キャリア

【解説】「もっと自分らしく働きたい」保育士が考える新しいキャリアの形

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「もっと自分らしく働きたいな…」「このままの働き方でいいのかな…」
ふとした瞬間に、そんな気持ちがよぎることはありませんか。

園児や子どもたちの笑顔は大好き。
保育の仕事にもやりがいを感じている。
それでも、毎日の忙しさや人間関係、園の方針とのズレの中で、自分らしく働けていないようなもどかしさを抱えている保育士さんは少なくありません。

・書類や行事準備に追われて、子どもたちの育ちを支える関わりがじっくりできていない気がする
・本当はゆっくり園児の姿を見取りたいのに、時間に追われて流れ作業になってしまう
・職員や同僚との関係、園のやり方に合わせているうちに、自分の保育観を出しづらくなってきた

こうした気持ちは、「甘え」でも「わがまま」でもありません。
幼児教育の知見をもとにすれば、「自分らしく働きたい」という思いは、子どもたちの育ちを支えたいというまじめな気持ちから生まれる、とても大切なサインです。

この記事では、

・なぜ今「自分らしく働きたい」と感じるのか
・自分らしい保育・働き方の軸をどう見つけるか
・今の園でできる工夫と、園の外に広がるキャリアの選択肢
・働き方を見直すときの注意点や、よくある不安へのヒント

などを、わかりやすく整理していきます。

読み進めていただく中で、「自分はどうしたいのか」「どんな働き方なら、子どもたちの育ちを支えながら自分も笑顔でいられるのか」を、少しずつ言葉にしていけるといいなと思います。

まずは、あなたが「もっと自分らしく働きたい」と感じる、その背景から一緒に見ていきましょう。

「もっと自分らしく働きたい」と感じるのはどんなとき?

理想の保育と現実の働き方のギャップ

保育士の仕事は、本来「子どもたちの育ちを支えること」が真ん中にある仕事です。
園児一人ひとりの表情やつぶやき、友だちとの関わりの中に、小さな成長のサインがたくさん隠れています。

しかし実際には、

・連絡帳や書類、計画書に追われて、ゆっくり遊びに寄り添う時間が少ない
・行事前になると残業が続き、子どもたちと向き合う時間より準備がメインになる
・日々の保育よりも「見栄え」や「効率」が優先されているように感じる

といった現実が重なり、「私が大事にしたい保育」と「職場で求められている動き」のギャップに疲れてしまうことがあります。

本当は、園児の小さな挑戦の姿を見取りたい。
転んでも自分で立ち上がろうとする姿や、「やってみたい」とつぶやく瞬間を大切にしたい。
そんな思いがあるからこそ、「今の働き方でいいのかな」「もっと自分らしく働ける園はないかな」と感じるのは、とても自然なことです。

人間関係や園の方針に合わせすぎてしまうしんどさ

職員や同僚との関係も、働き方に大きく影響します。
たとえば、

・先輩のやり方に合わせるあまり、自分の意見を言いづらい
・「こうした方が子どもたちの育ちを支えられそう」と思っても、忙しさを理由に流されてしまう
・本当はゆったりした生活リズムを大切にしたいのに、「もっと詰め込みたい」雰囲気の中でモヤモヤする

こうした状況が続くと、「自分らしい保育」がどこか遠く感じられてしまいます。

「職場の空気を乱したくない」「保護者さんや同僚にどう思われるか心配」
そんなやさしさがあるからこそ、我慢を重ねてしまう保育士さんも多いのではないでしょうか。

ライフステージの変化で見えてくる「無理のある働き方」

年齢や家族構成が変わる中で、「今までと同じ働き方では難しくなってきた」と感じることもあります。

・自分の子どもが生まれて、朝夕の送り迎えと勤務時間の両立がきびしくなってきた
・親の介護や通院の付き添いが必要になり、これまで通りのシフトに入れない
・体力面で、連日の遅番・早番や行事準備の負担が大きくなっている

そうしたとき、頭のどこかでは「働き方を見直したほうがいいかもしれない」と分かっていても、「でも、保育は好きだし…」「子どもたちや保護者さんに申し訳ない」と、気持ちが揺れ続けることがあります。

「もっと自分らしく働きたい」という思いは、決して突然湧いてくるものではありません。
日々の小さな違和感やがんばりが積み重なって、「そろそろ自分のキャリアや働き方を見つめ直すタイミングかもしれない」というサインとして現れているのだと思います。

では、そのサインをどう受けとめていけばよいのでしょうか。
次に、「自分らしく働くために大切にしたい軸」について考えてみたいと思います。

自分らしく働くために大切にしたい「キャリアの軸」を見つける

「自分らしさ」を言葉にしてみる簡単セルフチェック

「もっと自分らしく働きたい」と感じたとき、まず大切なのは「自分らしさって何だろう?」という問いに、少しずつ答えていくことです。

いきなり完璧な答えを出す必要はありません。
次のような問いを、ノートやメモアプリに書き出してみるのがおすすめです。

・どんな子どもたちの姿を見取るとき、いちばんうれしいと感じますか?
・どんな場面の保育なら、時間を忘れて夢中になれますか?
・「こんな保育士になりたい」と思うイメージは、どんな姿ですか?

たとえば、

・友だちの輪に入れなかった子が、自分から一歩踏み出そうとする姿をそっと見守る時間が好き
・園児一人ひとりと丁寧に会話しながら、生活の流れを整えていくことが得意
・保護者さんの不安な気持ちに寄り添いながら、子どもたちの育ちを一緒に支えていく関係を大切にしたい

こうして書き出していくと、「自分はどんな保育を大事にしたいのか」「何をしているときに心地よさを感じるのか」が少しずつ見えてきます。

この「なんとなく、こういう働き方がいいな」という感覚こそが、キャリアを考えるうえでの大事なヒントになります。

保育観・得意分野・生活リズムという3つの軸

自分らしいキャリアの形を考えるとき、整理しておきたいのが次の3つの軸です。

  1. 保育観(子ども観)

  2. 得意分野・役割

  3. 生活リズム・大切にしたい暮らし方

幼児教育の知見をもとにすると、保育士の仕事は「子どもたちをどう捉え、どう関わるか」という保育観と、「自分がどんな役割で力を発揮しやすいか」、そして「無理なく続けられる生活リズム」の3つが合わさったところに、その人らしさが表れやすいと言えます。

保育観の例としては、

・失敗も含めて、子どもたちのチャレンジする姿を大事にしたい
・遊びの中で育つ力を信じて、自由度の高い活動を大切にしたい
・生活習慣やルールを、ていねいに繰り返しながら身につけていけるよう支えたい

などがあります。

得意分野・役割の例としては、

・乳児のゆったりした関わりが得意
・行事の企画や進行が好き
・職員や同僚の間をつなぐ調整役に向いている
・保護者さんとの面談や相談に丁寧に応じるのが得意

といった特徴が挙げられます。

生活リズム・暮らし方の軸としては、

・自分の子どもとの時間も大切にしたい
・土日はできるだけ家族と過ごしたい
・夜遅くまでの残業が続く働き方は難しい

など、「仕事以外の時間」をどうしていきたいかを含めて考えることが大切です。

この3つを書き出してみると、「自分らしく働けそうな園や働き方のイメージ」が少しクリアになってきます。

幼児教育の知見をもとに見直す「自分の強み」

自分の強みを考えるとき、「経験年数」や「資格」のような分かりやすい指標だけに目が向きがちです。
もちろんそれらも大切ですが、幼児教育の知見をもとに見ると、保育士の強みはもっと細やかな部分にも表れています。

・園児のちょっとした表情の変化に気づき、さりげなく声をかけられる
・子どもたち同士のトラブルを、頭ごなしに止めるのではなく、気持ちを言葉にしてあげながら育ちを支えることができる
・保護者さんの不安な気持ちを受け止めつつ、子どもたちの頑張りや育ちの姿を一緒に見ていける

こうした「目に見えにくい力」は、どの園・どの現場に行っても、園児や子どもたちを支える大事な土台になります。

「自分には特別なスキルなんてない」と感じている方も、少し視点を変えてみることで、「あ、ここは自分の強みかもしれない」と思える部分が見えてくるかもしれません。

次は、そうした自分らしさや強みをいかしながら、今の園の中でできる工夫について考えていきます。

今の園で「もっと自分らしく働く」ためにできる工夫

一日の中に自分らしい保育の時間を意識してつくる

「もっと自分らしく働きたい」と思ったとき、いきなり園を変えたり、働き方を大きく変えたりする必要はありません。
まずは、今の一日の流れの中に「ここだけは自分らしい保育を意識する時間」をつくってみることがおすすめです。

例えば、

  • 朝の受け入れの5分は、必ず一人ひとりと目を合わせてあいさつをする

  • 帰りの会の前に、「今日うれしかったこと」「楽しかったこと」を子どもたちから聞く時間をとる

  • 午睡前後に、その日印象的だった園児の姿を見取り、そっと一言声をかけてみる

など、小さな工夫でかまいません。

忙しさの中にいても、「この時間は、子どもたちの育ちを支える関わりを大事にしよう」と自分で決めておくと、毎日が少しずつ違って見えてきます。
短い時間でも、園児や子どもたちの表情やつぶやきを丁寧に受け止められた日は、「今日も自分らしい保育ができたな」と感じやすくなるはずです。

職員や同僚と小さな対話から始める

自分らしい働き方をつくっていくうえで、職員や同僚との対話も大切な鍵になります。
とはいえ、「私はもっとこうしたいです」といきなり主張するのは、なかなか勇気がいるものですよね。

そこでおすすめなのが、「子どもたちの姿」から話し始めることです。

  • 「今日、あの子がこんなふうに友だちに声をかけていて、すごくうれしくなりました」

  • 「最近、このクラスでこんな遊びの広がりが見られていて…育ちを支える大事な時期かもしれないな、と感じていて」

こんなふうに、具体的な場面を通して話すと、同僚もイメージしやすくなります。
「もっと自分らしく働きたい」という気持ちも、単なる不満ではなく、「子どもたちの育ちのために、こうできたらいいな」という前向きな願いとして伝わりやすくなります。

小さな共有を重ねていくうちに、

  • 「じゃあ、この時間だけは少人数で遊べるように組んでみる?」

  • 「ここの活動は、もう少しゆったり進めてみようか」

といった具体的な工夫の相談につながることもあります。
一人で抱え込まず、少しずつ言葉にしてみることで、「自分らしさ」を園の中に広げていくことができるかもしれません。

仕事の優先順位を見直し、時間の使い方を整える

「もっと自分らしく働きたい」と感じたとき、多くの保育士さんがぶつかるのが「時間が足りない」という壁です。
書類や行事、制作物…やることが多い中で、どうしても子どもたちと過ごす時間が後回しになってしまう場面もあります。

そこで一度、「本当に大切にしたいことは何か」「どこなら少し力を抜けるか」を考えながら、仕事の優先順位を見直してみるのも一つの方法です。

  • 週案や日誌は、丁寧さを保ちつつも、箇条書きや定型文をうまく活用して時間を短縮する

  • 制作物は「見栄え」だけにこだわらず、子どもたちの試行錯誤の姿を見取れる形を目指す

  • 一人で抱え込んでいる作業がないか、職員や同僚と役割分担を相談してみる

こうした小さな工夫を積み重ねることで、子どもたちと向き合う時間を少しずつ増やしていくことができます。

「全部を完璧にやらなければ」という気持ちを、少しだけゆるめてみる。
そして、「園児や子どもたちの育ちを支えるために、どこに時間を一番使いたいか」を意識してみる。
それだけでも、毎日の過ごし方は徐々に変わっていきます。

保護者さんとの関わり方を、自分らしく整えていく

保護者さんとのやりとりも、保育士の大切な役割です。
その一方で、「連絡帳や送迎時の会話でいっぱいいっぱいになってしまう」「どこまで踏み込んでよいか分からない」と悩む声もよく聞かれます。

自分らしく働くという視点で見ると、保護者さんとの関係も「肩に力を入れすぎず、子どもたちの育ちを一緒に支えるパートナー」として捉え直していけるとよいかもしれません。

  • すべてを完璧に説明しようとするのではなく、「今日印象的だったお子さんの姿」を一つだけ伝えてみる

  • 不安そうな表情の保護者さんには、「いつでもご相談くださいね」とひとこと添える

  • 困りごとが大きい場合は、一人で抱えず主任やリーダーと情報を共有する

こうした関わり方を少しずつ整えていくことで、「保護者さんと一緒に子どもたちの育ちを支える」という感覚が持ちやすくなります。

今の園の中でも、「子どもたちの姿を見取りながら、自分らしく働く」工夫は、少しずつ積み重ねることができます。
それでも、「どうしても限界を感じる」「やはり環境そのものを考えたい」というときには、視野を園の外にも広げてみることが必要かもしれません。

次は、園の外に広がる保育士の新しいキャリアについて、一緒に見ていきましょう。

園の外に広がる「保育士の新しいキャリアの形」

子育て支援・学童・療育など、保育園以外のフィールド

「もっと自分らしく働きたい」と考え始めたとき、どうしても頭の中が「今の園を続けるか、辞めるか」の二択になりがちです。
ですが、園児や子どもたちの育ちを支える仕事は、保育園やこども園の中だけにあるわけではありません。

たとえば、こんなフィールドがあります。

  • 子育て支援センターや親子ひろば
    …未就園のお子さんと保護者さんが、一緒に安心して過ごせる居場所をつくる仕事。

  • 学童保育や放課後子ども教室
    …小学生が放課後を過ごす場で、遊びや生活を通して育ちを支える役割。

  • 児童発達支援・放課後等デイサービス
    …発達が気になるお子さんの「できた」と「やりたい」を支える専門的な支援の場。

どの場でも、「子どもたちの育ちを支える」という根っこは同じです。
ただ、にぎやかなクラス運営より、一人ひとりとじっくり向き合う方が自分らしいと感じる保育士さんにとっては、園外のフィールドの方が力を発揮しやすい場合もあります。

「保育士=園でクラス担任」というイメージにとらわれず、
「子どもたちや保護者さんのそばで、どんな形なら自分らしく関われるかな?」
と視野を広げてみると、新しいキャリアの形が見えてきます。

「フルタイムだけじゃない」働き方のバリエーション

自分らしさを大切にしたい保育士さんにとって、「勤務形態」はとても重要なポイントです。
保育士=フルタイム正職員、という形だけが答えではありません。

  • 常勤から非常勤・パートに切り替える

  • 週5日から週4日に調整する

  • 早番・遅番の回数を相談し、生活リズムを整える

  • 他の仕事と組み合わせて働く(午前だけ、午後だけなど)

働く時間や曜日を見直すことで、心と体に少し余白が生まれ、園児や子どもたちと向き合うときの笑顔や言葉かけにも余裕が戻ってくることがあります。

幼児教育の知見をもとに見ると、関わる大人に余裕があることは、子どもたちの安心感にもつながります。
「フルタイムでずっとがんばり続けなければならない」という思い込みから少し離れて、「今の自分の暮らしと、子どもたちの育ちを両方大事にできる働き方って何だろう?」と問い直してみることも大切です。

学び続けることで広がるキャリアの可能性

自分らしいキャリアを育てていくうえで、「学び続けること」も大きな力になります。
と言っても、難しい専門書を読み込んだり、長時間の研修に頻繁に参加したりする必要はありません。

  • 通勤時間に、子どもの発達や遊びについてのコラムを少し読む

  • 寝る前の10分だけ、気になっているテーマの本を開いてみる

  • オンラインで受けられる短時間の講座に、ときどき申し込んでみる

こうした小さな学びの積み重ねでも、「子どもたちの見え方」は少しずつ変わっていきます。
「あの行動には、こんな背景があったのかもしれない」と気づけるようになると、イライラする場面が減り、「どう関わってみようかな」と考えられる余裕が生まれます。

自分の保育観が整理されてくると同時に、
「こういう場で働いてみたいかも」
「こんな役割なら、自分の強みをいかせそう」
といった“これからの選択肢”も見つかってきます。

働き方やキャリアを整理してくれる情報を上手に使う

とはいえ、一人で考えていると、「何から手をつけたらいいのか分からない」「結局、同じところをぐるぐる考えてしまう」ということもありますよね。

そんなときに助けになるのが、「保育士の働き方や、これからのキャリアの考え方」を整理してくれている解説ページです。
自分の状況に近いケースや、働き方を見直した保育士さんの例などを読むことで、

  • 自分だけが迷っているわけではないと分かる

  • 考えるときの視点やチェックポイントが見えてくる

  • 転職や環境の見直しを、もう少し具体的にイメージできる

といった安心感やヒントが得られます。

たとえば、こちらのページでは、「今の環境に迷いながらも保育を続けたい」と感じている保育士さんに向けて、働き方や園選びの考え方が整理されています。

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今すぐ決断しなくても大丈夫です。
「こんな考え方もあるんだ」と、頭の中の引き出しを増やしておくだけでも、心が少し軽くなることがあります。

働き方を変える前に押さえておきたいポイント

感情だけで決めず、「今」と「これから」を分けて考える

毎日が忙しすぎたり、人間関係に疲れてしまったりすると、「もう無理かもしれない」「すぐにでも辞めたい」という気持ちになることもあります。
その感情自体は、とても自然なものです。

ただ、「これからのキャリア」を考えるときには、感情だけで決めてしまうと後悔してしまうこともあります。
そこで一度、「今」と「これから」を分けて整理してみることをおすすめします。

  • 今、つらい・しんどいと感じていること

  • 今も続けていきたい、好きだと感じていること

  • これから、どうなっていけたらうれしいか

この3つを、ノートに書き出してみるだけでも、頭の中が少し整ってきます。

「今」がつらいからと言って、保育そのものを手放さなければいけないわけではありません。
「これから」を見据えたときに、どんな働き方なら園児や子どもたちの育ちを支えながら、自分らしさも大切にできるのか。
その視点で考えてみると、選択肢の見え方が変わってくるかもしれません。

条件面だけでなく「子どもたちの育ちを支える環境か」を見る

転職や環境の見直しを考えるとき、どうしても給与や通勤時間、休日日数といった条件面に目が向きます。
もちろんそれらは、とても大事な要素です。

一方で、長く安心して働き続けるためには、「子どもたちの育ちを支える環境かどうか」という視点も欠かせません。

  • 保育方針が、自分の保育観と大きくズレていないか

  • 園児と職員の人数のバランスはどうか

  • 職員や同僚同士で、子どもたちの姿を共有し合う時間があるか

  • 保護者さんとの連携を、一人で抱え込まない体制になっているか

これらのポイントは、見学や面談のときに、さりげない質問を通して確かめていくことができます。

たとえば、

  • 「一日の流れの中で、子どもたちとじっくり関わる時間はどこを大切にされていますか?」

  • 「職員同士で子どもたちの様子を話し合う機会は、どのくらいありますか?」

などと聞いてみると、その園が「何を大事にしているか」が見えやすくなります。

働き方を変えることのデメリットやリスクも把握しておく

働き方や環境を変えることには、良い面だけでなく、当然リスクも伴います。

  • 新しい環境に慣れるまで、心身ともにエネルギーを使う

  • 非常勤・パート勤務の場合、収入が安定しにくくなる場合がある

  • 人間関係や園の文化が、自分に合うかどうかは実際に働いてみないと分からない部分もある

こうした点も正直に見つめたうえで、
「自分はどこまでなら受け入れられそうか」
「それでも変えてみたいと思うのか」
を考えてみることが大切です。

大事なのは、「どの選択肢にもメリットとデメリットがある」と知ったうえで、
「自分と子どもたちのために、どのバランスを選びたいか」を自分の言葉で決めていくことです。

次は、働き方を見直したい保育士さんからよく聞かれる疑問と、そのヒントになる考え方を一緒に見ていきます。

よくある質問とその回答

Q. 「もっと自分らしく働きたい」と言うのは、わがままではありませんか?

A. わがままではありません。
「もっと自分らしく働きたい」という言葉の背景には、多くの場合、

  • 子どもたちの育ちを支える関わりを大切にしたい

  • 園児一人ひとりの姿を見取りながら保育したい

  • 無理をしすぎず、長く保育の仕事を続けたい

といった、とてもまじめで前向きな思いがあります。

伝え方のポイントとしては、「自分がどうしたいか」だけを話すのではなく、

  • 「こんな子どもたちの姿が見られて…こういう時間を大切にしたいと思っているんです」

  • 「こういう関わり方ができると、子どもたちの育ちを支えやすくなる気がしていて…」

と、園児や子どもたちの姿から話し始めると、職員や同僚にも受け止めてもらいやすくなります。

自分らしさを大切にすることは、決して自己中心的なことではなく、
「どんな関わり方なら、子どもたちのためになるか」を真剣に考えているからこその選択だと考えてみてください。

Q. 働き方を変えたり、園を変えたりするのは“逃げ”になりませんか?

A. 「逃げ」かどうか、という言葉で自分を責める必要はありません。
幼児教育の知見をもとに見ると、大人が心身ともにすり減った状態で関わり続けることは、園児や子どもたちの安心感にも影響してしまう可能性があります。

  • 長時間労働で疲れきってしまい、子どもたちの小さなサインを見取りづらくなる

  • 心の余裕がなくなり、叱る場面が増えてしまう

  • 職員や同僚との連携もうまくいかず、チームで育ちを支える力が弱くなる

こうした状態が続く方が、むしろ子どもたちにとっても、保護者さんにとってもつらい状況になりかねません。

働き方や環境を見直すことは、「楽な方に逃げる」ためではなく、

  • 子どもたちの育ちを支える自分でい続けるため

  • 長く安心して保育の仕事を続けるため

の、前向きな選択でもあります。

「逃げかどうか」ではなく、
「今よりも、子どもたちのために力を発揮しやすい状態に近づけるかどうか」
という視点で考えてみると、心が少し軽くなるかもしれません。

Q. 条件の良さを優先してもいいのか、不安です

A. 条件面を大切にすることは、とても自然なことです。
給与や休日、勤務時間、通勤距離などは、日々の生活だけでなく、心の安定にも直結します。

ただ一方で、「条件が良くても、自分の保育観とかけ離れている」と感じる職場の場合、長く働くことが難しくなることもあります。

そこでおすすめなのは、

  1. 条件面で「絶対に外せないライン」を決める

  2. そのうえで、「子どもたちの育ちを支える姿勢」が自分に合っているかどうかを見ていく

という二段階で考えることです。

見学や説明を受けるときには、

  • 園児と職員の人数のバランス

  • 職員や同僚同士の雰囲気

  • 保護者さんとの距離感や連携の仕方

といった点にも、さりげなく目を向けてみてください。

「条件」と「保育観の合う環境」の両方を大切にしながら、自分らしいキャリアの形を探していくことが大事です。

Q. どんな一歩から始めればいいか分かりません

A. いきなり大きな決断をする必要はありません。
次のような、小さな一歩からでも大丈夫です。

  • 一日の終わりに、「今日うれしかった子どもたちの姿」を3つメモする

  • 自分が大切にしたい保育観や得意分野を、箇条書きで書き出してみる

  • 信頼できる同僚や友人に、「実は、もっと自分らしく働きたくて…」と本音を少しだけ話してみる

  • 働き方やキャリアについて整理してくれている解説ページを読み、自分の状況に近い部分に線を引いてみる

たとえば、次のページでは、

  • 今の環境に迷いながらも保育を続けたい

  • 自分らしく働ける園やキャリアの形を考えたい

と感じている保育士さん向けに、働き方や園選びの考え方がまとまっています。

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「読むだけ」でもかまいません。
頭の中で抱えていた不安や迷いが、「言葉として整理された情報」に触れることで、少し落ち着いてくることもあります。

まとめとこれから試してみたい工夫

ここまで、お話してきました内容について、大切にしたいポイントを、あらためてシンプルにまとめると、

  • 「もっと自分らしく働きたい」という気持ちは、子どもたちの育ちを支えたいというまじめな思いから生まれる大切なサインであること

  • 自分らしいキャリアを考えるときには、

    • 保育観(子どもたちをどう見て、どう関わりたいか)

    • 得意な分野や役割

    • 生活リズムや大切にしたい暮らし方
      の3つの軸を整理することがヒントになること

  • 今の園の中でも、一日の中の小さな時間や職員・同僚との対話、仕事の優先順位の見直しなどを通して、「子どもたちの姿を見取る」関わりを増やしていけること

  • 園の外にも、子育て支援・学童・療育など、園児や子どもたち、保護者さんの育ちや暮らしを支えるフィールドが広がっていること

  • 働き方や環境を変えるときには、メリットだけでなくリスクも知ったうえで、「自分と子どもたちにとって、どのバランスがちょうど良いか」を選んでいくこと

といった点になります。

そして、この記事を読み終えた今からできる「これから試してみたい工夫」として、例えば次のようなものがあります。

  • 今日から一週間、「印象に残った子どもたちの姿」を一日ひとつメモしてみる

  • 休みの日に、自分の保育観・得意分野・生活リズムの3つを書き出してみる

  • 信頼できる同僚に、「最近、もっと自分らしく働きたいって感じていて…」と、少しだけ気持ちを共有してみる

  • 働き方やキャリアについて整理されたこちらの記事に目を通し、「今の自分にフィットしそうな考え方はどこか」をゆっくり探してみる

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自分らしいキャリアの形は、誰かが「これが正解」と決めてくれるものではありません。
日々の保育の中で、園児や子どもたちの姿を見取りながら、「自分はどうありたいか」を少しずつ育てていくものだと思います。

迷いを抱えている今のあなたも、きっとその途中にいるだけです。
焦らなくて大丈夫です。

子どもたちの育ちを支えながら、自分の暮らしも大切にできる、新しいキャリアの形。
その輪郭を、今日から少しずつ一緒に描いていけるといいですね。

  • この記事を書いた人

ポジティブ園長

田舎の自然の中で、のんびりと9歳の娘と6歳の息子と暮らすパパ。 保育 × 心理学 × 脳科学をヒントに、職員と子どもたちが共に成長できる園づくりをしています。 “答えのない時代”だからこそ、楽しみながら考え、失敗を恐れず挑戦する──そんな姿を大切に、みんなと歩んでいる園長です。

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