
保育士になりたいと思ったとき、最初に悩みやすいのが「どの保育士養成校を選べばいいのか」という点ではないでしょうか。短大・専門学校・大学と選択肢が多く、パンフレットを見れば見るほど「どこも良さそうで決めきれない…」と感じている方も多いと思います。
特に、これから進路を考える学生さんだけでなく、子育てや仕事をしながら「保育士資格にチャレンジしてみたい」と考え始めた主婦や社会人、セカンドキャリアとして保育の仕事を視野に入れているシニアの方にとっては、学校選びは大きな決断になります。通学にかかる時間や学費、卒業後の働き方まで考え出すと、何から考えればよいのか分からなくなってしまいますよね。
幼児教育の知見をもとにお伝えすると、保育士養成校の選び方で大切なのは、「自分がどんな保育を大切にしたいのか」と「今の生活と無理なく両立できるか」をセットで考えることです。園児や子どもたちの育ちを支える大切な仕事だからこそ、自分の価値観やペースに合った学び方を選ぶことが、結果的に保育の現場での安心感にもつながっていきます。
この記事では、保育士養成校で免許取得を目指すときに知っておきたい基本から、短大・専門・大学それぞれの違い、ライフステージ別の選び方、さらに通学が難しい場合の選択肢まで、やさしく整理していきます。途中で、保育士試験に向けた通信講座という別の学び方にも触れながら、「自分にはどんな道が合っているかな?」と考えやすくなるようにお手伝いしていきます。
少し長い内容になりますが、気になるところから読んでいただいて大丈夫です。読み終えたころには、保育士養成校のイメージがぐっと具体的になり、次に何をしたらいいかが見えてくるはずです。
保育士養成校で免許取得を目指す前に知っておきたいこと
なぜ「保育士養成校選び」がこんなに迷いやすいのか
まず、なぜここまで学校選びが難しく感じられるのかを整理してみましょう。ひとつは、短大・専門学校・大学という名称の違いだけでは、実際の学び方や雰囲気がなかなかイメージしにくいことがあります。「短大は2年で早く卒業できる」「専門学校は実習が多い」「大学は勉強が大変そう」など、ふんわりとした印象だけで比べてしまいがちです。
もうひとつは、どの学校のパンフレットも魅力的で、「ここも良さそう」「あそこも捨てがたい」と迷いが広がりやすいことです。写真を見れば、どこも子どもたちの笑顔があふれていて、職員や保育士、同僚となる先輩たちがいきいきと働いている姿が紹介されています。どれも素敵に見えるからこそ、「結局自分にはどこが合うのだろう?」という不安が強くなってしまうのです。
さらに、学生さんだけでなく、主婦や社会人、シニアの方にとっては、家族や仕事との両立も大きなテーマになります。「保護者さんとして子どもたちに関わる立場から、一歩踏み出して仕事として保育に関わりたい」という気持ちと、「本当に通い続けられるかな」という現実的な不安が、心の中で揺れ動きやすくなります。
こうしたモヤモヤをそのままにせず、次の見出しではまず「保育士養成校でどんな資格を目指せるのか」「どんなゴールがあるのか」を整理していきます。
保育士養成校で目指せる資格とゴールの整理
保育士養成校と一口にいっても、「最終的にどんな資格を目指せるのか」は学校によって少しずつ違います。多くの養成校では、保育士資格だけでなく、幼稚園教諭免許とのダブル取得が可能だったり、児童福祉や特別支援に関する科目が充実していたりと、卒業後の進路を広げやすいカリキュラムが組まれています。
ここで一度、ゴールのイメージを整理してみましょう。例えば、
・保育園や認定こども園で、0〜5歳の子どもたちと日常的に関わる仕事がしたい
・幼稚園で、3〜5歳の子どもたちの学びや生活を育ちを支える役割を担いたい
・放課後児童クラブや児童発達支援など、地域の子どもたちの居場所づくりに関わりたい
といったように、「子どもたちとどんな場面で関わりたいか」によって、向いている資格の組み合わせが変わってきます。
保育士養成校を選ぶときには、「卒業後にどんな姿で子どもたちと向き合っていたいか」を思い浮かべてみることが大切です。園児一人ひとりの姿を見取る力を伸ばしたいのか、保護者さんとじっくり対話しながら家庭と園をつなぐ役割を大切にしたいのか、それとも、職員や保育士、同僚たちとチームで連携しながら大きな行事やプロジェクトを動かしていきたいのか。自分の「なりたい保育者像」が少しずつ見えてくると、学校選びの軸がはっきりしてきます。
養成校ルートと国家試験ルートの大まかな違い
ここで一度、「養成校ルート」と「国家試験ルート」の違いも押さえておきましょう。どちらも最終的には保育士資格につながりますが、道のりと学び方がかなり違います。
養成校ルートは、短大・専門学校・大学などの保育士養成校に通い、決められた科目や実習を修了することで、保育士資格の申請ができる仕組みです。カリキュラムに沿って学びが進むので、「何をどう勉強していけばいいのか」が明確で、初めて保育の世界に入る方にとっては安心感があります。
一方、国家試験ルートは、自分で保育士試験の勉強を進め、筆記試験と実技試験に合格して資格を取得する方法です。通学は必須ではなく、独学や通信講座を利用して学ぶ方が多いので、時間や場所の自由度は高くなります。その一方で、自分でスケジュールを立てたり、学習内容を取捨選択する力が求められます。
幼児教育の知見をもとに見ると、養成校ルートは「学びと実習がセットになっている」ことが大きな特徴です。講義で学んだ子どもの発達や保育の考え方を、そのまま実習先で子どもたちの姿を見取る場面に重ねやすく、「理論と実践を行き来しながら育ちを支える力」を身につけていけます。
一方で、国家試験ルートは、すでに子育てや福祉、教育の現場経験がある方が、その経験に知識をプラスしていくイメージで進めると相性がよいことが多いです。保護者さんとして子どもたちに関わってきた時間を、専門的な学びで言葉にしていくイメージです。
どちらが正しいということではなく、「自分の暮らし方」「これからの数年間をどう過ごしたいか」によって選び方が変わります。ここからは、養成校ルートの中心となる「短大・専門・大学」の違いを、もう少し具体的に見ていきましょう。
短大・専門・大学の違いを整理しよう
短期大学で保育士免許を取る場合の特徴
短大は、おおむね2年間で保育士資格の取得を目指す学びの場です。比較的コンパクトな期間で必要な単位や実習を修了できるため、「できるだけ早く現場に出て働きたい」という気持ちが強い方には選びやすい選択肢です。
カリキュラムとしては、保育原理、子どもの発達、子どもの保健や栄養などの基礎科目に加えて、音楽・造形・体育・言語表現など、子どもたちとのあそびや活動に直結する内容もバランスよく組み込まれています。授業で学んだことを、実習や演習を通して具体的な「関わり方」として身につけていけるのが特徴です。
また、短大の中には、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を目指せるコースも多くあります。将来、こども園で働きたい人や、保育園・幼稚園どちらの可能性も持っておきたい人にとっては、こうしたダブル取得コースが選択肢となります。
一方で、2年間という限られた期間の中で、かなり密度の高い学びと実習が続いていくため、「ゆっくりじっくり学びたい」というタイプの人は少し負担に感じる場面もあるかもしれません。オープンキャンパスなどに足を運び、具体的な時間割や実習スケジュールを確認しておくと、イメージがしやすくなります。
専門学校で保育士免許を取る場合の特徴
専門学校は、「現場に近い学び」を大切にしているところが多いです。たとえば、園での一日の流れに沿ったカリキュラムや、現役の保育士が授業を担当しているケースもあり、実務に直結した内容を早い段階から経験できることがあります。
授業では、保育理論に加えて、指導計画の立て方や環境構成、保護者さんへの連絡帳の書き方、行事の準備など、実際の現場で職員や保育士、同僚たちが行っている仕事のイメージをつかみやすい工夫がされていることもあります。子どもたちの育ちを支える「裏側の仕事」も含めて学べるのは、専門学校ならではの強みです。
また、学校によっては、附属園や提携園での実習・ボランティアの機会が多く用意されているところもあります。子どもたちとの関わりを積み重ねる中で、「自分はこんな場面で力を発揮できる」「こんな関わり方が得意かもしれない」と、自分なりの保育観が少しずつ育っていくでしょう。
注意点としては、専門学校も短大と同じく2〜3年で集中的に学ぶため、スケジュールがぎっしりしていることが多いことです。アルバイトや家庭との両立を考えている場合は、授業時間や実習期間中の負担などを事前に聞いておくことをおすすめします。
大学で保育士免許を取る場合の特徴
大学で保育士免許を目指す場合、4年間という時間をかけて、保育だけでなく教育学、社会福祉学、心理学なども幅広く学べる点が特徴です。子どもたちの育ちを支える土台となる知識を、じっくりと時間をかけて深めていけるのが大学の強みです。
ゼミや卒業研究を通して、特定のテーマを掘り下げる経験ができるのも大学ならではです。たとえば、発達がゆっくりな子どもへの支援、保護者さんとの連携のあり方、インクルーシブ保育の在り方など、自分が気になるテーマに取り組むことで、保育観がより明確になっていきます。
また、大学によっては、保育士資格と幼稚園教諭免許に加え、小学校教諭免許や特別支援関連の資格との組み合わせが可能なところもあります。将来的にキャリアを広げたい方や、子どもたちの育ちをさまざまな立場から支えたい方にとっては、大きな魅力となります。
その一方で、4年間の学費負担や、通学期間が長くなることは、家計やライフプランとの相談が必要です。特に主婦や社会人、シニアの方が大学進学を考える場合は、「いつから働きたいのか」「卒業後にどのくらいの期間働き続けたいか」といった視点も一緒に考えると、納得感のある選択につながりやすくなります。
ここまでで、短大・専門・大学それぞれの特徴を見てきました。次は、これらの違いを「メリット」と「注意点」の両面から整理しながら、自分に合った保育士養成校のイメージをさらに具体的にしていきましょう。
保育士養成校ルートのメリットと注意点
メリット:カリキュラムに沿って体系的に学べる
保育士養成校ルートの一番の良さは、「何から学べばよいか」を自分一人で悩まなくてよいところです。短大・専門・大学のいずれも、保育士資格につながるカリキュラムが組まれており、基礎から応用へと自然な流れで学びが積み上がるようになっています。
たとえば、最初のうちは
・保育原理
・子どもの発達
・子どもの保健・栄養
といった土台となる科目を中心に学び、そこから少しずつ、環境構成や保育内容、行事の運営、保護者支援などへと広げていきます。
こうした流れの中で、園児や子どもたちの姿を見取るための視点も、段階を追って身についていきます。「なぜ今この行動が出ているのか」「どんな関わりが育ちを支えるのか」といったことを、授業と演習を通して少しずつ言葉にしていく経験は、独学だけでは得にくい部分でもあります。
また、評価や単位の仕組みがはっきりしているので、「どこまで学べているか」「何がまだ弱いか」を教員からフィードバックしてもらえる点も安心材料です。自分の苦手を一緒に探してもらえることは、これから保育士として学び続ける姿勢を育てるうえでも大切な経験になります。
メリット:実習で現場感覚と人間関係が育つ
保育士養成校ルートのもうひとつの大きな強みは、実習です。実際に保育園や認定こども園、幼稚園などの現場に入り、子どもたちと生活やあそびを共にする中で、「保育士として働くとはどういうことか」を肌で感じることができます。
実習では、子どもたちと関わるだけでなく、
・職員や保育士、同僚となる先生たちとの連携
・保護者さんとの挨拶ややりとり
・一日の保育の流れや行事の準備
など、現場ならではの空気を体験できます。教室で学んだ内容が、目の前の子どもたちの姿とつながったとき、「この仕事を選びたい」という気持ちがぐっと強くなる方も多いです。
また、実習を通じて、就職につながるご縁が生まれることもあります。「この園で働きたい」と感じられる出会いがあったり、実習先の園から声をかけてもらえたりすることもあり、将来の働き方を具体的に想像しやすくなります。
注意点:学費・通学時間・生活との両立
一方で、保育士養成校ルートには現実的な注意点もあります。代表的なのは、学費と通学時間、そして生活との両立です。
まず学費について。短大・専門・大学のどれを選ぶかによって金額は大きく異なりますが、入学金に加えて年間の授業料、実習にかかる交通費、教材費など、まとまった費用が必要になります。将来の収入や働く期間も含めて、「どの程度までなら無理なく負担できるか」を家族とも相談しながら考える必要があります。
通学時間も見逃せないポイントです。片道1時間以上かかる場合、授業や実習で疲れている中での移動が負担になりやすくなります。特に主婦や社会人の方は、家事や仕事、子育てとのバランスをイメージしながら、「この距離なら続けられそうか」を現実的に考えておくことが大切です。
さらに、実習期間中は、授業とは違う緊張感や体力的な負荷があります。朝早くからの登園、子どもたちの安全を見守り続ける集中力、記録や指導案、日誌の作成など、目に見えない仕事もたくさんあります。「忙しいけれど、子どもたちの育ちを支える時間はやっぱり楽しい」と感じられるかどうかが、続けていくうえでの重要なポイントとなるでしょう。
ライフステージ別・保育士養成校の選び方
高校生・大学進学前の方の場合
高校生や進路を考え始めた若い世代にとって、保育士養成校選びは「これからの数年間をどう過ごすか」を決める大きな選択です。まだ具体的なイメージが持てない場合も多く、「短大がいいのか、専門学校がいいのか、大学がいいのか分からない」という声もよく聞かれます。
この時期におすすめなのは、
・オープンキャンパスに足を運んで授業体験をする
・学生や教員から直接話を聞いてみる
・実習やボランティアについて具体的に質問してみる
といった、「実際に見て、聞いて、感じてみる」ことです。
短大・専門は、2〜3年で現場に出る力を集中的に育てるイメージが強く、大学は4年間でじっくりと学びながら保育観を深めていくイメージがあります。どちらが自分に合っているかは、勉強スタイルだけでなく、「どれくらいのスピードで現場に出たいか」「高校卒業後の生活イメージ」によっても変わります。
もし迷ったときは、
「子どもたちと早く現場で関わりたいのか」
「時間をかけて幅広く学びたいのか」
という軸で、自分の気持ちを書き出してみると整理しやすくなります。
20〜30代社会人・主婦の場合
すでに社会人として働いている方や、子育てや家事を担っている主婦の方にとって、通学を前提とした保育士養成校への進学は、「時間」と「体力」との相談も必要な大きなチャレンジです。
この世代の方は、すでに保護者さんの立場として子どもたちに関わってきた経験があることが多く、「子どもの発達をもっと理解してサポートしたい」「園の職員や保育士の姿を見て、自分もこの仕事がしたくなった」というきっかけを持っていることがよくあります。その経験は、保育を学ぶうえで大きな強みになります。
一方で、
・仕事との両立(フルタイムか、時短か)
・家事や子育てにかける時間
・家族のサポート体制
など、通学以外の要素も密接に関わってきます。学校の時間割だけでなく、実習期間中のスケジュールや、休暇の取り方についても事前に情報収集しておくと安心です。
場合によっては、
「数年間は通学は難しいので、まずは国家試験ルートで学んでみる」
という選択肢も有効です。その際に、保育士資格に特化した通信講座などを活用し、学習の道筋をサポートしてもらうことで、「仕事・家庭・学び」のバランスを取りやすくなることがあります。
40〜50代以降・シニアの場合
40〜50代以降で保育士資格取得を考える方も、近年少しずつ増えています。子育てが一段落したタイミングで、「やっぱり子どもたちとかかわる仕事がしたい」と感じたり、地域のボランティア活動を通じて保育や学童の現場に興味を持ったりすることがきっかけになることも多いです。
この世代の方の強みは、何よりも人生経験です。さまざまな年齢の子どもたちとの関わりや、家庭・仕事・地域で培ったコミュニケーション力は、保護者さんとの対話や、職員・保育士・同僚との連携のなかで、大きな支えになります。
ただし、通学での学び直しには体力や経済的負担も伴います。
・週何日通えると無理がないか
・学び終えたあと、どのくらいの期間働きたいか
・フルタイムではなく短時間勤務や非常勤での働き方も視野に入れるか
など、自分のペースを大切にした計画づくりが必要です。
もし通学に不安がある場合は、国家試験ルートや通信教育を組み合わせた学び方も選択肢に入れてよいでしょう。大切なのは、「年齢を理由にあきらめなくてよい」ということです。自分に合ったペースで、子どもたちの育ちを支える一歩を踏み出す人が増えていくといいですね。
「期間」「費用」「学び方」で比較する保育士養成校
どれくらいの期間で保育士資格が取れるのか
保育士資格を目指すとき、多くの方がまず気になるのが「どれくらいの期間で免許取得までたどり着けるのか」という点です。短大・専門・大学では、おおまかに次のようなイメージになります。
短大:2年間で保育士資格(+幼稚園教諭免許など)を目指す
専門学校:2〜3年間で保育士資格を目指す(学校によって年数が異なる)
大学:4年間で保育士資格(+他の教員免許)を目指す
「早く現場に出て、園児や子どもたちと関わりたい」という気持ちが強い方は、短大や2年制の専門学校が選択肢になります。一方で、「保育だけでなく教育や福祉も幅広く学びたい」「研究やゼミ活動にも参加したい」という方は、大学での4年間の学びが向いているかもしれません。
大切なのは、「早く卒業すること」だけをゴールにしないことです。実際に保育士として働き始めたとき、子どもたちの育ちを支えるための視点や、保護者さんとの対話力、職員・保育士・同僚との協力などが求められます。その土台をどのようなペースで育てていきたいのか、自分の性格や生活リズムと照らし合わせながら考えてみるとよいでしょう。
学費と生活費のバランスをどう考えるか
次に、どうしても避けて通れないのが学費の問題です。学費は学校や地域によって差がありますが、短大・専門・大学いずれの場合も、「授業料+入学金+諸経費(教材費・実習関連費など)」がかかります。ここに、自宅外から通う場合は家賃や生活費も加わってきます。
学費だけを見て「高い」「安い」と判断してしまいがちですが、卒業後の進路や働き方も含めてトータルで考えることが大切です。例えば、
2年間で早く現場に出て収入を得たいのか
4年間かけてじっくり学び、資格や免許を複数取得したいのか
将来、園長やリーダー職なども視野に入れて学びを深めたいのか
といった視点を組み合わせて考えると、「自分にとって納得できる投資の仕方」が見えてきます。
また、奨学金や教育ローン、自治体の修学支援制度など、使えるサポートも事前に確認しておきたいところです。特に主婦や社会人の方の場合は、パートタイムやアルバイトとの両立も検討しながら、無理のない計画を立てていくことが安心につながります。
授業スタイル・実習の違いと向き不向き
短大・専門・大学によって、授業スタイルにも違いがあります。
講義中心で理論をしっかり学ぶ
少人数クラスで演習やグループワークが多い
実習や現場体験の比重が高い
など、それぞれに特徴があります。
人前で話すのが得意な方は、模擬保育や発表が多い授業スタイルの学校が合うかもしれません。じっくりノートを取りながら理解を深めたい方は、講義が充実している学校が向いている可能性があります。
幼児教育の知見をもとに見ると、「授業で学んだことを実習で試し、子どもたちの姿を見取る」という往復運動ができる環境は、どのルートでも大きな学びにつながります。オープンキャンパスで授業風景の動画を見たり、在校生の声をチェックしたりしながら、自分の学び方と合いそうかどうかをイメージしてみてください。
通学が難しい人のための選択肢と通信講座の活用
「学校に通えない」場合に考えたいこと
ここまで読んで、「やっぱり養成校の魅力はよく分かる。でも、自分の生活を考えると通学はかなり大変かもしれない…」と感じた方もいるかもしれません。仕事や家事、子育て、介護など、それぞれの生活背景がある中で、毎日決まった時間に通学するのが難しいケースも少なくありません。
そうしたとき、無理に通学にこだわる必要はありません。保育士資格には、国家試験ルートという別の道も用意されています。自分や家族の状況を大切にしながら、「今の自分に合う方法はどれか」を柔軟に選んでいくことが何より大切です。
国家試験ルート+通信教育という選び方
通学が難しい場合、保育士試験に挑戦するルートを検討する方も多いです。国家試験ルートでは、筆記試験と実技試験をクリアすることで保育士資格を取得できます。学び方は自由度が高く、独学もできますが、科目数が多く範囲も広いため、途中で迷いやすい面もあります。
そこで選択肢として出てくるのが、保育士試験に特化した通信講座の活用です。通信講座では、
科目ごとの重点ポイントを整理したテキスト
スケジュール例や学習計画の立て方
添削課題や模擬試験
質問サポート(メール・オンラインなど)
といったサポートが用意されていることが多く、「何から始めればいいのか分からない」という不安を軽くしてくれます。
通勤時間や家事の合間、子どもたちが寝たあとなど、自分のペースで少しずつ進められるのが通信教育の良さです。「今日は10分だけ」「休日にまとめて1時間」など、ライフスタイルに合わせて柔軟に学べます。
自分に合う通信講座の選び方と情報収集の手順
通信講座を選ぶときは、次のようなポイントをチェックしてみると比較しやすくなります。
テキストが図やイラストで分かりやすく、専門用語が噛み砕いて説明されているか
添削や質問対応など、わからないときに頼れる窓口があるか
模擬試験や過去問演習など、実戦的な練習の機会が用意されているか
子育て中や仕事をしている人向けの学習モデル(スケジュール例)が紹介されているか
いきなり一つに決めなくても大丈夫です。複数の通信講座の資料を取り寄せて比べてみることで、「自分の生活にしっくりくるか」「テキストの雰囲気が合うか」が見えやすくなります。
保育士試験対策の通信講座についてまとめている情報も参考になります。保育士資格取得の通信教育を比べて、自分に合う勉強方法を検討してみたい方は、次のような情報ページを一度チェックしてみるのもおすすめです。
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養成校ルートと国家試験ルート、そして通信講座を組み合わせることで、自分の暮らしに合った保育士資格への道筋を描きやすくなります。
よくある質問
短大・専門・大学のどれが一番有利?
「どの学校が一番就職に有利ですか?」という質問は、とてもよく聞かれます。たしかに、就職率や求人の多さも気になるところですが、それだけで選んでしまうと、入学後に「思っていた雰囲気と違った」「自分には合わなかった」と感じることもあります。
大切なのは、
自分が大切にしたい保育観に合っているか
授業や実習の雰囲気が自分に合っていそうか
教員や職員・保育士・同僚となる先輩たちとの距離感が心地よさそうか
といった、「学ぶ環境との相性」です。オープンキャンパスや学校説明会では、就職率の数字だけでなく、卒業生の声や実習先のラインナップもあわせてチェックしてみてください。
年齢が高くても保育士養成校に通える?
「40代や50代からでも保育士養成校に通えますか?」という不安を持つ方も少なくありません。結論から言うと、年齢だけで門が閉ざされることは基本的にありません。実際に、社会人入学や編入で保育を学び直す方もいます。
年齢が高いからこそ、子育てや仕事、地域活動などで培った経験が、保育現場で大きな力になります。保護者さんの気持ちに寄り添いやすかったり、子どもたちのちょっとした表情の変化から育ちを支える関わりを選べたりと、人生経験ならではの強みがたくさんあります。
もちろん、体力面や通学の負担は若い頃とは違って感じられるかもしれません。その場合は、通学日数が少なめのコースや、夜間部・通信制の大学なども含めて、自分に合うスタイルを探していけるとよいでしょう。迷ったときは、学校に直接問い合わせて相談してみるのも一つの手です。
学費が不安なときにできることは?
学費面の不安は、多くの方が抱えているテーマです。まずは、
自分や家族が負担できる金額の目安
奨学金や給付金制度の利用可否
卒業後の収入見込みや働き方のイメージ
を紙に書き出して整理してみてください。
「今は全額を自分で用意するのは難しい」と感じても、奨学金や教育ローンの利用、自治体の支援制度などを組み合わせることで、現実的なプランが見えてくるケースもあります。また、「まずは国家試験ルートで学び始め、後から必要に応じて養成校への進学を検討する」というステップを踏む方法もあります。
どの道を選ぶにしても、「子どもたちの育ちを支える学びに投資している」という視点を持てると、日々の勉強にも前向きに取り組みやすくなるはずです。
まとめ
保育士養成校で免許取得を目指す道は、短大・専門・大学それぞれに魅力があります。どれが一番良い、というよりも、「自分のライフステージや価値観に合っているかどうか」で選ぶことが大切です。
早く現場に出たいのか、じっくり学びたいのか
学費や通学時間をどのくらい負担できるのか
将来、どんな保育の現場で、どんな子どもたちの姿を見取っていきたいのか
これらの問いに、少しずつ自分なりの答えを見つけていくプロセスそのものが、すでに保育士としての一歩になっています。
通学が難しい場合でも、国家試験ルートや通信講座を活用することで、自分に合ったペースで保育士資格に近づくことができます。保育士資格取得の通信教育について整理している情報も参考にしながら、自分らしい学び方を探してみてください。
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