
「この園が好きなのに、最近しんどい」。
「子どもたちともっと丁寧に関わりたいのに、毎日が時間との勝負」。
そんな気持ちを抱えながら働いている先生は少なくないと思います。
保育は、正解が一つではありません。
だからこそ、園の方針やチームの雰囲気と自分の大切にしたいものが少しずつずれていくと、心がすり減ってしまいます。
それは、あなたの頑張りが足りないからではないです。
園児の姿を見取って、育ちを支えたいという思いがあるからこそ生まれる迷いです。
この記事では、幼児教育の知見をもとに、自分の保育観を整理しながら、無理なく続けられる園と出会うための考え方をまとめます。
いきなり大きな決断をするのではなく、まずは自分の軸を見つけるところから一緒に進めていきましょう。
自分の保育観が揺れるのは自然なこと
「もっと丁寧に関わりたい」のに時間が足りない
朝の受け入れ、活動、給食、午睡、連絡帳、会議、行事準備。
気づけば一日が終わっている。
そんな日が続くと、「今日、私は子どもたちの何を見取れただろう」と立ち止まりたくなることもあります。
特に、クラス運営と事務仕事の両立は悩みが深くなりやすいところです。
同僚と協力したくても余裕がなく、声をかけるタイミングさえ逃してしまう。
その積み重ねが孤独感につながることもあります。
園児の姿を見取る余白が削られると起きること
子どもたちの小さな変化は、忙しさの中でこぼれやすいです。
「本当は今日のあのやりとりを、もう少し一緒に味わいたかった」。
そんな後悔が増えると、保育の手応えが薄れてしまいます。
保育観が揺れるのは、あなたが真剣に子どもたちの育ちを考えている証拠です。
まずは、その気持ちを否定しないことが大切です。
価値観のズレは努力不足ではなく相性の問題
例えば、行事に力を入れる園もあれば、日常の遊びを大切にする園もあります。
保護者さんとの関わり方やチームのコミュニケーションの形も、園ごとに色があります。
Aさんは、行事中心の園で長く働いていました。
やりがいはあったものの、準備が常に最優先になり、子ども主体の遊びを広げる時間が取れませんでした。
「私の保育って、これでいいのかな」と悩み、疲れ切ってしまったそうです。
その後、日々の探究や遊びを丁寧に積み上げる園に移ったことで、Aさんは「毎日が行事のように学びで満ちている」と感じるようになりました。
同じ保育士でも、環境が変わると笑顔が戻ることがあります。
つまり大切なのは、あなたの良さを生かせる場所を選ぶことです。
まずは“自分の保育観”をやさしく言語化する
うれしかった瞬間から大切にしたい軸を探す
保育観を考えるとき、難しく構えなくて大丈夫です。
むしろ「うれしかった瞬間」を思い出すと、自然に軸が見えてきます。
例えば、
・園児が安心して甘えてくれたとき
・友だちとのトラブルを自分で言葉にできたとき
・遊びが深まり、目が輝いたとき
こうした場面にあなたが心を動かされたなら、
「関係性を丁寧に育てたい」
「子ども同士の学び合いを支えたい」
「探究や遊びの広がりを大切にしたい」
という価値が隠れているかもしれません。
しんどかった場面を「必要な条件」に変換する
次に、つらかった場面も少しだけ振り返ってみましょう。
ここでは自分を責める必要はありません。
「こういう環境なら続けやすい」という条件を見つけるためのヒントです。
・休憩が取れず、心と体が回復しない
・相談したいのに、話せる空気がない
・理念は良いのに、現場の運用が追いついていない
こうした経験があるなら、
「休憩や事務の時間が確保されている」
「対話ができる職員文化がある」
「理念と日常が一致している」
といった条件が、あなたにとって重要な土台になります。
迷ったときは「三つの言葉」でまとめてみる
保育観は、長い文章にしなくても大丈夫です。
「安心」「対話」「遊び」など、あなたが大事にしたい三つの言葉を選んでみてください。
その三語が、園を見学するときや求人を比べるときの“ものさし”になります。
もし同僚と語り合えるなら、
「私が大切にしたいのはこの三つなんだ」と共有してみるのもおすすめです。
思いが言葉になると、不思議と気持ちが整ってきます。
今いる園でできる“小さな一歩”から整えてみる
いきなり辞めなくてもできることを見つける
保育観が揺れたとき、「もう辞めた方がいいのかな」と極端に考えてしまうことがあります。
けれど、今すぐ退職を決断しなくても、心の負担を軽くするためにできることはたくさんあります。
たとえば、一日の中で「ここだけは大事にしたい時間」を一つ決めてみる方法があります。
朝の受け入れの数分間でも、帰りの会話でも構いません。
その時間だけは、園児一人ひとりの表情やつぶやきを丁寧に見取ることに意識を向けてみるのです。
小さな工夫でも、「自分の保育観に沿った時間が一日に少しでもある」と感じられると、心の折れにくさが変わってきます。
毎日すべてを理想どおりにしようとするのではなく、「この数分だけは大事にしよう」と決めることで、自分を守りながら子どもたちの育ちを支えることにつながっていきます。
同僚との対話を少しずつ増やしてみる
自分の保育観を大切にしたいとき、一人で抱え込まないこともとても大切です。
同僚や先輩、後輩と、少しずつ思いを言葉にしてみると、新しい視点が見えてくることがあります。
いきなり「園全体を変えたい」と構えなくて大丈夫です。
例えば、
「今日の◯◯ちゃんの姿、すごく印象に残っていて」
「こんな関わり方ってどう思う?」
と、具体的な場面から話してみると、相手もイメージしやすくなります。
対話を重ねるうちに、「実は同じことを感じていた」という職員が見つかることもあります。
一緒に園児の育ちを支える仲間がいると実感できると、今いる環境の見え方も少し変わっていきます。
もしすぐに理解されなかったとしても、「自分の考えを言葉にしてもいいんだ」と感じられるだけでも、心の整理が進みやすくなります。
園の仕組みに目を向けると見えてくるもの
忙しさの背景には、園の仕組みやルールが影響していることも多いです。
連絡帳の書き方、会議の進め方、行事準備の方法など、長年の慣習で続いていることも少なくありません。
もし信頼できる上司やリーダーがいるなら、
「この作業は、こうするともう少し時間を短くできるかもしれません」
「子どもたちと関わる時間を増やすために、こんな工夫はどうでしょう」
と、具体的な提案として伝えてみるのも一つの方法です。
すぐにすべてが変わるわけではなくても、「話してもいいんだ」と感じられるだけで、気持ちが少し楽になることがあります。
また、園の側も、現場の職員の声がなければ気づけない課題も多いのです。
小さな提案の積み重ねが、結果的に「子どもたちともっと向き合える環境づくり」に近づいていくこともあります。
自分の保育観を大切にできる“新しい環境”とは
子ども主体の保育が本当に日常に落とし込まれているか
新しい園を考えるとき、「子ども主体」「一人ひとりを大切に」といった言葉だけでは、なかなか実際の姿は見えてきません。
大切なのは、その言葉がどのように毎日の保育に反映されているかです。
見学に行ったときには、次のような点を意識して見てみるとよいでしょう。
・園児が自分で選べる遊びのコーナーがあるか
・子どもたちの作品や写真に、言葉での記録が添えられているか
・先生たちが一方的に指示するのではなく、対話しながら関わっているか
こうした日常の中に、園が大事にしている保育観が表れます。
あなたの大切にしたい軸と、目の前にある保育の姿が近いと感じられるかどうかが、安心して働けるかどうかの大きなヒントになります。
職員同士・園長の表情や会話から見えるもの
新しい環境を考えるとき、園児の様子と同じくらい、職員や園長の雰囲気も大切な手がかりになります。
見学や面接で園に足を運んだとき、次のような点を意識してみてください。
職員同士が、業務連絡だけでなく、子どもたちの育ちを支えるための会話をしているかどうか。
困っている同僚に、自然に声をかける様子があるかどうか。
園長やリーダーが、現場の保育士の話に耳を傾けているかどうか。
このような場面には、「失敗しても相談していい」「一緒に考えてくれる」という空気が表れます。
自分の保育観を大切にしたいとき、意見の違いを話し合える土台があるかどうかは、とても大きなポイントです。
完璧な園を探すというよりも、「ここなら自分の考えも丁寧に扱ってもらえそう」と感じられるかどうかを、ひとつの目安にしてみてください。
保護者さんとの関係のつくり方もチェックしてみる
自分の保育観を大切にできるかどうかは、保護者さんとの関係のつくり方にも影響します。
保護者さんを一方的に「指導する相手」として見るのではなく、子どもたちの育ちを支えるパートナーとして捉えている園かどうかは、とても重要です。
例えば、
・保護者さんとの連絡帳やお便りで、子どもたちの姿を見取るコメントが丁寧に書かれているか
・困りごとの相談に対して、「ダメです」と突き放すのではなく、一緒に考える姿勢があるか
・行事や面談の場で、保護者さんの声も取り入れようとする工夫があるか
こうした取り組みは、その園が「子どもたちを真ん中に置きながら、保護者さんとどう関わっていきたいか」という保育観とつながっています。
あなたが大切にしたい保育観と、園全体の家庭との関わり方が近いと感じられれば、「ここなら子どもたちと保護者さんの両方の育ちを支える関わりができそう」と、未来の自分をイメージしやすくなるはずです。
求人票だけでは見えない部分をどう見抜くか
いざ転職を考え始めると、まず目に入るのは求人票の情報です。
しかし、文字情報だけでは、その園の保育観や雰囲気まではなかなか伝わってきません。
大切なのは、「求人票の条件」だけで判断するのではなく、「ここで働く自分の姿」がイメージできるかどうかです。
そのためには、次のような視点を持って情報を集めてみるとよいでしょう。
・園のホームページやブログで、日々の保育の様子が具体的に発信されているか
・園児や子どもたちの姿を見取るエピソードが、写真や言葉の中に表れているか
・見学のときに、保育の方針だけでなく、実際の一日の流れを教えてもらえるか
もし可能であれば、見学や面接の際に、「この園では、子どもたちの主体性をどのように大切にしていますか」「保育士一人ひとりの保育観の違いを、どのように話し合っていますか」など、少し踏み込んだ質問をしてみるのもおすすめです。
そのときの答え方や表情からも、「保育観を語ることを大事にしている園かどうか」が少しずつ見えてきます。
納得して選ぶために、自分の軸を言葉にしてみる
「どんな瞬間に、保育が楽しいと感じるか」を振り返る
自分の保育観を大切にできる環境を選ぶためには、まず「自分はどんな保育を大事にしたいのか」という軸を、言葉にしておくことが役立ちます。
幼児教育の知見をもとに考えると、保育観はとても奥深いテーマですが、最初から難しく考える必要はありません。
例えば、次のような問いを、自分に投げかけてみてください。
・子どもたちのどんな姿を見取ったときに、「保育をしていてよかった」と感じるか
・一日の中で「この時間は特に大事にしたい」と思う場面はどこか
・園児や同僚、保護者さんと、どんな関係でいたいと感じているか
紙に書き出してみると、自分が大切にしている言葉が少しずつ見えてきます。
「子どもの気づきに寄り添いたい」「自分で選ぶ力を育てたい」「安心して失敗できる場でありたい」など、出てきた言葉が、あなたの保育観の核になっていきます。
大切にしたい価値観を整理してみる
保育観というと、少し難しく聞こえるかもしれませんが、根っこにあるのは「自分は何を大事にして子どもたちと関わりたいか」という価値観です。
例えば、次のような言葉が浮かんでくるかもしれません。
「結果よりも、挑戦している姿を大切にしたい」
「一斉活動よりも、子どもたちの興味から広がる遊びを大事にしたい」
「園児一人ひとりのペースを尊重したい」
こうした価値観を書き出してみると、自分が「これだけは手放したくない」と思っているポイントが見えてきます。
さらに、優先順位も考えてみると整理しやすくなります。
「できれば全部大事にしたいけれど、特にこれは譲れない」
「ここは、園の方針と相談しながら折り合いをつけてもよい」
このように、自分の中で「核」と「相談しながら決めたい部分」を分けておくと、新しい環境を選ぶときにも迷いにくくなります。
現在の職場でできる工夫と、環境を変えないと難しいこと
自分の保育観が少しずつ言葉になってくると、「今の園でも工夫できること」と「どうしても環境を変えないと難しいこと」の違いも見えやすくなります。
例えば、
・日々の保育の中で、園児の姿を見取る視点を同僚と共有する
・連絡帳や保護者さんとのやりとりで、自分が大事にしたい言葉がけを少しずつ増やしていく
・クラス運営の中で、子どもたちの意見を取り入れる場面を提案してみる
といった工夫は、今の職場でも少しずつ取り入れられる場合があります。
一方で、
・保育方針がまったく合わず、子どもたちの育ちを支える視点よりも、形だけの指示が優先されている
・職員の人数配置が厳しく、どうしても園児一人ひとりに向き合う時間が取れない
・相談しても、改善に向けた話し合いの場がほとんど持てない
といった状況が続くと、「自分の保育観を大切にしたい」という思いとのギャップが、だんだん苦しさにつながってしまいます。
そのとき、「自分がわがままなのではなく、環境との相性が良くないのかもしれない」と考えてみることも、とても大切な視点です。
未来の自分を想像しながら、働き方をイメージする
保育観に合う園を探すときには、「条件」だけでなく「そこで働く自分の姿」をイメージしてみることも役立ちます。
・その園で、どんな一日の流れの中で子どもたちと関わっているだろうか
・帰宅するとき、「今日はこんな姿を見取れたな」と、どんな場面を思い出しているだろうか
・数年後の自分は、その園でどんな役割を担っているだろうか
こうしたイメージを描いてみて、心が少し軽くなるような感覚があれば、その環境はあなたの保育観と相性が良い可能性があります。
逆に、「なんとなく窮屈そう」「忙しさだけが目に浮かんでしまう」と感じる場合は、もう少し自分の軸や園の情報を見直してみるタイミングなのかもしれません。
新しい環境を考えるときに大切にしたい視点
「続けられるかどうか」だけでなく「育ち合えるかどうか」
環境を選ぶとき、「続けられるかどうか」という視点ももちろん大切です。
ただ、幼児教育の知見をもとに考えると、「自分も子どもたちも一緒に育ち合えるかどうか」という視点を加えてみることで、選び方の質が変わってきます。
子どもたちの育ちを支えるためには、保育士自身が安心して学び続けられることが欠かせません。
研修の機会や振り返りの時間が用意されている園では、子どもたちの姿を見取る視点も、職員同士でシェアされやすくなります。
それは、園児一人ひとりの育ちを支えるうえで、大きな力になります。
「ここなら、子どもたちの成長だけでなく、自分自身の学びも大切にしてくれそうか」
そんな問いを、ぜひ環境選びの中に入れてみてください。
「働きやすさ」の中身を、もう少し細かく見てみる
求人票や口コミでは「働きやすい職場です」という表現をよく目にします。
ただ、その「働きやすさ」が何を指しているのかは、園によって大きく違います。
例えば、
・残業時間が少ないことを大切にしているのか
・シフトの融通がきくことを重視しているのか
・クラスの子どもたちの人数や、職員配置に力を入れているのか
・職員同士のコミュニケーションの場を意識的に設けているのか
あなたが大事にしたい「働きやすさ」と、園が打ち出している「働きやすさ」が同じとは限りません。
だからこそ、見学や面接で、気になるポイントを具体的に質問してみることが大切です。
そうすることで、「自分の保育観を大切にできる働きやすさかどうか」が見えやすくなります。
ワークライフバランスと保育観の両方を大事にする
子どもたちのために一生懸命になればなるほど、自分の生活が後回しになってしまうことがあります。
しかし、保育士が心身の余白を持てない状態では、園児の小さな変化や、保護者さんの不安な気持ちに気づきにくくなってしまうこともあります。
「ワークライフバランス」という言葉は少し堅く感じるかもしれませんが、要するに「仕事と生活のバランスを、自分らしく整えること」です。
十分な休息や、自分のための時間を確保できるからこそ、保育の場で子どもたちの姿を見取る余裕も生まれます。
自分の保育観を大切にできる環境とは、
・子どもたちの育ちを支える姿勢を共有できること
・保育士自身の生活リズムや心の健康も、きちんと考えてくれること
この二つが両立している場所だと言えるのではないでしょうか。
新しい環境を探すときの情報収集のコツ
一人で抱え込まず、信頼できる窓口を持つ
いざ環境を変えようと思っても、「どこから情報を集めればいいのか分からない」という戸惑いもあります。
インターネット上には多くの求人情報がありますが、その分だけ迷いや不安も大きくなりがちです。
そんなときは、一人で全部を抱え込まず、信頼できる相談先を持つことがとても大切です。
例えば、保育士向けの求人サイトやキャリア相談窓口の中には、
・保育の現場をよく知る担当者が、希望や悩みを丁寧に聞いてくれる
・園児や子どもたちの年齢構成、職員の人数、園の雰囲気なども含めて情報を提供してくれる
・「残業の少なさ」や「シフトの柔軟さ」といった条件だけでなく、「保育方針との相性」も一緒に考えてくれる
といったサポートをしてくれるところもあります。
自分の保育観を大切にしたいときこそ、こうした窓口をうまく活用しながら、「相性の良い園」を一緒に探してもらうのも一つの方法です。
サポートについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
自分の軸を伝えながら相談してみる
相談するときには、「どんな条件の園がありますか」と聞くだけでなく、「自分はこんな保育を大切にしたいです」と、自分の軸も一緒に伝えてみてください。
例えば、
・子どもたちの主体性を大切にする保育がしたい
・園児一人ひとりの気持ちに寄り添うゆとりがほしい
・保護者さんと一緒に子どもたちの育ちを支える関係をつくりたい
といった思いを伝えることで、紹介される園の候補も変わってきます。
また、「今の園でしんどいと感じているポイント」を具体的に話すことで、同じようなつまずきを避けられるように、一緒に考えてもらえることもあります。
自分の保育観を大切にできる新しい環境を見つけるプロセスは、一人で戦うものではありません。
客観的な視点を持つ第三者と対話しながら、“自分らしく働ける場所”を少しずつ絞り込んでいくイメージで進めてみてください。
環境を選び直すことは、子どもたちのためにもなる
環境を変えることに、後ろめたさを感じてしまう保育士さんは少なくありません。
「せっかく採用してもらったのに」
「子どもたちを途中で手放してしまうようで申し訳ない」
そんな気持ちが強く、がまんして働き続けている方もいると思います。
けれど、幼児教育の知見をもとに考えると、保育士が安心して自分の保育観を発揮できる環境にいることは、園児や子どもたちにとっても大きなプラスになります。
毎日、不安やしんどさを抱えたまま働く大人の空気は、どうしても子どもたちに伝わりやすくなります。
逆に、職員一人ひとりが自分らしい保育を大切にできているとき、保育室には自然と落ち着きや温かさが広がります。
その中で、子どもたちは安心して遊び込み、自分なりのペースで育ちを支えられていきます。
環境を選び直すというのは、「自分だけが楽をするため」の行動ではありません。
・子どもたちの姿を見取るゆとりを取り戻すため
・保護者さんと丁寧に対話できる関係をもう一度築くため
・同僚と支え合いながら、学び続けられる場を見つけるため
こうした前向きな目的を持った選択だと考えてみると、「環境を変えること」へのイメージも少し変わってくるのではないでしょうか。
「続けるか」「変えるか」を白黒で決めなくていい
今の園で続けるか、それとも新しい環境を探すか。
この二択のどちらかを、すぐに決めなくてはいけないわけではありません。
・今の園でできる工夫を試しながら、外の情報も集めてみる
・ゆくゆく環境を変えるかもしれない前提で、自分の希望条件を整理してみる
・新しい園の情報を知ることで、今の職場の良さに気づくこともある
こうした「グラデーション」の中で考えることで、心の負担はぐっと軽くなります。
自分の保育観を大切にするというのは、「すぐに退職する」か「我慢して働く」かのどちらかを選ぶことではありません。
日々の保育を振り返りながら、「今、できる一歩」を少しずつ積み重ねていくプロセスそのものが、とても意味のある歩みだと言えます。
ほかの園がどんな感じか知りたいときは、こちらの記事をご覧ください。
キャリアについて、じっくり考える時間をつくってみる
忙しい毎日の中では、「いつの間にか一年が過ぎていた」ということも多いものです。
だからこそ、意識的にキャリアについて考える時間をとってみることをおすすめします。
例えば、
・月に一度だけでも、「今の仕事でうれしかったこと」「しんどかったこと」をノートに書き出してみる
・子どもたちや保護者さんとの関わりの中で、「自分の保育観が生きていると感じた瞬間」をメモしておく
・数年後、どんな保育士でありたいかを、箇条書きで書いてみる
といった小さな振り返りでも、積み重ねることで「自分は何を大切に働きたいのか」が、少しずつ輪郭を持って見えてきます。
そのうえで、新しい環境の情報に触れてみると、「ここなら自分の保育観を大切にできるかもしれない」という感覚もつかみやすくなっていきます。
まとめ:自分の保育観を大切にしながら、次の一歩を考えてみよう
ここまで、「保育士が自分の保育観を大切にできる新しい環境をどう選ぶか」について、一緒に考えてきました。
・自分の保育観を言葉にすること
・今の園でできる工夫と、環境を変えないと難しい部分を見分けること
・子どもたちと一緒に育ち合える未来の自分をイメージすること
・一人で抱え込まず、信頼できる相談先とつながること
・ワークライフバランスと保育観の両方を大事にすること
これらはどれも、今日から少しずつ取り組めることばかりです。
一気に答えを出す必要はありませんが、「自分が大切にしたい保育は何か」を意識しながら過ごしていくことで、選べる道は確実に広がっていきます。
今の環境で、できる工夫を続けていく道もあれば、自分らしく働ける園を新しく探す道もあります。
どちらを選んでも、「子どもたちの育ちを支えたい」という気持ちそのものが、あなたの大切な軸です。
その軸を手放さないまま、安心して働ける場を探していくことは、決してわがままではありません。
むしろ、園児や子どもたち、保護者さん、そして一緒に働く同僚にとっても、プラスになる選択と言えます。
「今のままでいいのかな」と感じたときこそ、自分の保育観にもう一度耳を傾けてみるタイミングです。
そして、その思いを大切にしながら、これからの働き方やキャリアについて、少しずつ選択肢を広げていってみてほしいなと思います。
