最近、「子どもにプログラミングを学ばせたい」という声をよく耳にします。
とはいえ、多くの親御さんが次のような悩みを抱えているのではないでしょうか。
プログラミングって難しそう…
どんな教材を選べばいいの？
お金をかけても続かなかったらどうしよう
こうした不安はとても自然なものです。実際、プログラミング教育が注目されている今でも、家庭でどう始めたらいいのか戸惑うパパやママは少なくありません。
でも安心してください。
実は、無料で気軽に始められる教材がいくつもあるのです。
しかも、それらの教材は「ゲーム感覚」で楽しく学べるものばかり。お子さんが自分のペースで挑戦しながら、「考える力」や「集中して取り組む力」を育てていくことができます。
この記事では、幼児教育の知見をもとに、家庭で取り入れやすい無料教材を３つご紹介します。
遊びながら学べる体験を通して、お子さんの育ちを支えるヒントをお届けします。
なぜ今、家庭でのプログラミング体験が注目されているのか
小学生から始まるプログラミング教育必修化の背景
2020年から、小学校でプログラミング教育が必修化されました。
といっても、いきなりプログラマーを目指す内容ではありません。目的は、「プログラミング的思考」――つまり、順序立てて考え、試行錯誤しながら問題を解決する力を育てることです。
この力は、将来どんな職業に就いても役立ちます。たとえば、文章を書くときに構成を考えることも、料理のレシピを工夫することも、すべては「考えて組み立てる力」から生まれます。
家庭でのプログラミング体験は、この「考える力」の土台を早い段階から育てる貴重な機会になります。
家庭で学ぶメリット
学校や塾に通わなくても、家庭で始めることで得られるメリットはたくさんあります。
まず、お子さんのペースに合わせて学べること。
「今日はちょっとだけ」「休みの日にまとめてやりたい」といった柔軟な学び方ができます。
また、親御さんもそばで成長の姿を見取ることができます。
「こんなふうに考えてるんだ」「自分で工夫してるな」と、お子さんの小さな変化を感じられるのは、家庭学習ならではの魅力です。
費用をかけずに始められる安心感
習い事を始めるとき、「続くかわからないのにお金をかけるのは不安」という方も多いですよね。
無料教材は、そんな悩みを解消してくれます。
パソコンやタブレットがあれば、今すぐ始められるものも多く、最初の一歩にぴったりです。
お子さんが楽しそうに画面を操作しているうちに、自然と学びの姿勢が育っていきます。
お子さんにおすすめの無料プログラミング教材3選
ここからは、家庭で取り入れやすく、楽しく学べる無料教材を３つご紹介します。
どれも教育機関での導入実績があり、信頼性の高いものです。
「無料＝簡易的」ではなく、しっかりと学びの質が確保されています。
① Scratch（スクラッチ）
Scratch（スクラッチ）は、アメリカ・MIT（マサチューセッツ工科大学）が開発した子ども向けプログラミング教材です。
ブロックをドラッグ＆ドロップしてつなげるだけで、キャラクターを動かしたり、音を鳴らしたり、ゲームを作ったりできます。
特徴
・操作が直感的でわかりやすい
・日本語対応している
・世界中の子どもたちと作品を共有できる
学びの効果
「どうすれば動くんだろう？」と考えながら試行錯誤することで、論理的思考力が自然に育ちます。
作品が完成したときの達成感は格別で、「もっと作りたい！」という意欲も生まれます。
親のサポートのコツ
お父さん・お母さんが一緒に「どうやって動くのかな？」と考えてあげるだけで十分です。
教えようとせず、“一緒に楽しむ姿勢”が、お子さんの意欲を支える大きな力になります。
② Minecraft Education（マインクラフト教育版）
次にご紹介するのは、世界中で人気のゲーム「マインクラフト」をベースにした教育版プログラムです。
遊びの延長でプログラミングの考え方を学べるのが最大の魅力です。
特徴
・ブロックを使って世界をつくる中で、問題解決力を育てる
・「コードビルダー」機能で、実際にプログラムを入力して動きを制御できる
・教育機関でも正式に採用されている
無料体験でできること
教育版には無料体験が用意されており、登録すればすぐにプレイできます。
最初はチュートリアルで操作を覚えながら、少しずつ自分の世界を作っていきます。
「遊びながら学ぶ」ことができるので、集中力が続かないお子さんにもおすすめです。
親が「すごいね！」「こうしたらどうなる？」と声をかけることで、探究の姿を支えることができます。
③ N予備校 プログラミング入門（無料公開）
N予備校はオンライン教育で有名なサービスですが、プログラミング講座の一部が無料公開されています。
ゲーム的な教材と異なり、「コードを学ぶ」本格的な構成になっているため、小学生の高学年や意欲的なお子さんに最適です。
特徴
・動画＋実践型の教材で理解が深まる
・自宅で好きな時間に取り組める
・わかりやすいインターフェースで安心
おすすめの理由
難しい専門用語も丁寧に解説されているので、親が詳しくなくてもサポート可能です。
「家庭でも本格的に学べる」教材として、プログラミングの基礎をしっかり身につけたいご家庭に向いています。
もしお子さんが“もっとやってみたい！”と感じたら、実際に体験できる学びの場を探してみましょう。
遊びながら学べるタイプや、親子で一緒に取り組める教室を厳選しています。
家庭で楽しく続けるコツ
無料のプログラミング教材は、始めやすい反面、「最初は興味を持ったけど、長く続かない」という声もよく聞きます。
お子さんの集中力やモチベーションを保ちながら、学びを日常の中に自然に取り入れるには、いくつかの工夫が必要です。
親が“教えよう”としないこと
プログラミング学習を始めると、多くの親御さんが「正しく教えなきゃ」と思ってしまいがちです。
けれど、プログラミングは「正解を教える」よりも「自分で試してみる」ことが大切な学びです。
たとえば、Scratchでキャラクターを動かすとき、最初から完璧に動かせなくても大丈夫です。
お子さんが「うまく動かない…」と言ったときに、「どこを変えたらいいと思う？」と声をかけてみてください。
この問いかけが、考える力を育て、挑戦する意欲を支えます。
親が答えを先に言ってしまうと、お子さんは「考える前に聞けばいい」と思ってしまいます。
「一緒に考える時間」が、プログラミングを通した最大の学びになるのです。
学ぶ環境づくりの工夫
続けるためには、環境づくりも大切です。
たとえば、「学び専用のスペース」を作るのも一つの方法。
リビングの一角にタブレットを置くだけでも、気持ちの切り替えがしやすくなります。
また、学ぶ時間を“特別な時間”にすることも効果的です。
「毎週土曜の朝はプログラミングタイム」などと決めておくと、習慣化しやすくなります。
さらに、「見取る姿勢」も大切です。
親が「上手にできたね」「自分で考えたね」と、お子さんの努力の姿を言葉にしてあげると、達成感が生まれます。
この肯定的な関わりが、お子さんの育ちを支えるエネルギーになります。
一緒に「作品を見せ合う時間」を楽しむ
無料教材の多くは、作品づくりが中心になっています。
ゲームやアニメーションを作ったあとに、「できた！」と喜ぶ瞬間を共有することは、お子さんにとって大きな励みになります。
たとえば、Scratchでは完成した作品を共有サイトにアップできます。
「こんな作品を作ったよ」「世界中の子も見てるんだよ」と話すことで、モチベーションがぐっと上がります。
親が「どうやって作ったの？」と関心を持つだけで、お子さんの学びは広がります。
“認められる”体験が、「もっと挑戦したい」という気持ちを引き出すのです。
無料教材を活かすための工夫
目的を「上手になること」ではなく「楽しむこと」に
無料教材を活かす最大のポイントは、“上達”を目的にしないことです。
「できる・できない」よりも、「考えること」「工夫すること」を大事にしてあげましょう。
プログラミングでは、思い通りに動かないことがよくあります。
けれど、失敗こそが学びの宝です。
お子さんが「あれ？なんで動かないんだろう」とつぶやいたら、それは「思考が始まった瞬間」。
親御さんは焦らず見守り、その過程を一緒に楽しむ姿勢を持ってみてください。
続けるための小さな目標を決める
「次はキャラクターを2体動かそう」「BGMをつけてみよう」など、小さな目標を設定すると達成感が積み重なります。
毎回「今日はここまでできたね」と振り返ることで、学びの過程を見取ることができます。
また、子どもは「自分で決めたこと」に取り組むときに集中力を発揮します。
「次はどんな作品を作りたい？」と尋ね、お子さん自身に目標を立てさせるのもおすすめです。
学びの“きっかけ”を増やす
日常生活の中にも、プログラミングにつながるきっかけはたくさんあります。
たとえば、料理の手順を一緒に考えることも、「順序立てて考える」トレーニングになります。
「まず材料をそろえる → 混ぜる → 焼く」といった流れは、プログラミングの「アルゴリズム」と同じ考え方です。
お父さん・お母さんが意識的に声かけをすることで、日常生活の中にも「学び」が広がっていきます。
家庭の中で“考える遊び”を取り入れることが、長く続けるためのコツです。
家庭での学びに慣れてきたら、次のステップとして教室体験に進むのもおすすめです。
体験ではプロの講師から直接学べ、お子さんの得意や関心をさらに伸ばすきっかけになります。
遊びながら学べるタイプや、親子で一緒に取り組める教室を厳選しています。
無料教材の注意点とデメリット
どんなに魅力的な教材でも、無料だからこその注意点があります。
あらかじめ理解しておくことで、家庭での学びをより安心して続けられます。
教材によっては「つまづきポイント」も
無料教材は基本的に「自分で学ぶ」スタイルです。
そのため、操作方法や問題解決の進め方を自分で考える必要があります。
最初は親御さんのちょっとしたサポートが必要になることもあるでしょう。
たとえばScratchでは、キャラクターを動かす順番が間違うと意図しない動きをします。
マインクラフト教育版では、コード入力を覚える段階で少し難しく感じることも。
でも、これは決して“壁”ではなく、“学びのチャンス”です。
「どうしてこうなるんだろう？」と考えることで、問題解決力がぐんと伸びます。
失敗を恐れずに挑戦する経験は、プログラミング以外の学びにもつながります。
フォローが少ない＝自分で工夫する力が育つ
無料教材では、講師による指導や質問対応がないケースがほとんどです。
そのため、わからない部分をどう乗り越えるかが重要になります。
ここで活躍するのが「親の見守り」です。
お父さん・お母さんが横で「ここまで頑張ったね」「調べてみようか」と声をかけるだけで、
お子さんは安心して挑戦を続けられます。
サポートが少ない分、“自分で考えて動く”力が育ちます。
これは、どんな学習にも共通する大切な姿勢です。
継続の壁：「飽きる時期」が必ず来る
どんな教材でも、最初のワクワクが落ち着いた頃に「少し飽きた」という時期が訪れます。
ここで無理に続けさせると、逆に苦手意識が生まれることがあります。
そんな時は、いったん距離を置いても大丈夫です。
「次は別のテーマでやってみよう」「違う教材を触ってみよう」と提案することで、
新しい刺激を与えられます。
お子さんの興味は波のように変化します。
親が“流れを見取る”ように寄り添いながら、その都度、楽しい方向へ導くことが大切です。
ステップアップのタイミングを見極める
無料教材を活用していると、「そろそろ次に進みたい」という時期がやってきます。
それは、お子さんが「もっと作ってみたい」「他の子の作品も見てみたい」と言い始めた時です。
そのサインを見逃さずに、新しい環境を提案してみましょう。
「もっと学びたい！」を応援する
無料教材で基礎ができたら、教室で学ぶステップに進むのが自然な流れです。
教室では、先生から直接アドバイスをもらいながら、より高度な課題に挑戦できます。
特に、他の子と一緒に学ぶ経験は、お子さんの成長を加速させます。
「自分も頑張ろう」と感じる瞬間が、次の挑戦の原動力になるのです。
教室で学ぶメリット
・一人では難しい課題も、講師のサポートで乗り越えられる
・仲間と協力しながら“社会的スキル”も育つ
・ゲームづくりやロボット制作など、家庭ではできない体験ができる
無料教材でプログラミングの楽しさを知ったら、次は教室体験で学びを広げてみましょう。
プロ講師による指導で、お子さんの“できた！”がどんどん増えていきます。
遊びながら学べるタイプや、親子で一緒に取り組める教室を厳選しています。
よくある質問（Q&A）
Q1. 無料教材だけで十分ですか？
A. 最初の体験としては十分です。ただし、長期的な学びにはサポートや交流の場が必要です。
教材だけでは得られない“継続する力”を育てるために、教室での体験を組み合わせるとより効果的です。
Q2. 親がプログラミングを知らなくても大丈夫？
A. まったく問題ありません。
「教える」より「一緒に学ぶ」姿勢が大切です。
教材自体が分かりやすく設計されているため、親御さんが特別な知識を持っていなくても安心して取り組めます。
Q3. どの無料教材を選べばいい？
A. 目的に合わせて選ぶのがコツです。
遊びながら学びたいなら「マインクラフト教育版」、創造的に表現したいなら「スクラッチ」、本格的に学びたいなら「N予備校」がおすすめです。
家庭でできる「これから試してみたい工夫」
無料教材を使った学びは、始めるのも続けるのも“親の関わり方”がカギになります。
ここでは、家庭でできる小さな工夫を３つの視点からご紹介します。
① 一緒に「できたね！」を共有する
プログラミング学習で最も大切なのは、「できた瞬間を一緒に喜ぶこと」です。
お子さんがプログラムを動かせたとき、上手に作れたとき、ぜひ「すごいね」「ここ工夫したんだね」と言葉にして伝えてください。
この“共感の言葉”は、次への意欲を育てる大きなエネルギーになります。
結果よりも過程を認めてあげることで、お子さんは「考えることそのものが楽しい」と感じられるようになります。
「親に見てもらえてうれしい」という経験が、学びのモチベーションを支えます。
プログラミングの成長は、実は“親子の対話”の中にこそあります。
② 学びを「日常」に溶け込ませる
プログラミングを特別な学びにせず、日常の中に自然に取り入れることも大切です。
たとえば、
料理の手順を一緒に考える
ブロック遊びで「どうすれば高く積めるか」を試す
家族旅行の計画を一緒に組み立てる
これらはすべて「順序立てて考える」「仮説を立てる」「試して修正する」というプログラミング的思考につながります。
「幼児教育の知見をもとに」見ても、子どもが自ら考えて動く経験は、探究的な学びの基礎をつくります。
日常の中で親がその姿を見取り、言葉にしてあげることで、お子さんの育ちを支えることができます。
③ 「ちょっと難しい」課題をあえて残す
すべてを手助けせずに、あえて少しだけ“わからない”部分を残すのも、学びを深めるコツです。
「この動きがうまくいかないな」「音が出ないのはなぜだろう」と悩む時間こそが、考える力を育てます。
お父さん・お母さんが「一緒に考えてみようか」と寄り添うだけで、お子さんは安心して挑戦できます。
すぐに答えを出さずに、“考える楽しさ”を共有することが、長く続く学びの土台になります。
まとめ：無料教材で広がる「未来の学び」
プログラミング教育は、単に技術を身につけるためのものではありません。
自分で考え、工夫し、あきらめずに挑戦する力を育てる学びです。
無料教材を使えば、費用をかけずにお子さんの興味を引き出すことができます。
「やってみたい！」という気持ちが生まれた瞬間を逃さずに、少しずつ環境を整えてあげましょう。
Scratchで創造力を育て、Minecraft Educationで探究心を刺激し、N予備校で基礎を深める――。
それぞれの教材が、お子さんの学びの入り口としてぴったりです。
そして、もしお子さんが「もっと挑戦してみたい」と感じたら、その気持ちを大切にしてあげてください。
無料教材で楽しく学びを始めたお子さんが、次のステップに進みたくなったら――。
実際に教室で体験してみることで、“考える力”と“やり抜く力”がさらに伸びていきます。
遊びながら学べるタイプや、親子で一緒に取り組める教室を厳選しています。
最後に：お父さん・お母さんへ
子どもの学びは、親がすべてを教えなくても自然に育っていきます。
大切なのは、「見守りながら支える」姿勢です。
お子さんが困っているとき、うまくいかないときに、「どうしたらできると思う？」と問いかけてあげてください。
その一言が、子ども自身の思考を促し、解決する力を引き出します。
プログラミングは、「失敗してもいい」「何度でもやり直せる」学びです。
その経験を通して、お子さんは自分を信じる力を育てていきます。
今日ご紹介した無料教材が、ご家庭での“最初の一歩”になることを願っています。
親子で楽しく取り組みながら、お子さんの未来をいっしょに応援していきましょう。
