
「何度説明しても、なかなか伝わらない」
「予定が変わると、泣いたり怒ったりしてしまう」
「音や人の多い場所をとても嫌がる」
お子さんの発達が気になっているお父さん、お母さんの中には、このような姿を見て「どう関わればいいのだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
一生懸命声をかけているのに、うまくいかない。
何度伝えても同じことが起こる。
そんな日が続くと、「もっと厳しく教えた方がいい?」「自分の伝え方が悪いのかな?」と不安になることもありますよね。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性があるお子さんとの関わりでは、お子さんを大人の生活に合わせようとするだけでなく、「どうしたらお子さんにとって理解しやすくなるだろう?」と環境や伝え方を見直すことも大切です。
ASDといっても、その姿は一人ひとり違います。
同じ年齢、同じ診断名であっても、得意なことや苦手なことは同じではありません。
この記事では、
- ASD特性を持つお子さんの行動を見るポイント
- 家庭で安心して過ごすための環境づくり
- 伝わりやすい声かけ
- こだわりや切り替えへの関わり方
- 家庭療育を進めるときの考え方
について、できるだけわかりやすく紹介します。
「ASDの特性にはこの方法」と決めつけるのではなく、目の前のお子さんの姿を見取りながら、一緒に考えていきましょう。
ASD特性を持つお子さんとの関わりで最初に大切にしたいこと
ASDの特性はお子さん一人ひとり違う
ASDについて調べていると、「こだわりが強い」「コミュニケーションが苦手」といった特徴を目にすることがあります。
ただし、すべてのお子さんに同じ姿が見られるわけではありません。
例えば、言葉をたくさん話せるお子さんでも、相手の表情や場面から気持ちを読み取ることが難しい場合があります。
反対に、言葉はまだ少なくても、写真や絵を見ると状況を理解しやすいお子さんもいます。
大切なのは、「ASDだからこうだろう」と考えるのではなく、
「この子には何がわかりやすいのかな?」
と考えることです。
診断名だけではなく、目の前のお子さんの姿を見ることが、育ちを支える第一歩になります。
「困った行動」ではなく「困っている姿」と考えてみる
例えば、お出かけしようとした途端に、お子さんが大きな声で泣き始めたとします。
大人から見ると、
「せっかく出かけるのに、どうして?」
と思ってしまうかもしれません。
でも、お子さんからすると、「どこへ行くのかわからない」「いつ帰るのかわからない」と不安になっている可能性もあります。
そう考えると、必要なのは叱ることではなく、
「公園に行って、そのあと家に帰るよ」
と見通しを伝えることかもしれません。
行動だけを見て「困った行動」と捉えるのではなく、
「このとき、この子は何に困っていたのかな?」
と考えてみましょう。
できないことだけでなく「できること」を手がかりにする
発達が気になると、どうしても「できないこと」に目が向きやすくなります。
でも、お子さんを支えるヒントは「できること」の中にもあります。
例えば、口頭の説明では動けないけれど、写真を見れば行動できる。
集団では落ち着きにくいけれど、一対一なら集中できる。
こうした姿は、お子さんの得意な理解の仕方を教えてくれています。
「何ができない?」だけでなく、
「どんな方法ならできる?」
という視点を持ってみましょう。
ASD特性のあるお子さんが安心しやすい家庭環境をつくる4つの工夫
「次に何をする?」を見えるようにする
ASD特性のあるお子さんの中には、先の見通しが持てないことで不安を感じやすいお子さんがいます。
例えば朝、
「早く準備して!」
と伝えるだけでは、何をどの順番ですればよいのかわからないことがあります。
そんなときは、
- 朝ごはん
- 着替え
- 歯みがき
- 園へ出発
という流れを写真や絵で見えるようにします。
大切なのは、きれいな予定表を作ることではありません。
お子さん自身が「次はこれ」と確認できることです。
物の場所・活動する場所をわかりやすくする
おもちゃを片づけてほしいとき、
「ちゃんと片づけて」
だけでは、どこへ片づけるのかわかりにくいことがあります。
例えば、車を入れる箱には車の写真、ブロックを入れる箱にはブロックの写真を貼ります。
家庭療育をするときだけ決まった机を使う方法もあります。
「ここでは何をするのか」がわかりやすくなることで、自分で行動しやすくなる場合があります。
こうした「環境をわかりやすく整える」という考え方をさらに知りたい方は、TEACCHについての記事も参考にしてみてください。
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音や光などの刺激が多すぎないか考える
ASD特性のあるお子さんの中には、音や光、においなどを強く感じるお子さんもいます。
例えば、スーパーへ行くと毎回泣いてしまうお子さんがいたとします。
その姿だけを見ると、「買い物が嫌なのかな?」と思うかもしれません。
でも実際には、店内の音や照明、人の多さなどが負担になっている可能性もあります。
家庭でも、
- テレビの音が大きすぎないか
- 照明がまぶしすぎないか
- 人の出入りが多く落ち着きにくくないか
と環境側から考えてみます。
お子さんを変えることだけではなく、環境を少し変えることで過ごしやすくなる場合があります。
安心して休める場所をつくる
家族と一緒に過ごすことは大切です。
一方で、お子さんによっては刺激から少し離れて、一人で落ち着く時間が必要なこともあります。
部屋を新しく用意する必要はありません。
部屋の隅に小さなスペースをつくったり、お気に入りのクッションを置いたりする方法もあります。
ただし、そこを「怒ったときに入れられる場所」にはしません。
お子さん自身が「ここに来ると落ち着く」と感じられる場所にしていきましょう。
ASD特性に合わせた家庭での声かけ・伝え方
「ちゃんとして」より短く具体的に伝える
私たちは日常的に、
「ちゃんとして」
「早くして」
といった言葉を使います。
しかし、こうした表現は、お子さんにとって「具体的に何をすればいい?」がわかりにくい場合があります。
例えば、
「ちゃんと片づけて」
ではなく、
「車を赤い箱に入れよう」
と伝えます。
「早く準備して」ではなく、
「まず靴下を履こう」
と伝えます。
具体的な言葉に変えることで、次の行動をイメージしやすくなります。
一度にたくさん伝えず、一つずつ伝える
朝の忙しい時間には、
「着替えて、歯を磨いて、かばんを持って!」
と一度に言いたくなりますよね。
でも、複数の指示を一度に受け取ることが難しいお子さんもいます。
そんなときは、
「まず着替えよう」
と伝えます。
着替えが終わったら、
「次は歯みがきだよ」
と続けます。
「聞いてくれない」と考える前に、「一度に伝える情報が多かったかな?」と考えてみることも大切です。
言葉だけでなく写真や絵を使う
何度言っても伝わらないと、大人はつい説明を増やしたくなります。
でも、お子さんによっては、言葉が増えることでさらにわかりにくくなることがあります。
そんなときは、写真や絵など「見てわかるもの」を使ってみましょう。
日常生活ですぐ使える具体的な言葉をもっと知りたい方は、場面別にまとめた声かけの記事も参考になります。
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こだわり・切り替え・かんしゃくへの関わり方
こだわりを無理にやめさせる前に理由を考える
「いつも同じ道を通りたがる」
「同じ服ばかり着たがる」
「物の並びが変わると怒る」
こうした姿を見ると、ご両親は「このこだわりをなくした方がいいのかな?」と悩むかもしれません。
でも、こだわりがお子さんにとって安心するための手がかりになっている場合があります。
まず、
「なぜこれが必要なのかな?」
と背景を考えてみましょう。
すぐにやめさせるのではなく、お子さんの安心を保ちながら少しずつ経験を広げる方法もあります。
こだわりが強いときの具体的な対応について知りたい方は、家庭でできる工夫をこちらでも詳しく紹介しています。
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切り替えが難しいときは「予告」と「次」を伝える
楽しく遊んでいる途中で突然、
「もう終わり!」
と言われたら、大人でも残念に感じますよね。
切り替えが苦手なお子さんには、終わりを少し前に伝えてみます。
例えば、
「あと1回したらおしまいだよ」
と予告します。
さらに、
「終わったらお風呂だよ」
と次の予定まで伝えます。
終わることだけではなく、その後に何があるのかがわかると、見通しを持ちやすくなります。
かんしゃくの最中は説明しすぎない
お子さんが大きく泣いたり怒ったりすると、
「どうしてそんなことするの?」
と理由を聞きたくなります。
でも、気持ちが大きく高ぶっているときには、言葉を受け取る余裕がない場合があります。
まずはお子さんと周囲の安全を確保します。
そして、声をかけすぎず、落ち着くのを待ちます。
振り返るのは、その後でも構いません。
「かんしゃくを絶対に起こさせない」ことだけを目標にするのではなく、どんなときに起こりやすかったのかを見取ることも大切です。
ASD特性のあるお子さんとの関わりで注意したいこと
「できるようにすること」ばかりを優先しない
発達支援というと、「できないことを練習する」と考えやすいものです。
もちろん、新しい力を育てていくことも大切です。
でも、家庭の時間すべてを練習にする必要はありません。
家庭には、
- 安心して休む時間
- お父さん、お母さんと遊ぶ時間
- 好きなことを楽しむ時間
も必要です。
「今日は楽しく遊べた」
それも大切なお子さんの育ちです。
お子さんに合わせようとして親御さんが疲れ切らないようにする
「この子のために」と環境を整え始めると、ご両親が頑張りすぎてしまうことがあります。
- 予定表も作る
- 絵カードも作る
- 毎日の記録もする
すべてを完璧にしようとすると、家庭療育そのものが負担になってしまいます。
まずは一番困っている場面を一つだけ選びましょう。
家庭で無理なく続けられることも大切です。
ASD特性への関わり方に「絶対の正解」はない
ある方法を試したけれど、うまくいかなかった。
そんなこともあります。
それは、お子さんが悪いわけでも、ご両親の関わりが失敗だったわけでもありません。
「この方法はわかりにくかったのかな?」
と考え、少し変えてみます。
- 写真を絵に変える
- 伝える言葉を短くする
- 活動する場所を変える
お子さんの反応を見ながら調整していくことが大切です。
家庭だけで抱え込まない
発達への心配が大きい場合や、日常生活で強い困りごとが続いている場合は、家庭だけで解決しようとしなくても大丈夫です。
園や学校、自治体の相談窓口、児童発達支援、医療機関などに相談する方法があります。
家庭療育は、専門的な支援の代わりになるものではありません。
家庭と園、必要に応じて専門機関がそれぞれの立場からお子さんの姿を見取り、一緒に育ちを支えることが大切です。
家庭での関わりを順序立てて考えたいなら四谷学院「療育55レッスン」
「家庭で何をすればいい?」と迷う親御さんへ
ここまで、ASD特性を持つお子さんとの関わり方や環境づくりを紹介してきました。
でも実際には、
「考え方はわかったけれど、わが家では何から始めればいい?」
と迷う親御さんもいるでしょう。
家庭療育をもう少し順序立てて進めたいと考えたときの選択肢の一つが、四谷学院「療育55レッスン」です。
療育55レッスンは、発達が気になるお子さんが家庭で取り組めるプログラムです。
いきなり受講を決める必要はありません。
「家庭でどんな課題に取り組むのか」「親御さんがどのように関わるのか」を知るためにも、まず実際の教材内容を確認してみるとよいでしょう。
四谷学院の「療育55レッスン」
年齢だけでなく「できること」に合わせて7段階から選べる
療育55レッスンは、A~Gの7段階に分かれています。
開始段階を年齢だけで決めるのではなく、お子さんの今の「できること」を見ながら選べることが特徴です。
各段階には55の学習ステップがあり、1回10~15分程度を目安に家庭で取り組めます。
今回の記事で紹介してきた関わり方とも共通するのは、
「ASDだから、この課題」
と決めるのではなく、
「今のうちの子は、どこまでできている?」
という姿を見ることです。
無料判定テストも用意されているため、家庭療育を始めたいけれど、どの段階から考えればよいかわからない方は、まず確認してみるとよいでしょう。
四谷学院の「療育55レッスン」
指導書と専任担任のサポートがある
家庭療育では、教材そのものだけではなく、
「どう教えればいい?」
「嫌がったときはどうする?」
といった関わり方に迷うことがあります。
療育55レッスンには、ご両親が課題の目的や進め方を確認するための指導書があります。
また、専任担任による個別サポートも用意されているため、家庭で一人ですべてを考えるのが不安な親御さんにとって、一つの選択肢になります。
無料判定テストでは、指導書やカードのサンプルも確認できます。
教材が気になったとしても、すぐに申し込む必要はありません。
実際の内容を確認し、
「この教材なら、わが家でも続けられそうかな?」
と考えてみましょう。
療育55レッスンの料金や特徴、メリットだけでなく注意点も確認してから判断したい方は、詳しくまとめた記事も参考にしてください。
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よくある質問とまとめ|これから試してみたい工夫
ASDの診断がなくても家庭の環境を整えてよいですか?
診断がないからといって、家庭でわかりやすい環境をつくってはいけないわけではありません。
予定を見えるようにする。
伝える言葉を短くする。
こうした工夫は、お子さんが理解しやすいかどうかを見ながら取り入れられます。
ただし、発達について気になることが続いている場合は、家庭だけで判断せず、自治体の相談窓口や専門機関へ相談することも考えましょう。
ASD特性に合わせるとわがままになりませんか?
お子さんが理解しやすい環境を整えることと、すべての要求を受け入れることは違います。
守らなければならないことは、わかりやすく伝えます。
その一方で、お子さんが理解できていないことまで「言うことを聞かない」と決めつけないことも大切です。
「できるように伝えるにはどうすればいい?」
という視点を持ってみましょう。
兄弟姉妹がいる家庭でも環境調整できますか?
家全体を一人のお子さんに合わせる必要はありません。
困っている場面だけ工夫する方法があります。
例えば朝の支度だけ予定を見えるようにする。
お子さんが疲れたときだけ休める場所を用意する。
家庭全体が無理なく続けられる形を考えましょう。
まとめ|これから試してみたい工夫
ASD特性を持つお子さんとの関わりで、最初からたくさんのことを変える必要はありません。
これから試してみたい工夫として、まずは、
- 今、一番困っている場面を一つ選ぶ
- 行動だけでなく「何に困っているのかな?」と考える
- 声かけを短く具体的にする
- 写真や予定表など見てわかる方法を試す
- 音や光など環境の刺激も確認する
- お子さんの反応を見ながら方法を調整する
ところから始めてみましょう。
ASD特性を持つお子さんとの関わりで大切なのは、「ASDのお子さんにはこの方法」と決めることではありません。
- お子さんは何に困っているのか
- どんな方法なら理解しやすいのか
- どんな環境なら安心できるのか
そんな一人ひとりの姿を見取ることが、お子さんの育ちを支えることにつながります。
そして、
「家庭でできる工夫はわかったけれど、発達に合わせて何から取り組めばいいのかわからない」
と感じたときには、家庭療育向けの教材を利用する方法もあります。
四谷学院「療育55レッスン」では、無料判定テストや教材サンプルを確認できます。
まず実際の教材を見ながら、
「うちの子に合いそうかな?」
「わが家で無理なく続けられそうかな?」
と考えてみましょう。
四谷学院の「療育55レッスン」


