自由な遊びを中心にしている園もあります。

行事に力を入れている園もあれば、日々の生活や遊びを中心に考えている園もあります。

どちらかが正しく、どちらかが間違っているわけではありません。

問題になるのは、園が大切にしていることと、自分が大切にしたいことの違いが大きい場合です。

例えば、「子ども自身が考える時間を大切にしたい」と考えているのに、活動の内容や進め方が細かく決められていて、自分で工夫できる余地がほとんどない。

このような状態が続くと、「もっと違う保育がしたい」と感じるようになります。

職員同士で保育について話し合えない

保育は、一人で行う仕事ではありません。

担任だけでなく、同僚や主幹、園長など、さまざまな職員が関わりながら子どもたちを支えていきます。

「今日の○○ちゃんの姿、どう感じた?」

「最近この遊びが続いているから、こんな環境を用意してみたらどうだろう?」

そんな会話が自然にできる園では、保育士同士が子どもの姿を共有しながら保育を考えることができます。

一方で、決められたことをこなすことが優先され、保育について話し合う機会がほとんどない場合、自分の考えを持っている保育士ほど物足りなさを感じることがあります。

職員同士で保育について語れる環境があるかどうかは、自分の保育観を大切にして働くうえで重要です。

「保育」より業務をこなすことが優先になっている

忙しい園では、どうしても「今日やるべき仕事を終わらせること」が優先されることがあります。

  • 行事の準備
  • 制作物の作成
  • 書類の作成・提出

もちろん、それらも必要です。

しかし、業務をこなすことに追われ、園児の姿を見取ったり、子どもたちの遊びについて職員同士で話したりする時間がほとんどなくなっているなら、一度立ち止まって考えてみてもよいでしょう。

保育士の仕事は、作業を終わらせることだけではありません。

目の前の子どもの姿から何を感じ、次にどんな環境を用意するかを考えることも大切な仕事です。

「子どもに寄り添う」とはどういうこと?

「子どもに寄り添う保育をしたい」

という言葉はよく使われます。

ただし、「寄り添う」というのは、子どもの希望をすべて受け入れることではありません。

例えば、園児がなかなか片付けをしないとき、「言うことを聞かない」と行動だけを見るのではなく、

「まだ遊びを続けたいのかな」

「途中まで作ったものを壊したくないのかな」

「片付け方が分からず困っているのかな」

と、その背景を考えてみます。

そして、その姿を見取ったうえで必要な関わりを考えます。

「ここまで作ったものは残しておこうか」

「一緒に片付ける場所を考えよう」

という関わりが必要な場合もあるでしょう。

子どもの思いや興味を理解しながら、その子に必要な環境や関わりを考える。

それが、子どもの育ちを支える保育につながります。

自分の保育観を一度言葉にしてみよう

「今の園と合わない」と感じたとき、すぐに転職先を探す前にやってほしいことがあります。

それは、自分の保育観を言葉にしてみることです。

次のような問いについて考えてみてください。

  • 子どもたちのどんな姿を大切にしたいですか?
  • 園児が困っているとき、どのように関わりたいですか?
  • 保育をしていて「楽しい」と感じるのはどんなときですか?
  • 反対に、「こういう保育はしたくない」と感じるのはどんなときですか?
  • 数年後、どんな保育士になっていたいですか?

最初からきれいな文章にする必要はありません。

例えば、

「子どもの主体性を大切にしたい」

だけでも構いません。

そこからもう一歩具体的にして、

「子どもが自分で遊びを選び、試したり考えたりできる時間を大切にしたい」

とすると、自分の考えがより明確になります。

保育観が言葉になってくると、今の園との違いも見えやすくなります。

そして転職を考える場合にも、「給与が高い園」だけでなく、「自分のしたい保育ができる園」という基準で探せるようになります。

保育観が合わなくても、すぐ転職する必要はない

「園の方針と合わない」と感じても、すぐに転職する必要はありません。

まずは、今の園で改善できる可能性があるかを考えてみましょう。

例えば、クラス内で保育の進め方を相談してみる。

主幹や園長に、「こういう保育を取り入れてみたい」と提案してみる。

活動の一部だけでも、子どもの興味から展開できないか考えてみる。

このような小さな工夫によって、自分の保育観を生かせることもあります。

また、園側が職員の意見を聞きながら保育を変えていく風土であれば、自分から提案することで環境が変わる可能性もあります。

一方で、園全体の理念や方針そのものが自分の考えと大きく違う場合、一人の保育士だけで変えることは難しいこともあります。

大切なのは、「自分がもっと我慢すればいい」と考え続けるのではなく、今の園で変えられることと、自分だけでは変えにくいことを分けることです。

環境を変えることを考えてもよいサイン

次のような状態が長く続いているなら、別の園について情報を集めてみるのも一つの方法です。

  • 自分が大切にしたい保育をほとんど実践できない
  • 園の保育方針について相談しても話し合うことが難しい
  • 子どもの姿より、決められた活動を進めることが常に優先されている
  • 自分の保育に疑問を感じながら働き続けている
  • 他園の保育を見て「こういう保育がしたい」と強く感じる

ただし、これは「当てはまったら転職すべき」という意味ではありません。

自分の働き方を整理するための目安として考えてください。

もし「保育観だけでなく、そもそも仕事がつらい」「保育士を辞めたい」「このまま働き続けるべきか迷っている」という場合は、まず気持ちを整理するところから始めるのがおすすめです。

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自分の保育観に合う園にはどんな特徴がある?

子どもの姿から保育を考えている

自分に合う園を探すとき、ホームページに書かれた理念だけを見るのではなく、実際にどのような保育が行われているかを見ることが大切です。

例えば、職員が「計画どおりに活動できたか」だけではなく、

「今日は○○ちゃんがこんな遊び方をしていた」

「昨日とは違う姿が見られた」

といった園児の姿について話している園は、子どもの姿から保育を考えている可能性があります。

子どもの育ちを支える保育では、計画だけでなく、実際の園児の姿を見ながら環境や関わりを変えていくことも大切です。

職員同士で保育について話せる

保育士が安心して意見を出せる環境も重要です。

新人だから意見を言えない。

経験年数が長い職員の考えに必ず合わせなければならない。

そんな環境では、自分の保育観を大切にすることが難しくなる場合があります。

反対に、

「どう思う?」

「ほかにいい方法はないかな?」

と職員同士で考えられる園では、経験年数に関係なく保育について学び合いやすくなります。

園の理念と実際の保育が一致している

ホームページに「子どもの主体性を大切にしています」と書かれていても、それだけで判断することはできません。

実際に見学してみると、保育士が活動を細かく指示している場合もあります。

逆に、ホームページでは簡潔にしか説明されていなくても、実際の保育では園児の興味や姿を大切にしている園もあります。

理念だけではなく、「日常の保育でどう実践されているか」を確認することが大切です。

職員の考えを受け止める環境がある

園長や主幹から一方的に指示されるだけではなく、保育士の考えを聞く機会があるかも重要です。

もちろん、園として統一する必要があることもあります。

しかし、その中でも、

「あなたはどう思いますか?」

と職員の考えを聞く文化があれば、一人ひとりの専門性を生かした保育につながりやすくなります。

園見学で「保育観が合う園」を確認するポイント

自分に合う園を見つけるには、求人票だけで判断せず、できれば園見学をしてみましょう。

園見学では、建物の新しさや設備だけではなく、実際の保育を見ます。

特に確認したいのは次の点です。

  • 園児がどのように遊んでいるか
  • 保育士が子どもたちへどのような言葉を掛けているか
  • 職員同士が自然に声を掛け合っているか
  • 子どもが自分で選んだり考えたりする時間があるか
  • 園内の掲示や記録から日々の保育が伝わってくるか

例えば、園児が何かに夢中になっているとき、保育士がすぐに答えを教えるのか、それとも少し待って子ども自身が考える姿を見守っているのか。

こうした場面には、その園の保育観が表れます。

また、園長や案内してくれる職員の説明だけでなく、実際に保育している職員や子どもたちの表情を見ることも大切です。

面接で保育観を確認するために聞きたい質問

面接は、園側が応募者を見る場であると同時に、応募者が園について知る場でもあります。

自分の保育観と合うか確認するために、具体的な質問をしてみましょう。

例えば、

  • 「園ではどのような保育を大切にしていますか?」
  • 「保育について職員同士で話し合う時間はありますか?」
  • 「職員から保育について提案することはありますか?」
  • 「子どもの興味によって活動内容が変わることはありますか?」
  • 「保育の振り返りはどのように行っていますか?」

といった質問です。

質問への回答だけでなく、「具体的な事例を交えて説明してくれるか」も確認してみてください。

実際の日常保育をイメージできる回答が返ってくる園であれば、保育方針が職員にも共有されている可能性があります。

自分に合う園を探すときの「譲れない条件」を決めよう

自分の保育観が整理できたら、次は転職先に求める条件を考えます。

ただし、すべてを満たす園を探そうとすると、なかなか決められません。

そこで、「これだけは大切にしたい」という条件を3つ程度に絞ってみましょう。

例えば、

保育観に関する条件として、「子どもの主体性を大切にしている」。

働き方に関する条件として、「記録などの事務時間が勤務時間内に確保されている」。

職員関係に関する条件として、「職員同士で保育について相談できる」。

というように整理できます。

給与や休日ももちろん大切です。

ただ、自分の保育観を大切にしたいのであれば、「どんな保育ができるか」も同じように条件へ入れてみてください。

自分の保育観に合う園を探す方法

「自分がどんな保育をしたいのか」が見えてきたら、次はその条件に合う園があるかを調べてみましょう。

転職活動というと、「今の園を辞めると決めてから始めるもの」と考える方もいるかもしれません。

しかし、まず求人情報を見て、ほかの園にはどのような保育方針や働き方があるのかを知るだけでも構いません。

選択肢を知ることで、

「やっぱり今の園で改善できることを考えてみよう」

と思うこともあれば、

「こういう保育をしている園なら働いてみたい」

と感じることもあります。

保育士向けの転職サービスによって、取り扱っている求人や対応地域、サポート方法などは異なります。

どのサービスが自分に合っているか比較してから考えたい方は、次の記事も参考にしてください。

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まとめ|自分の保育観が分かると「合う園」も見つけやすくなる

「もっと子どもと向き合いたい」

「今の園の保育方針と、自分がしたい保育が違う」

そんな気持ちがあると、「自分は保育士に向いていないのかな」と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、保育そのものが嫌なのではなく、現在の園と自分の保育観が合っていないだけかもしれません。

まずは、自分がどんな保育をしたいのかを言葉にしてみてください。

園児のどんな姿を大切にしたいのか。

子どもたちにどのように関わりたいのか。

どんな場面で「保育って楽しい」と感じるのか。

自分の保育観が少しずつ見えてくると、今の園で変えられることも、自分だけでは変えにくいことも分かりやすくなります。

そして環境を変える場合にも、「なんとなく働きやすそう」という理由だけではなく、自分が大切にしたい保育を基準に園を選べるようになります。

保育士自身が安心して働けることは、子どもたちの姿を丁寧に見取り、その育ちを支えることにもつながります。

今の園で続けることも、新しい環境を探すことも、どちらか一方が正解ではありません。

大切なのは、

「自分はどんな保育をしたいのか」

という軸を持って考えることです。

もし「自分の保育観に合う園には、どんな求人があるのだろう」と気になったら、まず複数の転職サービスを比較してみてもよいでしょう。

保育士向け転職サービスを比較してから考えたい方はこちら。

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参考

・こども家庭庁「保育所保育指針・保育に関する情報」
・厚生労働省「保育人材の確保」
・こども家庭庁「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」

  • この記事を書いた人

子育て園長

認定こども園の園長として、子どもたちの育ちや保護者相談、発達支援、職員育成に関わっています。保育・幼児教育を軸に、心理学や脳科学の考え方も取り入れながら、子どもたち一人ひとりの姿を大切にした園づくりをしています。家庭では、10歳の娘と7歳の息子を育てる父親です。このサイトでは、園長としての経験をもとに、子育て・保育・発達・学びについて、やさしく分かりやすくお伝えします。

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